詭弁の類
世界が滅ぶことを考える
地球にある寿命は宇宙へ出て克服したとする
宇宙の寿命は果たして超えられるだろうか
とてもそうは思えない
宇宙は人の手に負えないとしか思えない
寿命まで生き延びることさえ難しそうだ
そのうえ 宇宙の寿命が尽きるとき
僕らの残滓は塵も残らない
「誰にも読またことのない本に意味はない」
なんて偶に聞く言葉に従えば
僕らに意味なんてなかったと結論づける?
寒々しい思いを抱えたことはあるよ
子でも 音楽でも 建物でも
後世に続くことを救いと感じていたから
自分の意味がどこかにあるのだと
その拠り所を何かが続くことに求めた
すべてがいずれ途絶えるのなら
すべては虚しい?
「人間には何の意味もないよ」
「なくなってしまうものに、どんな価値があるって?」
ニヒリズム気取りで嘯いてみる?
意味はなくならないよ
毎日通る道のアスファルトと土の間から
健気に咲いている蒲公英に気付く
大体忘れて普段通りの日々を過ごす
ただ近くを通るときに視線を向けるだけ
やがて鮮やかだった黄色は次第に褪せて
ある朝に綿毛になっていることに気付く
風が吹いて 次代に続くために舞っていく
胸に去来する感情はあるか?
あるのならば、それこそが意味だ
あるものをないなんて言うなよ
ちゃんと見ろ
未来になくなるともしても
現在に意味はある