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二階に越してきた奴


七月中旬の土曜、その日はまだそれほど暑くない日だった。近隣のプール場がオープンしたので朝は泳いできた。なんといっても無料だ。午後は図書館で執筆し夕方帰宅した。テレビをつけながら、六時ごろからお茶割りを飲みだした。すると突如大音量の音。それは同じ番組のテレビ音だ。ぼくはアパート一階に住む。八年も住むのでアパートの住民はわかっている。これほどの音量は、以前住んでいた二階の奴もこの音に匹敵する。でもその男は部屋で急死した。とりあえずベランダに出て音源を確かめると、二階のその部屋とわかった。まさか亡くなった奴が生き返った? そんなことはあり得ない。だれか越して来たということだ。でも近日、引っ越しのトラックを見た形跡はない。荷物を搬入していれば、なにかと騒々しい。それかぼくが図書館など外出中に入れたのかもしれない。それも三、四時間内である。ちょうど外壁塗装をしているため、職人さんの社宅にしたのか。いや、そんなことはないだろう。

 またややこしい奴が越して来た予感。このような騒音を出す輩は、まず尋常ではない。前の奴もベランダでガタガタ騒音を出したり、歌ったりとアパートへ住む体制の奴ではなかった。どっちかというと、自由気ままな一軒家だ。

 アパートというものは、上下左右に人がいるという意識を持たなければいけない。夏は網戸にするので余計音が漏れる。それを考えていないため、客観視できない奴とわかる。

 そのテレビの音量が静まるわけではなかった。九時を過ぎても十一時を過ぎても、仕舞には零時を回った。どの部屋も大迷惑のはず。

 あの野郎は耳が悪いのか。そのおかげでなかなか寝つけなかったのはいうまでもない。

 日曜日もうるさかったので、これは不動産へ伝えることにした。

 月曜には電話で伝えると、直で入居していないという。というのは、このごろエイブルやハウスコムという、チェーン店不動産が直の不動産へ、入居人の礼金を折半するという形で参入している。

 となると、直の不動産はチェーン不動産へはいえず、家主から話してもらうことになるようだ。家主はいってくれるのだろうか。

 その夜、なんと少しは音量が下がった。こいつはどんな野郎だと気になった時、たまたま外で自転車を停めると、七十過ぎらしき細身で短髪、横山やすし似の男がのろのろと、このごろ停まっている自転車へ乗った。この時、ぼくは少し小声であいさつをしたが、男はしない。この野郎と。だからろくな奴ではない。

 その翌日、駐輪場に自転車が増えている。一時的の自転車と思ったがとても邪魔な置き方だった。部屋に入るとどうも二階のジジイの連れのようだ。ジジイの高い声も大きい。零時を過ぎても声はうるさく、それもテレビの音量付きだ。もう復活した。やはりなと。こういう奴は何度いっても同じだろう。やっかいな奴が越してきたものだ。

 このような者が越してきた場合、普通ならどうするか。不動産へ何度も伝えるか、警察はどうだ。でも民事だ。事件ではない。

 そしてこの連れ、翌日も翌々日も泊まっていた。なんだ、この連れは、ホモか。それも更なるやっかいごとが増えたということだ。自転車を堂々と停めるので、わざわざどかさないとならない。こんな奴らだ。

 あれから一カ月たった。テレビの音量は大きかったり、少しは小さい時がある。一度「うるせーなー」とベランダでいったことがある。だが音量は静まらなかった。連れは週に二日ほどいない場合がある。数日後に戻って来る。ということは、宿無しで、横山ジジイが泊めているという感じか。二度ほど見たが髪は乱れボサボサだ。当然あいさつはない。長身で手の震えが少しあった。もしや薬中だろうか。二人もやっかい人がいる。こんな場合みんなはどうするのだろう。二度不動産屋へ伝えたが、最初だけ小さくなる。が、変わらないだろう。みんな迷惑している。ホモ野郎出てけー。



みなさんもそうだと思うけど、自宅周辺に変人がいたらどうですか。嫌でしょう。だぶん前のアパートでも問題な人物と思います。

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