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追放貴族は最強スキル《聖王》で辺境から成り上がる~背教者に認定された俺だけどチートスキルでモフモフも聖女も仲間にしちゃいました~  作者: 丘/丘野 優
第3章 《煉獄の森》の外

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第66話 カタリナの強かさ

「はて、なんでしょう?」


 不思議そうに首を傾げるカタリナだったが、そんな彼女に俺は単刀直入に話を持っていく。


「フレスコ殿から聞きました。今の、カタリナ様のお立場について……」


 こういうことは、貴族の作法から言えば遠回しに話を持っていくのは普通ではある。

 だが俺はもはやただのノアだ。

 そんなやり方を踏襲する必要はない。

 それに、この問題については色々と入り組んだ構造にあるようだからな。

 正直話し合いにまでその面倒くささを持ち込むのは嫌だった。


 カタリナは俺の言葉に目を見開き、


「……あの方は。あの、どこまでお聞きになったのでしょうか? その……」


 そう尋ねる。

 俺より遙かに貴族らしい物言い。

 今のこのユリゼン連邦では、貴族、というものについてはオラクルム王国よりも形骸化が進んでいる。

 完全ではないものの、貴族と平民の地位がかなり近くなっており、したがって平民の価値観に染まりつつある貴族も多いと聞く。

 具体的に言うなら、供も連れずに街歩きをするような貴族とかが普通にいるのだ。

 まぁ、オラクルム王国にも全くいなかったわけではないが、そのような場合、大抵が見えない位置に護衛などを隠しているものだ。

 しかしユリゼン連邦においてはそうではない。

 まぁ、連邦の州の全てに貴族がいるわけではないから、貴族のいない州を訪ねる貴族は必然的に、貴族用ではないような設備を当然使わざるを得ないというのも働いているかも知れないな。

 もちろん、そのような場合はかなり高級な宿屋やレストランを使うのだろうが。

 まぁ、そんな貴族が多いはずのユリゼン連邦であるのに、カタリナが貴族令嬢が持つべき気品を維持していられるのは、やはり彼女の出自がこの州の貴族でもほとんど最上位に位置するからだろう。

 そんな彼女に、気品を失った俺は言う。 


「おそらく、大抵のことは。カタリナ様の次期候爵としての地位はかなり危ういとか、お父上のトラン侯爵閣下はフラウゼン辺境伯と対立されている、とか、そのようなことを聞きました」


「そこまで……そうですか。なぜあの方は……」


「理由ですが、カタリナ様のお力になってほしい、ということでした。今日、冒険者として初めて登録したような新人に随分なことを求めるものだと思ってしまいましたよ」


 若干、自虐的にそう呟いたが、これにカタリナは、


「いいえ、ノア様は私たちを襲撃する暴漢たちを、簡単に一蹴されてしまわれた方々。そのことを知っていれば……そうですわね、お力をお借りしたい、と思うのが当然だと思いますわ」


「簡単にというほどでもなかったのですけどね」


 これは別に嘘ではない。

 確かにほとんど無傷で終わらせることは出来たが、彼らはそれなりに強かった。

 ただ、ほとんど背後から襲うことが出来たし、俺たちの持つ技能というのはかなり珍しいものばかりだ。

 キャスやコボルトたちのものは、魔物の持つ技能ばかりだし、俺のはアト譲りのものが大半である。

 そんな相手が突然現れて、まともに対抗できるような存在は中々いない。

 それなりに鍛えられてはいたことは分かったが、それでも俺たちの敵ではなかった。

 それだけだ。


「ご謙遜を。でも……そうですか。そんな話を私にされる、ということは、ノア様は私にお力添えをいただける、ということでしょうか?」


「何か出来ることがあるのなら」


 どのような願いでも聞く執事のような口調でそう言ってみると、カタリナは品良く微笑んだが、しかしその瞳は別に笑ってはいなかった。

 そして鋭く、


「でも、ただではない。そんな表情ですわね」


 そう言ってきた。

 なるほど、見た目はそれこそその辺にいるような、世間知らずの令嬢に見えるが、実際には必ずしもそれだけではないということだろう。

 まぁ、あの襲撃についても、本人が戦えるということはなさそうだったが、しかし襲われた直後であるにも関わらず、それでもカタリナはそれなりに落ち着いていた。

 十四歳の少女が、暗殺されかかってなお、落ち着いていたのだ。

 それは考えてみるとかなり肝が据わっているということに他ならない。

 俺が知っている貴族令嬢というのは、かなりくだらないことで簡単に気絶するようなものが代表的だからな……。

 まぁ、全ての貴族令嬢がそうだ、とか思っているわけではもちろんないが、オラクルム王国の貴族令嬢の多くはそんなものだ。

 そこから考えると、カタリナはこの年にしてかなり女傑である。

 そんな彼女であるから、この反応も特段、不思議ではなかった。

 俺は彼女に言う。


「それはもちろんです。ただ働きは……してもいいですが、それでは却ってカタリナ様も信用できないのでは? 適切な仕事には適切な報酬を支払わねば、結果に対して文句を言いにくいでしょう」


「確かに。ですが……報酬を支払うには、ノア様。貴方がどれくらいのことが出来るのか、それをまず知らなければなりません」


「暴漢から助ける、では不十分でしたか?」


「あれは突発的なことでしたから、客観的な評価が難しいですわ。ですから……今、ここに一つ、解決したい問題があるのです。それをどうにかしていただく、その手腕と結果を見て、今後の関係について考えたい。もちろん、解決していただけた場合、この件についての報酬もお支払いします。それでいかかでしょうか?」


 俺はこの言葉を面白く思うと同時に、デメリットはなさそうだ、と思って頷いたのだった。

読んでいただきありがとうございます!

できれば下の☆☆☆☆☆を全て★★★★★にしていただければ感無量です!

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追放貴族は最強スキル《聖王》で辺境から成り上がる ~背教者に認定された俺だけどチートスキルでモフモフも聖女も仲間にしちゃいました~1 (アース・スターノベル)」 本作が書籍化しました! 2月16日発売です! どうぞご購入いただけると幸いです。 どうぞよろしくお願いします!
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