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『一撃でスライムを倒せるのか』

作者: 呟木心葉
掲載日:2009/12/05

 僕はスライム。

 どろっどろの黄緑色につやめく、ゲル状のモンスターだよ。

 僕はファンタジーの世界の住民なのに、ちょっとした手違いで、現実世界に落っこちちゃったみたい。

 今は大人の人間達に囲まれてる。何だか討論の最中だったみたいだね。スーツを着た大人達が、何百人かわからないけど階段状になった椅子に座って、僕を見下ろししてざわざわと騒いでるんだ。

「国会は一旦中断します。議員の方々はゆっくりと避難して下さい」

 大きな声がした。僕はビックリしてびちゃっと跳ねたの。そしたら何かもっとざわざわしてきた。「動いたぞ」とか言ってるよ。そりゃ動くでしょう、生き物だもの。

 僕はお茶目だから、この前覚えた毒攻撃を使ってみたいなって思うんだ。誰に使おう……。あ、何か変な機械を持った人がたくさん来た。あの人達に使お。よーっし。

 びちゃっ。ブゥオッ。

 うわっビックリしたー。何か凄い火が出たよ。火炎放射かな、凄い強いじゃん。必死に避けたら、毒攻撃外れちゃったじゃないか。あーあ、床が熔けちゃった。

「気をつけろ! 何か出したぞ!」

 また火炎放射だ。やめてもらいたいよ。当たったら大変じゃないか。僕、本気だしたら凄いんだからな!

 びちゃびちゃびちゃ

 はははっ! みんな熔けちゃえーっ! 

「何だこいつ、新種のナメクジか? 誰か塩と医療班呼んで来い」

 ナメクジ? 僕はスライムだってさっき言ったじゃないか。塩ってなんだよー。僕には魔法しか効かないのさっ。

 びちゃびちゃびちゃ

 あぁ気持ちがいい。いつもの世界だったら、一撃で倒されちゃうのに、僕って強いんだ!

 な、何この粉……あ、身体が溶けて……。なん……で。


――End――


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