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山登りとキャンプ 一合目 『山って・・・怖い?』

私、箱名ひより。

趣味は、キャンプです!

景色のいいキャンプ場で動物と触れあったり、ゆっくりしながらキャンプするのが好き・・・なんですが・・・

「ねえ、山行こう!」

最初は、嫌だった。けれど、一緒にいると何だか・・・


「わあ・・・!」

ロードバイクを止めて、眼の前の景色を見る。

現在いるのは、神奈川県 箱根町の九頭龍神社。


「こういう景色、一生残せたらいいのになあ・・・」

そんなことを言いながら、写真を撮る。


ーーあ、因みに私は高校一年生の「箱名 ひより」です!

旅が好きです! 写真を取るのも好きです! あと・・・

「ちょっと遠いけど・・・あった!」

そう・・・キャンプをするのも好きです!!


「すいませーん。 受付お願いしまーす・・・」

「はいよ」

出てきたのは、40〜50代の男性だ。

「お嬢さん、大丈夫けぇ?」

「・・・何がです?」

「怖くないか?思ってなぁ・・・」

「大丈夫です」

「それじゃ、ここに名前を・・・」

一枚の紙を渡される。自分の名前を書くと、諸々説明を受けた。

「お嬢さん、バイクけぇ?」

「いえ、ロードバイクです」

「おお、そうかい。自分のテント付近に停めてもらっても構わないから、あと・・・」

「あと・・・?」

「お嬢さんみたいな子はしないとは思うが・・・絶対にうるさくしたらここから追い出すか、それ相応の対処をするから気をつけて」

「ありがとうございます」

「じゃあ、気を付けて!」

「よし・・・時間もいい感じだし、テント立てたりするかぁ・・・」

テントを立ててる最中、今日の出来事を思い出す。


『きゃ〜同じクラス。 やったね〜!!』

『このカードを引くんじゃなくて・・・』

「はあ・・・」

自分の席についた私は、リュックの中から『箱根旅』本を広げる。

「どこにしようかな・・・?」

今日は、金曜日なのでキャンプしても大丈夫だ。

『あの子って、吹部どうかしら?』

『どーだろう?』

『ねえ』

「・・・箱根もいいけど、伊豆も捨てきれないなぁ・・・」

『あの・・・箱名さん?』

「?」

『吹部に入らな・・・』

「これから、図書館と買い物に行かないといけなくて・・・その」

『・・・こっちこそ、ごめんね?』

『やりたくなったらいつでも大歓迎だよ〜』

「ありがとうございます」

とりあえず、伊豆にしようか・・・

『ねえねえ、ひよりん』元気な声がする。 私に話しかけてるようだ。

『放課後、ごはんいこー?』

「・・・ふぇ?」

『いっぱい話そうよ〜』

「私、放課後箱根に行く用があって・・・」

『趣味?』

「どうして分かるの?」

『だって、その雑誌を見てる時さ・・・楽しそうな目をするんだもん』

「え〜そんな楽しそうな顔なの?」

自分の頬を引っ張りながら笑う。

『私ね、登山してるの!』

「・・・登山?」

『そう!頂上まで登ったときの達成感とか、もう一度焼き付けた時にね・・・』

「うん」

『来てよかった!って思えるんだ〜』

「そうなんだ〜」

彼女の話は退屈で『早く終わらないかな?』と思うようなものじゃなく、もう少し『彼女の趣味』に付いて知ろうと思った。

『じゃあ、興味を持ったら連絡してね〜』

「うん。また来週〜」

「私の趣味のことについて聞いてくれてありがと〜!」

彼女は手をひらひらと振る。

「こっちこそ、ありがと〜!」

私も振り返す。


「そういえば、名前聞いてなかったな・・・」

その時、制服のスカートから一枚の紙が落ちる。

「・・・メモ用紙?」

そんなものもらったっけ?

「なんか大事なものだといけないからなぁ・・・見るか」

四つ折りにされてる紙を広げると・・・

『これ、私の電話番号』

その下には電話番号もあったが、名前もあった。

日向 椎です。よろしくね!と書いてあって、一緒に行こうね!と一言添えてある。

「・・・きれい」

目の前には、箱根山が見える。空気もいいなぁ・・・

「・・・明日、登ってみようかな」

2日間キャンプするし・・・

「よし・・・写真とるか」

箱根山を背に、自撮りを撮る。

「ふふ・・・いいじゃん」

その時、冷たい風が吹く。

「う゛・・・さむ」

気温って、気まぐれなのかな?

