影月夜・襲撃
第五話です!書きたいと思っていたシーンが近づいてくると、よく手が動くものですね…。
「…さあ。強さでも定めて来ようかな。」
「ヨドやりい~!」
舌打ちだけして、ヨドは背伸びをしながら歩き出した。
鼻歌を歌いながら歩くヲタクのインカムから、美鈴の声が響いた。
「ヲタク、本部に莫大な魔力が迫ってきてる。本部に帰るところなら気を付けて。特級部のメンバーを招集中だから、無理に戦わなくてもいいからね。じゃ!」
そう言い残して、美鈴の声が途絶えた。
ヲタクはその場で変身し、本部へと走り出す。
「…あれ。久しぶりヨドちゃん。大きくなったね。」
「うわ、運悪。言っとくけど、今回はクソババアに用ないからじっとしててくれる?」
「うちの新人虐めないでよ。久々に私と手合わせでもしない?」
暫く睨み合った末、ヲタクが先にステッキを一振りし、金平糖のようなとげとげした星を飛ばした。
「っくそが…。」
攻撃をかわし、反撃しようとスマホのカバーについたチェーンを引っ張った。
「じっとしててよ。」
みるみるうちに伸びていくチェーンを自由自在に操り、ヲタクをその場で拘束した。
「…まだこんな魔法使ってたの?」
「うるっさい。私のこと何も知らないくせに、口挟まないでよ。」
「ヨドちゃんのことなら結構知ってるよ。小学三年生のときから仲良しだもんね~。」
「仲良し?馬鹿言わないで。あんたが先に殺そうとしてきたんでしょ。」
「そうかもねえ。」
ヨドはヲタクを拘束したチェーンをギュッと握りしめ、本部の入り口を睨みつけていた。
その時、どこかから銃声と、爆弾が投げられた。
「はっ?」
爆弾は避けきったが、弾丸がヨドの頬を掠めた。
「そこからやってくると思ったでしょ。生憎、最近特級部のドアがぶっ壊されて、別の場所にもう一つドアを設置してみたんだよね~。引っかかった?」
「…まあ、新人の位置が割れたから別にいいよ。」
「邪魔しないでね」とだけ言い残し、チェーンをその場に落として走り出した。
「杏奈。…そっち側に、なったんだ。」
そう言いながら腰に装備してあった銃を取り出し、杏奈に向けて二発発砲する。
その弾丸を、ソフィは刀一本で弾き飛ばした。
「させませんっ!!」
ソフィはヨドに急接近し、突き刺そうとする。
「…遅い、かも。」
そう言ってヨドは刀をかわし、狙いをソフィに定めて発砲しようとする。
が、その前に別の場所から発砲音がした。遠くからの銃撃に目を細める。
「優秀なスナイパーだね。おっけー、もういいよ。」
銃をもっていた手首の下が、飛んできた弾丸によって飛ばされていた。魔力によって新たな手が形成されている。
帰ろうと銃を拾い、ヲタクに絡んだチェーンを外した。
「どう?うちの新人は。逆にヨドちゃんが虐められちゃったかな?」
「まあ、なかなかいいんじゃない。」
それだけ言うと、ヨドは悪魔側の本部へと帰って行った。
「なんだったんでしょうか…。」
「あれが悪魔側のいっちばん強い子だよ。船街ヨド、韓国出身。影月夜魔王直属局だったかな。かわいいでしょ、あの子。」
「何年振りだったかな~」とにやけているヲタクを置いて、ほかのメンバーは部室に戻った。
「ヲタクちゃん、ヨドさん?とすごく仲良さそうだったけど、友達なの?」
ヲタクも部室に戻り、皆でお菓子を広げていたところに、Aeが質問を投げかけた。
「友達って言うかライバルって言うか…。ま、年齢差がすごい幼馴染的な感じ?ヨドちゃんが小学三年生の時に出会ったからね~。」
皆が感心している中、杏奈は一人で何かを考え込んでいた。
「杏奈ちゃん?どうしたんですか?」
「いや…、そのヨドが今何歳なのかはわかんないけどさ、あんただいぶ年いってるってことにならない?もしかしてめっちゃ年上だった?」
確かに!と視線がヲタクに移ると、ヲタクは「驚かないでよ?」と言ってぽつぽつと話し出した。
「実は私…2003歳でしたー!いや、地球ではめっちゃ年取ってるほうらしいけど、私の生まれた惑星だと全然若いほうなんだよ!勘違いしないで!」
「でも若く見られてると照れるなあ」とデレデレするヲタクだったが、メンバーは全くその話についていけなかった。
「えっと…?ヲタクちゃんが生まれたのは地球じゃなくて…?2003歳は若い…?」
Aeが頑張ってまとめるも、結局まとめた本人もあまりわかっておらず。
全員が理解するまでは相当時間を要するだろう。(笑)
「ヨド、ぼっこぼこじゃーん!!」
「一発当たっただけだし…。」
ヨドが影月夜本部に帰ると、撃たれて再生中の片手を見て、ある一人の少女が大笑いしていた。
「華蓮が行けって言うからこうなったんだよ。」
「こじつけかよ!てか行けとは言って無くない?!盛らないで!!」
「へえ~、華蓮ちゃんさいて~。」
「おいノるな音羽!!」
悪魔だとは思えないほどぎゃあぎゃあと騒ぐメンバーを見て、ヨドは溜息をついた。
「…ヨド、作戦は、うまくいきそうなの?」
「うん。結構強かったよ。」
「そうなんだ。じゃあ…安心だね。」
「ろず、あいつらみたいにならないでね…。」
比較的静かなろずを見て、ヨドは本気でそう願った。
「じゃ、後日特級部に申し出するよ。寝坊しないでね。」
「「「了解。」」」
第五話まで読んでいただきありがとうございます!戦闘シーン、想像するのはとても楽しいですが、それを文字にしろとなると結構難しいものですね…。よければ感想コメントなどくださるとモチベがあがります!




