僕の365日
一月の始め、僕と君は出会った。
君は僕の居場所を決める。
そのあと、僕に大事な日を教えてくれた。
誕生日、卒業式、入学式、クリスマス……
君が教えてくれたその日を、僕は絶対に忘れない。
僕は君と一緒に何かをすることはできない。
でも、君と心を分かち合うことはできると思う。
だから、僕はずっと君を見守る。
君が勉強しているのをそばで応援する。
君がうれしそうにしていれば、僕も一緒に喜ぶ。
君が悲しそうなときは、そっとしておく。
君がうれしそうな、それでいて寂しそうな顔をして帰ってきた。今日は卒業式だった。おめでとう。
別の日には、僕の知らない友達を連れてきた。新しい友達ができたみたいだ。ちょっと妬けちゃうな。
僕は時を重ねるにつれて、姿を変えていく。
君も僕ほどじゃないけど、ちょっとずつ変わって……いや、成長していく。
僕はそれを見て、うれしく思う反面、悲しくなる。
だって、それは君との別れが近づいているということだから。
君は僕のことを気にも留めていないだろう。
でも、僕には君しかいないから。
そして、その年の終わり。
とうとう君とのお別れの日がやってきた。
この役目は後輩へと引き継がれる。
君とのこの一年の思い出は僕に刻まれている。
とくに、夏休みの始まりの日を書きこむときの、嬉しそうなあの笑顔は絶対に忘れない。
一年間、ありがとう。
それじゃ、さようなら。