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今回のスタメンを紹介します!

室矢重遠は、ゼロから天までの道のりを歩む!

https://hatuyuki-ku.com/?p=707

 連休が終わった。

 学校や職場に通う列は、いつもの光景。


 警察庁は年末年始を除き、ほぼ年中無休。


 窓のない会議室に、幹部が集まっている。


「諸君……。残念な知らせがある……。室矢(むろや)カレナは、まだ地元に帰っていない」


 上座の重々しい発言に、どよめく周囲。


「そんな!」

「まさか、住民票を移す気では!?」


 今のカレナに、戸籍はあるのだろうか?


「そういえば……彼女が立ち寄った『海上プラットホーム』で、殺人事件があったとか?」


「ネオ・ポールスターに出資をしていて、自社の敷地もある『ダンスマウス・インダストリー』の重役が、シスターの格好をした外国人の女性に殺された、とあります! 犯行を目撃したのは、現地にある所轄の巡査です。夜間のパトロール中に……。犯人はヘリに飛び移って、逃げました」


 最後の発言で、全員が一斉にため息を吐いた。


「やれやれ……」

「新人とはいえ、警察学校で何を習っていたんだ……」


「関係者のクレームは?」


「被害者の『ダンスマウス・インダストリー』からの通報は今のところ、ありません! 殺人犯のシスターも行方不明のまま! 場所が場所だけに、詳しい捜査が難しく……」


 上座の人物が資料を見たまま、喋る。


「被害者は外資に勤めていて、日本国籍にあらず……。現状で、わざわざ人員を割く必要はない。変化があれば、すぐ報告するように」


「ハッ!」


 静かになった会議室で、誰かの声。


「室矢が滞在している間……というのが、気になりますね?」


「彼女はそもそも、海外の異能者です! 犯行時に同じ場所で過ごしており、犯人を知っている可能性はありますが……」


 上座の返答。


「現時点で、取り調べの必要はない」


「はい! 失礼しました……」


「海上プラットホームには、日本も出資している! その経済効果と、世界の注目を忘れないように……。海の上とはいえ、我々の管轄だ! ネオ・ポールスターの治安維持を最優先事項とする!!」


「「「ハッ!」」」



 ◇



「結論から言うと、ネオ・ポールスターはもうすぐ沈みます!」


 室矢カレナは高価なソファーに座り、紅茶を飲みながら、宣言した。


 傍にいる少女が、腰まで伸ばした金髪による、2つのお下げを揺らす。


 金色の瞳を向けたまま、問いかける。


「えっと……。い、いきなりだね?」

 

 中学生の外国人らしき少女は、流暢な日本語で話して――


皐月(さつき)……。そのために、あなたを呼びました」


 槇島(まきしま)皐月。

 睦月(むつき)と同じで、どこかの槇島神社の御神体(ごしんたい)


 独自のリアルタイム通信があるため、シスターズはいつも賑やか!


 皐月も室矢(むろや)重遠と親しく、愛し合っていた。

 かつてのメンバーとの再会で、複雑な思いだ。


「アイドルをやるとは、聞いたけど……。海上プラットホームを潰すとは、聞いてないよ?」


 呆れた皐月は、思わず反論。


 それに対して、カレナは笑った。


「いえ……。あそこは、邪神を復活させる儀式場でして……。その歪みが、一気に噴き出るだけのこと」


 ドサッと後ろのソファーにもたれた皐月が、愚痴を言う。


「東京を担当しているのは、ボクなんだけど?」


「ネスターで、避難勧告が出るはず……。民間人の犠牲は最小限で済むと、思います」


 ジト目の皐月は、すぐに突っ込む。


「当てにならないね……」


「私の未来予知は、可能性の1つですから……。かなり高いですよ?」


 ため息を吐いた皐月に、カレナが尋ねる。


「御神体がアイドルになっても?」


「ボクは睦月と違い、商店街の手伝いをしていないよ! 『そっくりさん』と言い張れば、それで終わり! ……ストーカーがいるアイドルに張りつくことのバックアップは?」


 睦月は美須坂(みすざか)町の高校生たちと一緒に、地元へ。


 連休の観光ガイドだった女子大生3人も、実費を払ってもらったうえにバイト代をもらい、笑顔のお別れ。


 彼女たちも、楽しく過ごすだろう。


 仕事の話になったことで、カレナも真面目な声音に。


如月(きさらぎ)を呼びました」


「え? 今は、千陣(せんじん)流の本拠地にいるんじゃ――」

「三角関係の修羅場を見られますよ? と言ったら、二つ返事でした」


 ドッと疲れた皐月は、ソファーで横に。


「まったく……。頼りになるから、良いけどね? ……如月! 今、どこ?」


『5分、待ってください!』


 槇島シスターズの通信で、如月の返事。


 その時に、ヘリの音。


 ホバリングしている機体で側面のドアが開き、お礼を述べた如月が、片手を上げたまま飛び降りた。

 蜘蛛のように張り詰めた糸で、ゆっくり降下。


 地面に着地した後で、権能の糸を消す。


 笑顔で上空へ手を振れば、片手のハンドサインを返したパイロットが、ヘリを飛ばしていく。



 出迎えのメイドに案内され、1人の少女が入ってきた。


 ゆるふわで、手入れが行き届いたロング。

 茶髪と、紫色の瞳。


 外国人のお嬢さま、と称したくなる女子中学生だ。


 槇島如月は上品な笑顔で、(のたま)う。


「高校生のドロドロ恋愛と聞き、お役目を放り投げてきました!」


「言うに事を欠いて、それ?」


 ソファーで横になっている皐月が、疲れ果てた声音で突っ込んだ。

過去作は、こちらです!

https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31

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