【詩集】七つの罪
【傲慢】
私に巣食う堕天使の影。
『あの子なんかより私の方が...』
『何であんな子が...』
そうして生まれた醜い心が
あの子の純粋な心に劣っているとは知らずに。
天使の声も届かぬまま
今日も愚かな人々は憎しみ合っている。
【嫉妬】
彼とあの子の綺麗な思い出。
ぜんぶ、ぜんぶ消えてしまえばいい。
私はあの子の代わりじゃない。
私をもっと愛して欲しい
ただそればけなのに
汚い私の心は綺麗な思い出たちに敵わない。
いくら願っても
いくら望んでも
消えることの無い彼とあの子の思い出は
私の居場所と心を蝕んでゆく。
【憤怒】
僕は...憎いアイツを殺めました。
はじめはほんの些細な喧嘩だったのです。
次第に彼の言い分に苛立ち殺してしまいました。
神に告白しても救ってはもらえない。
彼の声は神に届くことはない。
自分の欲で他人から奪ったもの
それは罪となってその身に重くのしかかるものでした。
【怠惰】
何もしたくない。
そう、ずっとずっと逃げてきた。
でも逃げた先には絶望しかなかったの。
何もしたくない。
誰にも会いたくない。
そう、人生は薔薇色ではなかったの。
私はどうしてこんなにも不幸なの?
その理由に気がついたとき
私は人生から逃げ出しました。
【強欲】
ドレスを着て
お城に住んで
毎日パーティーをするの
そんな子供の頃の夢が捨てきれなくて
大金を盗みました。
盗んだ全てをつぎ込んで贅の限りを尽くしました。
けれど、いつからでしょう。
虚しく感じるようになったのは
いつからでしょう。
惨めな気持ちになったのは
それはきっと罪の意識。
【暴食】
好きな物を好きなだけ食べた。
好物だけを食べ続けた。
マナーなんて知ったことか。
そうして欲望に駆られて食べ続けたら
いつしかウシガエルになっていたの。
周囲の人々は気持ち悪いと言った。
はしたないと言った。
誰かが言った。
食べたら痩せないのよ?
後悔だけが今頃私に寄り添った。
【色欲】
もっと愛して
私だけを見て
その気持ちが彼を欲しがりました。
抱かれていると愛されているような気がしたから。
けれど、ある日心に疑問が生まれました。
彼は本当に私を愛しているの?
私の身体が欲しいだけじゃないの?
急に悲しくなりました。
子供ができて
彼が逃げて気がつきました。
そこに愛はなかったのだと。
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【あとがき】
初めまして、筆者です。
今回の作品の題材はズバリ『七つの大罪』です。
書きやすかったっていうのが正直なところですが、自身の体験がほんの少し混じっていたり...。
最近の時事ネタに近いものも織り交ぜつつ書き上げています。
現代社会に生きる皆様の心に少しでも訴えかけることのできる作品になっていればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
※筆者はリアルにメンヘラで自宅療養の暇潰しで書いています。
なのでアンチは無言で去ってください。