決闘競走100m
100% エロ無し保証です(笑)
並べて読めば…マンガ家さんの名前になってしまう…
私、「桃子」と「さくら」は…
幼馴染で大の仲良し…
けれど今は…恋のライバルだ!!
どうしてこのような事になってしまったのか…
幼い頃からいつも一緒で…見るもの聞くものも一緒!
そりゃ好みも似て来るよね。
食べ物やマンガならシェアもできるけど
オトコの子のシェアは無理だから…
カレへの“告白権”を賭けての…
今回の決闘と相成った。
その決闘方法とは…
私達、クラブも同じ陸部だけど…
私は“フィールド”で…
さくらは“トラック”の長距離
だから勝負はお互い“専門外”の100m短距離走!!
部のみんなの生暖かい視線の中、私達、タータンの上に横並びで…
両手の指をOn your markして後ろ足をスタブロに掛け、お尻を上げてSet!!
この状態でもうすぐ鳴り始める校舎の鐘を待つ…
そう!西部劇みたいに!! 鐘の鳴り終わりがスタートの合図!!
ほら!「キーンコーンカーンコーン」と鳴り始めた!!
この勝負、絶対!負けられない!!
『フライングの基準は0.1秒』
このルールに照らし合わせれば、私は…フライングの自覚がある。
でもそんなの関係ない!!
今、私は初めてさくらの前を走っている。何をやってもさくらの後で…
今回の村田君の事だって
好きになったのはさくらが先だ。
だから!!
私は肩にぶつからんばかりに迫って来るさくらを引き離そうとストライドを大きく取り、つま先辺りでタータンを噛んだ。
その瞬間、バランスを失って
私は足首をひねって横転した。
当然、さくらは横をすり抜けゴールへ…
いや、踵を返して飛んできた。
「大丈夫!!」
「…なんで戻って来るの?!! 勝ちを得た者の敗者への同情?」
「バカッ!! ちょっと足見せて!」
さくらが渋る私の靴を脱がせると、センパイ達もやって来た。
私の蒸れた右足をまるで羽根折れた小鳥であるかの様に抱いているさくらと…
「とりあえずテーピングして保冷剤巻くね」
「エアロの20か…まだ履き慣れていなかったのかな?」
と声を掛けてくれるセンパイ達…
“邪な”私をみんなで心配してくれて…その事で、私の目は潤んでしまう。
そんな私を…さくらは自分も泣きそうな目で見る。
「桃子!!…そんなに痛いの?? このまま病院行く?」
「ううん、違うの! 私、なんか自分が情けなくって!! この勝負! どこから取って見てもさくらの勝ち!!…だから…許して!!」
こう言うとさくらは目から涙をポロポロこぼして私に抱き付いた。
「それを言うなら許して欲しいのはこっちだよ!! 私、フライングしたんだから」
「さくらはフライングしてないよ。スタートは私の方が早かった」
「そうじゃなくて!! 私、告白しちゃったの?! 村田君に…おととい告白されて…」
「えっ??!!(うわあぁ!!! 私、バカみたいじゃん…決まりきった勝負挑んだみたいでさぁ~グスン!)」
さくらは…恥ずかしさで消え入りそうな私をギューっと抱く。
「あの、それでね、『桃子が…村田君の事、好きなんだよ』って!! 言ってしまったの。ホントごめん」
「うえええええ!!?? さくらが村田君の事、好きなんじゃん!!」
と私、思わずさくらの肩越しに叫んでしまった。
「…うん…でもね、村田君の事を話す時の桃子が本当に楽しそうで可愛らしくて…それを見てると私まですっごく幸せになったの…だから…」
私は深くため息をついた。
ああそれで分かった。合点がいった。
「さくら…実は私もフライングしたんだ。昨日…村田君から告られて…その…断っちゃった」
「ええええええ!!! なんで!! どうして??」
「そりゃあ~ さくらが村田君の事を話す時…本当に楽しそうで可愛らしくて…以下同文なんだけどさあ」
「ええ!! それじゃあ私達!! 二人して もったいない事した??!!」
「うぇ~ん 私はこの勝負に勝って…さくらに村田君と付き合ってもらおうと思ったのに!!」
「私だって!! この勝負に勝って…桃子に村田君と付き合ってもらおうと思ったのに!!」
私達汗臭く抱き合って大泣きした…
でも…
「村田君ってさくらから断られた翌日には私に告ったって事だよね。 それってどうよ??」
「それそれ!! いくら桃子が自分の事を好きだってわかったにせよ、私の大切な桃子によくもそんな軽い事を!!」
「そうそう!! 私の大切なさくらに告白しておいて次の日には私へ乗り換えようなんて!! さくらに対して失礼過ぎる!!」
「ちょっとイケメンで勉強ができるからって、やってる事、全然アタマ悪いじゃん!!」
「んとだよ!! クソバカ野郎だ!! そんな奴は!!」
「誰かにくれてやる!!!」
二人、声を合わせて怒鳴る頃にはセンパイ達はみな引けていて…遠くで野球部の掛け声と金属バットの音が聞こえるだけだった。
私達はその後、
御用達の100均でタオルと下着を買い
銭湯にドボン!と浸かって
全てを“水に”流した。
まあこういうのは本来、しろかえでの範疇なのですが…
黒楓があんまりにも黒くて下品と思われてもちょっと(^^;)なので…
書いてみました。(#^.^#)
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