19 再び青島に会いに行く
また青島恵子に会いに行きます。
翌朝、私と京子は青島さんを訪問した。
「青島さん、私たちはあれから、係長の昔の知り合いに会ったり、係長の実家に行ったりして、いろんなことを知りました。網走署で昔の事件の記録も読みました」
「……そう……」
「青島さん、北海高校で村田係長の担任をしていましたね。係長の義理の父親、千島荒江さんの事件でお話を聞かせていただけませんか?」
「……そう、よくお調べになったわね……さすが優秀な刑事さんだわ……どうぞ」
青島さんは私たちを家の中へ入れてくれた。
「私は、千島君、いや今は村田君だったわね、村田君が高校生の時の担任だった。その時にお父さんの千島荒江さんが亡くなったのよ。警察は事故だったと結論づけたわ。でも本当は事故なんかじゃなかったのよ」
「相田さんが目撃者として警察に証言していましたよね?」
「ええ、でも理恵ちゃんは本当のことを言えなかったのよ」
「どういうことー?」
「……どうしても、言えなかったのよ……」
「青島さん、話してもらえませんか?」
「……」
「おばあちゃん、話してよー。相田さんのためになるかもしれないし、係長のためにもなるかもしれないしー」
「あなた方は、T県警から来られたのよね。どうして? どうして、わざわざT県警から?」
「村田係長が網走署で、不法侵入の疑いで取り調べを受けていました。私たちは、係長が本人かどうかの確認をするためにT県警から派遣されて来ました」
「あら、そうなの。でも、ここで殺人事件が起こったりして、T県警に帰れなくなったってわけね」
「ええ、係長が事件に巻き込まれてしまったので……」
「あなたたち、村田君を助けてあげてくれるのかしら?」
「もちろんです」
「そうよー。あんな人でも一応上司だしねー」
京子は一言多かった。
「世の中にはね、絶対にこれが真実だとわかっていても、どうにもできないことがあるのよ。村田君はそれをどうにかしようとして頑張っているのよ。あなたたちは本当に村田君を助けてあげられるの? たとえどんな理由があっても、助けてあげられるのかしら?」
青島さんは感情が高ぶってきた。
「うん、絶対助ける! 一応上司だからー!」
京子はまたしても一言多かった。
「ええ、青島さん、私たちは村田係長のことを助けます。助けたいんです!」
「……昨日、尾崎君から電話があったのよ。もしかしたら、あなた方がここに来るかもしれないって。あなたたちのような優秀な刑事が味方になってくれるのなら、話したほうがいいかもしれないわね……」
「尾崎刑事から連絡がきたのですか……」
私は、やはり尾崎刑事も繋がっていたのかと思った。青島さんはとても落ち着いて一息ついた。そして、部屋の襖の方を向いた。
「理恵ちゃん、出てらっしゃい」
青島さんがやさしく声をかけると、ゆっくりと襖が開いた。そこには、相田理恵さんが立っていた。
「えーーー!!! 何で!」
「相田さん!? ……これは一体……」
私たちは仰天した。
うおっ、一体、なぜ?




