モー娘。おとめ組のコンサートへ行く
また恥ずかしい話しを見つけました。
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僕はモー娘。の加護亜衣のファンだった。昨年ハロプロスポーツフェスティバルで初めてモー娘。のメンバーを生で観た。当然加護ちゃんも初めての生だ。その時は嬉しかった。いい年して少女を観て喜んでいる。まさにロリコンだ。加護ちゃんファンになった理由はミニモニ。の曲が良くなり、メンバーをテレビで観ていたら愛しい顔立ちの子がいた。初めは気にしてなかったが何回かテレビ画面に登場していたら気になり、いつのまにか虜になっていた。それからと言うものモー娘。が出演してるテレビ番組はほぼ観ている。
加護亜衣を見たいためモー娘。を見るわけだ。だが加護ちゃんを裏切ることになる。
年の瀬、新聞にモー娘。おとめ組が静岡市に来るため、チケット先行予約のお知らせが載っていた。僕は迷った。まだモー娘。ファン歴が浅い。本当のファンではないとき静岡へ一度来たが、ファンになってからは静岡に来ていない。おとめ組は加護ちゃんがいないので迷う理由にもなった。
ここのところ、モー娘。は二手に別れていて、おとめ組とさくら組になる。加護ちゃんはさくら組にいる。ただおとめ組には二番手に好きな子がいた。辻希美だ。
これは二度と来ないかもしれないから、やはり行こうとなった。友人タカオも誘ったら行くことになり、時間が遅れたが先行予約の日に電話をしてみた。すると三十分で売り切れていた。僕はがっかりしてタカオに報告した。普通予約は一カ月後になるわけだ。
ただパソコンを持っているタカオがネット販売をしていると教えてくれた。僕は乗る気だったが、タカオは乗る気ではない。なぜならネット販売には詐欺師もいるからだという。だがタカオは十日後にはネットでチケットを買っていた。なぜ気が変わったかと言えば、カミさんが大丈夫と判断したからである。それをどうわかるか知らないが、ネットだとわかるらしい。
チケットはコンサート間近に届くと言っていた。なぜ間近と思った。売る方は随分要領がいいことを感じる。金を払った日から日数が空くし、その間に逃げられれば買った方が詐欺に会うためだ。
タカオへはよく電話をしているから、チケットが来ればすぐ教えてくれる。だが、なかなかチケットは来ないという。先方のコンサート間近と言ったことを信じるしかないと、タカオに言われる。正式に申し込む普通予約もとっくに過ぎ、コンサート一週間前、タカオに電話するとまだ来ないらしい。僕もタカオもチケットが定価より安かったから、やっぱ詐欺に遭ったかもなと、僕らは傷心気味だった。ネットで買うのは詐欺に遭うことを前提で購入しないとならない。
ところがコンサート三日前、タカオからチケットが来たと電話が来た。僕は『うそーっ!』と思わず大声で叫んでいたのは言うまでもない。申し込んだとおり夜の部で席は後ろの方だが、しっかりチケットは来たのだ。僕は諦めかけていたため、その一報はとても嬉しかった。実は来なかった場合を想定して、独りコンサート会場に行き、チケットの売人がいるかいないか会場に出向くつもりだったからよかった。
おとめ組コンサートは夜の部なので午前中はプール場で泳いだ。なじみの監視の女性に『今夜、モー娘。おとめ組のコンサートに行って来る』といったら、『嫌ー、モー娘。って子供位の子じゃん。ヤダー! ロリコンじゃん!』といわれ軽蔑された。僕の腸は煮えくり返ったが、いい年してそのコンサートに行くのだから、いわれても仕方がない。
今後口外しないようにする。だが、現在文を書いている。
タカオが僕の家に車で迎えにくることになった。ただなぜ迎えに来るのか疑問だ。
僕が自転車でタカオの家に行き、電車で行くのが一番効率いい。だがタカオは車で迎えに行くといい張った。
そして自宅前へ着いたと電話が掛かった。だがタカオの車がない。違う車が停まっていたが、まさかこれかなと近くに寄ってみる。やはりタカオが乗っていた。
「あれっ、車変えた?」
「そうだ、変えたぞ」
その車は新車でトヨタの高級スポーティータイプの『ハリヤー』という車だ。以前の車も新車で購入し、まだ一年半位しか乗ってない。購入してから距離や登録年数などで早めに売れば高めに買い取りしてくれるが、もう車を買い替えるとは……。結婚したから一台の車を長く乗るものかと思っていた。独身時は中古車二台と新車四台で計六台を乗り替え、結婚してからは今回で新車四台目だ。車好きは当然だが、金銭がよく廻ることだ。子供がいないのが救いかもしれない。これでは今後も車を変えそうだ。部屋にはカー雑誌が何冊もあり、趣味のようになっているのも理由だ。
結局タカオは僕に車を見せたかったのだろう。そして高級車で彼の家まで行き、駅まで歩いた。会場には早めに着いた。
『チケットあるよー、チケットある?』とダフ屋がいた。もしチケットがなくても買えた。
でも高いだろう。東京時のモー娘運動会はいなかったので、厳しくなったのかと思ったが静岡にはいた。
そして会場外で売っているモー娘。のグッス屋を覗いた。僕の好きな加護ちゃんグッスもあったが気に入るのがない。おとめ組の娘達が主だった。
DVDを売っているブースで僕とタカオの目がとまった。加護ちゃんやタカオの好きな石川梨華のオーディションの模様や昨年、僕が行ったハロプロスポーツフェスティバルのDVDなどがあった。
