『一撃でスライムを倒せるのか』
僕はスライム。
どろっどろの黄緑色につやめく、ゲル状のモンスターだよ。
僕はファンタジーの世界の住民なのに、ちょっとした手違いで、現実世界に落っこちちゃったみたい。
今は大人の人間達に囲まれてる。何だか討論の最中だったみたいだね。スーツを着た大人達が、何百人かわからないけど階段状になった椅子に座って、僕を見下ろししてざわざわと騒いでるんだ。
「国会は一旦中断します。議員の方々はゆっくりと避難して下さい」
大きな声がした。僕はビックリしてびちゃっと跳ねたの。そしたら何かもっとざわざわしてきた。「動いたぞ」とか言ってるよ。そりゃ動くでしょう、生き物だもの。
僕はお茶目だから、この前覚えた毒攻撃を使ってみたいなって思うんだ。誰に使おう……。あ、何か変な機械を持った人がたくさん来た。あの人達に使お。よーっし。
びちゃっ。ブゥオッ。
うわっビックリしたー。何か凄い火が出たよ。火炎放射かな、凄い強いじゃん。必死に避けたら、毒攻撃外れちゃったじゃないか。あーあ、床が熔けちゃった。
「気をつけろ! 何か出したぞ!」
また火炎放射だ。やめてもらいたいよ。当たったら大変じゃないか。僕、本気だしたら凄いんだからな!
びちゃびちゃびちゃ
はははっ! みんな熔けちゃえーっ!
「何だこいつ、新種のナメクジか? 誰か塩と医療班呼んで来い」
ナメクジ? 僕はスライムだってさっき言ったじゃないか。塩ってなんだよー。僕には魔法しか効かないのさっ。
びちゃびちゃびちゃ
あぁ気持ちがいい。いつもの世界だったら、一撃で倒されちゃうのに、僕って強いんだ!
な、何この粉……あ、身体が溶けて……。なん……で。
――End――