とりあえず、ジャケットでも着ようかな。

私は、ザックからジャケットを取り出してファスナーを上げる。

「箱根って、どうしてこんなに寒いのかなぁ・・・?」

「ーーそれはね、地形による高低差もあるけど・・・海洋性気象の影響を受ける・・・らしいよ」

急に聞こえた声に驚いた私は、横を見る。

「どうも、こんにちは」

「・・・あなたは?」

「あ・・・ごめんなさいね〜」

「い、いえ・・・」

「あなたはいつも一人なの?」

「ええ・・・」

「写真撮ってるの?」

「そうなんですよ〜!」

「写真っていいよね〜」

「その時の思い出が振り返れるし・・・」

「あ、そうだ。 これあげる」

「あ、ありがとうございます!」

紙袋に入った包み紙に『富士山シフォン』と書かれている。

「それじゃあ、私はこれで〜」

「あ、あの・・・!」

「?」

「よかったら、一杯コーヒー飲みますか?」

そう言うと、笑って『ありがと。それじゃあ・・・』と言って後ろ髪を掻いた。

「・・・もらおうかな、ブラックのホットで!」

「ふふ。私も、飲もうと思ってたところなんです」

「あなたは、キャンプ以外の趣味ってあるの?」

「趣味・・・ですか」

少し考えたあとに答えた。

「強いて言うと・・・『写真撮影』ですね・・・」

コーヒー豆を挽きながら彼女に質問をする。

「あの、答えたくないならいいんですけど・・・登山ってしますか?」

「ん〜私?」

「・・・富士山とか・・・あ、でも・・・さっきも言ったように・・・」

私の言葉を遮って彼女は言った。

「あるよ〜富士山に3回登ったこと」

「そうなんですね〜」

『でも・・・』と彼女は表情を曇らせて言った。

「どこのコースから登っても、高山病にねってね〜」


「ーーえ」

高山病って確か・・・

「そこから私、登山は向いていないのかな〜って思っちゃてね・・・」

「そんな・・・」

ある時の自分と重なっている気がして手を止めた。

「あの・・・」

「どうしたの?」

「私が言うのもあれですけど・・・登山。今は楽しいですか?」

「う〜ん。もお1年前だし・・・」

「もし、楽しいと感じるなら・・・面白いと思うなら・・・続けたほうがいいと思います!」

「そう・・・なのかな。たまにさ、金剛杖を使って頂上まで登ったらどんな景色が待ってるんだろうって・・・」

彼女の握る手の力がキリキリと強くなる。

「もう、どうすれば・・・」

「・・・夢を諦めるくらいなら、頑張ってから後悔したほうがいいと思います!」

「・・・でも」

一瞬だけ歯ぎしりをした彼女は『そっか・・・』と呟く。

「ありがと〜って、名前何ていうんだっけ?」

『聞いてなかってけど・・・』って聞いてきた。

「コーヒーできました〜」

「ありがとね〜」

「私、高1の箱名 ひよりって言います」

「おお、意外と可愛らしい名前」

「あはは・・・よく『ひよりん』って言われてますけどね」

「因みに私は大学1年のあかりだよ〜」

「あの、メール交換しませんか?」

「ん、いいよ〜」

予想外の答えに驚いていると・・・

「じゃあ、そのカメラで撮った写真をもっと見たいな〜」

「わかりました!」

それと、カメラにはこんな使い方もあるんだよ〜って私のカメラを指差したあとに私の頬を突く。

「すいませ〜ん、写真撮ってくれませんか?」

「ええ、いいですよ〜」

「じゃ、寄ろうか」

「は〜い、撮りますね〜!」

ピースをして笑って写真を2枚撮った。

「すいません、写真ありがとうございます」

「いえ・・・」

「それじゃあ私は向かいのキャンプサイドに戻りますね〜」

「箱根の説明・・・ありがとうございます」

「急にごめんね〜!」

手をひらひらと振ってきた。

私も手を振り返すと、笑顔になった。

『あれ、私って”ありがとう”って言葉をしばらく聞いていなかったからかな・・・なんだか嬉しいな・・・』

そうこうしているうちに、夕方になったので夕飯を作ろうかな。

「今日の分、今日の分・・・あった!」

せっかくキャンプしにに来たんだ。今日の夕飯は・・・

「みんな大好き・・・カレーだ!」

ご飯も飯盒で炊いて、カレーの具材はコッヘルで炒めたり、煮詰めたりする。

「まずは、ご飯を炊いて・・・」

結局、料理なんて私が美味しいって思えたらいいのかな?なんて思ってるけど・・・

「まあ、いいか。そんで次に、玉ねぎを飴色になるまで炒めて・・・」

ジュウウウ、と玉ねぎからは聞こえてくる。その音が案外好きだったりする。

「その後に、じゃがいもを入れて・・・確か、柔らかくなるまで・・・だったっけ?」

見た目が、なんだか野菜炒めみたいだなぁ・・・

「そして、人参を入れて・・・」

本当にこれでできるのかな、カレーって。

「肉を入れて、水を入れて・・・しばらく煮る!」

沸騰して、泡みたいのが出てきたな・・・

「アクを取らないと・・・」

アクを取り、最後の工程になった。

「ルーを入れてっと・・・」

ルーのまま食べたいけど、食べたら怒られちゃうんだよね。お母さんに。

「おお、案外料理できない私でもできる!」

いつものカレーの匂いがしてきた。

「ご飯もいい頃でしょう・・・?」

なにこれ・・・熱くて触れたものじゃない・・・

「でも、ちゃんと出来てる証拠にはなってるからね・・・うん、美味しい」

時刻は午後9:30になっている。

「明日は、箱根山か・・・」

なんでだろう、山に興味なんて持たなかったのに。私は・・・

「あいつに連絡してみようかな・・・出ないと思うけど」

2コールほどで『どうしたの?』と明るい声がした。

「あの、明日ね箱根山に登ろうと思うんだけど・・・なんか、コツとかってある?」

『ん?』

「どうしたの?」

『靴とかは?』

「あるよ?」

『ザックは?』

「それもある〜」

『キャンプで使ってたりする?』

「そうだけど・・・どうしたの?」

『すっげーいいじゃん!』

「ーーえ?」

『私も行きたいな〜』

「そう?」

その一言で、お互いの『趣味』をもっと、もっと知りたいと思いました。

『明日の朝10時に麓に集合ね〜』と決まったけど、私は正直に楽しみで仕方ないです!


そして、山頂を目指して登ります!

pixivやnoteから知った方はお久しぶりです。

旅に行きたい人です。

今回の話は、山の麓でゆっくりキャンプするのが好きな主人公『箱名 ひより』

ひよりは入学式が終って、自分の席に着いて旅の本を見ていましたが、後に友達になる『日向 椎』と出会ってから、登山に興味を持つ話です。


もし、『ここ登ったことあるよ~』とかあればコメントとかでお願いします。

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