当時の僕はDVDデッキを持っていないがタカオは持っている。
自分はあきらめるが、タカオは値段を見て気にしていた。そして一通り見たあとタカオはハロプロスポーツフェスティバルのDVDを買った。僕は東京ドームで観たからいいが、会場が静岡ならタカオも観たかったのだろう。僕はオーディションの様子を欲しかった。
このようなグッスを売っている人達は別にファンでも何でもないのに商売のため全国をまわっている感じがする。売っている側からすると、買い手の目が光って見えるではないのか。
会場外は異様なファン集団が踊りの練習をしていた。東京にもその集団はいたが静岡で見ると引いてしまう。土地柄があるかもしれない。僕は今回ペンライトをタカオの分と持って来た。前回のスポーツフェスティバルで、歌で必需品と横にいた埼玉の人に教わった。それで百均で購入した。
そして会場入りして正式なグッス売り場をのぞいた。タカオと冷やかしで見ただけ。
ファン層は親と来ている女の子から四十代位の男性だ。若い女性同士もいたのは少し不思議だった。大体モー娘。のファンというと引く女性が多くいるためだ。
時間はあったが席に着き回りをうかがった。席はやはり一階の左後ろだった。ハッピに着替えた人や娘の名が入った服になっていた。石川梨華や辻ちゃんの名が周りでは多かった。ペンライトも光っていた。僕らもペンライトを折り光らす準備をした。そして開演した。会場は総立ちでペンライトの嵐と掛け声になった。歌が始まり皆、ペンライトで合いの手をしていた。僕らは判らないが周りのファンに合わせていた。このファンらはほとんどファンクラブに入っている感じ。みんなモー娘。を心から好きで歌と共に一体になっているパワーを感じた。
おとめ組だけでは曲が少ないのでやはり、モー娘。のナンバーも歌い出した。やはり僕らは知っている歌に精を出しペンライトを降っていた。『ここにいるぜ!』、『恋愛レボリューション21』、『ザ・ピース』などお決まりのヒット曲を歌って周りのファンも盛り上がっていた。タカオ隣の四十代サラリーマン風、独りの男性は、タカオに踊ってぶつかったらスイマセンと最初に謝っていた。その理由が始まってわかった。なんと席を二席キープしていて、娘達とともに踊り出したからだ。僕らは驚がくした。だがそんなファンは結構いるように思えた。僕らの前列のファンも一人で二席を取り、やはり踊っていた。完全にコンサートを楽しんでいる。これこそ真のモー娘。ファンと思った。
二人分の席を取るとは凄い。かなり練習したこともわかる。僕も以前モー娘。の踊りをビデオで何回も観て覚えたが、結構大変だった。何回もビデオで繰り返し覚えるが、頭になかなか入っていかない。
だが、完全に覚えた時はやはり出来たんだと自画自賛した。その後、モー娘。は次々と曲を出すので、踊りが大変になり無理となった。だが、その人達は新しい歌の踊りをしている。つねに覚えていくのだと感心する。今後も頑張ってもらいたい。
コンサートは中盤に差しかかり、寸劇をおとめ組の娘達は披露してくれて終盤になった。
僕らは少々ペンライトを降る腕が疲れたが、周りのファンの熱気やパワーが凄く声援も一団となり合いの手を送っていた。それはよくモー娘。がテレビの公開番組で歌うと、ファンたちが歌に合わせ飛び跳ねる感じだった。そして終盤になりラストはモー娘。のバラード曲『I・WISH』で感動に締めくくった。そしてアンコールになる。僕らはおとめ組だとアンコールは何を歌うのかと思っていた。そしたら何と会場の人達にプレゼントが当たるおとめ組によるゲームだった。娘達がチケットの席順を割り当てられる勝ち抜き戦ゲーム。僕らははずれだ。そして別れ惜しいファンを後に、おとめ組の娘達は退散した。
一時間半に及ぶコンサートも終わりになった。当たった人達はおとめ組のポスターを帰りにもらっていた。
僕もタカオ大満足で電車に飛び乗る。私鉄の電車は混んでいるかと思ったが、空いていた。どうも地元の人達はあまりいなかったのか。私鉄は静岡と清水を結ぶ電車だが、それらしき人達は二、三人いた。ということは、ほぼJRだろう。結構、遠くから来ていたのかもしれない。
ファンの服には愛知県の支部名もあった。結構遠征して来ている。
タカオの家に着き、高級車で送ってもらう。腹が減ったので近くのガストでハンバーグ定食を食べながら、コンサートの話しに盛り上がった。ちなみにスープが飲み放題だったので六回もおかわりして腹がパンパンになった。
今回、ファンの加護ちゃんは見られかったが、モー娘。のコンサートは一応二回になる。
前回のハロプロスポーツフェスティバルもそうだが、見に行くたびに娘達とファン達のパワーに驚かされる。娘達は昼の部もあり二回も精一杯に歌い踊るパワーと、ファンの娘達に対する一生懸命な応援、これには本当に一体となって反響している。ファンが娘達に合わせているのは当然であるが。僕はロックコンサートへよく行っていたからモー娘。と違う感じは薄々わかった。どこが違うと言えばやはり、ファンのパワーがまったく違った。ペンライトや合いの手をみんな十分知り尽くし、コンサートへ幾度と足を運んでいるのが目に見えた。このパワーを吸収しにもっともっとモー娘。のコンサートに行って一体感を掴みたい。現代社会の疲れにはモー娘。でストレス発散がいいのかもしれない。
いやー、三十代後半の話しが多く、当時を思い出させました。席を二席借りるのは今でもそうでしょうか。一人で来て、とてもパワーがある人でした。