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八大貴族とアルカナゲーム

作者:楓原こうた
賭博が合法化した現代に、一人の少年の存在が界隈で有名になった。
歳は15、東洋出身で特有の黒髪をした少年。その才覚は界隈を驚かせ、数多くのカジノでその才能を見せびらかしたという。

そんな少年————海原夜月(うなばら よつき)には子供の頃にちっぽけな約束を交わしていた。

『俺は、必ず大きくなって————お前と結婚してみせる』
『はい……待っています、夜月』

相手は同い年の女の子。
小さな頃に知り合い、互いに惹かれ合って交わした約束。

だが、その約束は現実を見れば叶わぬものであった。
少女は『世界八大貴族』と呼ばれる、貴族の娘。

世界に影響を及ぼすほどの発言力、財力を持ち、雲の上の存在であり文字通りの『格』が違う存在。

そんな存在の娘と結ばれるなど、一般人には不可能。
だけど、夜月は諦めない————金を集め、少女と並び立つ存在になる為に。

その為に、少年は賭博をしていた。
そして気づけば、一企業を買い占めれる程の資金を集めていたのだが、残念ながらそれでも並び立つには全く足りない。

そんな時、保護者の男にある提案をされる————

「なぁ……都市学園に通う気はないか?」

都市学園————そこは、世界各国の御曹司や令嬢が集められ、優秀な若者として世に排出する為の機関。
そこではクラスごとに与えられた『アルカナ』を奪い合う事によって才覚を伸ばしていく教育システムが導入されている。

『アルカナ』の存在は大きい。
それを所持しているだけで、将来は約束される。

そして、『アルカナ』を集めると、あの『八大貴族』と同じ格にまでなれるという。
更に、その学園にはかつて約束を交わした少女も在籍していて————


少年は、学園に入学し過去の約束を叶える為に全てのアルカナを集める。

————本格派頭脳戦ラブコメディ、ここに開幕。


「さぁ、賭博を始めよう———テーブルに賭けるのは、そのアルカナただ一つだ」

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