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第21話 コボルトたちのステータス

 ちなみに《犬魔の英雄》というのは、そう言った厳しいコボルトたちの生活の中で、ごく稀に生まれることがある強力なリーダーのことをいうのだ、と二匹のコボルトソルジャーたちが話してくれた。

 確かに親はコボルトだが、子供がコボルトソルジャーだ、という場合は稀にあるとは聞いた。

 というか、色々な魔物でそれはある。

 ゴブリンの子供だが、その上位種のゴブリンソルジャーだ、とか、ノーマルスライムから分裂した分裂体だが、ポイズンスライムだ、とか。

 これがなぜ起こるのかについてはやはり様々な説が提唱されているものの、決着を見ていない。

 俺的には大雑把には環境への適応のために、それが必要だからだ、という説を推したいところだが、それ以外にも理由がありそうな節はあるし、確定はできないだろう。

 環境への適応のために、というのはわかりやすく言えば、毒沼近くで生きている魔物たちが、ほぼそれに耐性のある種族へと変わっているようなことだな。

 まぁ、もっとことは単純で、対応できなかった奴らもたくさん生まれたけれど皆死んだだけ、という可能性もあるだろう。

 あと、食料とかも関係してくるかもしれない。

 栄養がたくさんある食べ物を多く摂取した魔物たちの子供は体が大きかったり、上位種である傾向が強いという研究結果を読んだことがある。

 そんな危険な実験よくやっているな、と思うがテイマー系の技能を持つ者の協力を得ながら、国からの後押しを受けてやったもののようだったのでなんとかできたのだろう。

 だいぶ時代が古いものだったから、今やろうとしても予算が出なさそうだが……魔物の生態に今の国家というのはそれほど関心を持っている感じがしないものな。

 それに余裕もない。

 人間同士の戦争や権力闘争で一杯一杯なところが多いからだ。

 俺が追放されたのもその一種だろう、という解釈もできる。

 《聖王》なんていかにもな名称の技能を持っているやつの扱いが、難しいというのは俺にも分かるからな……。

 だが俺はこのまま死ぬつもりなんてさらさらない。

 最初はほぼ諦めていたけれど、この《煉獄の森》に放り出されて、俺は意外にも未来がありそうな活動ができているからだ。

 キャスにも会えたし、コボルトたちを従えることが出来ているし。

 それもこれも《聖王》の派生技能《従属契約》の力が優れているからだ。

 これ一つでこの調子なら《血と肉》の方もかなり有用なのだと思いたくなるが、今のところはあまり分からない。

 これから少しずつ分かっていくのかもしれないが……今は評価は保留だった。


 ともあれ、《従属契約》についてなのだが、それを使って見てみた通常のコボルトたちのステータスはこんな感じだった。


 名前:

 性別:

 種族:犬魔精コボルト

 称号:ノアの民

 根源技能:《犬魔精7》

 派生技能:

 一般技能:《かみつく2》《引っ掻く2》《疾走1》……


 とりあえず全員分、つまりは十匹分確認してみたが、概ねそんな感じだった。

 性別の欄については、もちろんそれぞれの性別に従い、雄、雌の表示があった。

 また、種族の欄であるが、このコボルトの集落には実は子供たちが数匹いるので、そちらは微妙に記載が違った。

 つまりは、キャスのように《犬魔精《幼》》という感じで表示されていたのだ。

 《カード》は魔物が幼体か成体かをしっかりと判別してくれるらしかった。

 ちなみにだが、人間の場合はこの《幼》、という表示が子供にされることはない。

 普通の子供はある程度の年齢になるまで《カード》は持てないので知りようがないことだが、俺のような貴族だった者は生まれた時に能力確認として教会からもらえる。

 ただし、根源技能部分は非表示になっているわけだが……。

 空欄になってるから、教会の説明を信じるならまだ根源技能がない、という状態にあるからそうなっているようだ。

 で、そこで種族の表示を見ると、普人族、と書いてあるだけなのだ。

 人間には幼体とか成体とかいう概念がないのか?

 そんなこともないと思うけどな。

 子供と大人なんだから。

 幼体とかいう言い方が当てはまらないとか……まぁ分からないでもない気はするが、しかしだとすれば《子》とかにすればいいだろう。

 でもそうしたら大人の方は《大》とかでもおかしいし、《親》でもないだろうし、《成人》とか?

 いやぁ、微妙かもな。

 そういう感じのことを神が思ったのかもしれない。

 まぁ、その辺はどうでもいいか。

 ともあれ、コボルトたちのステータスは大体そんな感じで、あまり強そうではなかった。

 根源技能の部分はキャスの《魔猫2》よりもレベルが高く《犬魔精7》を最高値として、1〜6までいたが、これはやはりもっと上がるものと考えるべきだろう。

 人間の場合でも《剣士8》とかそういう表示はあるのだが、それと同じように魔物もそこのところが上がるというわけだ。

 最高値は人間の場合は10であり、それ以上は上がらない。

 そして、もしも《剣士》を10まで上げられたら、根源技能が追加されたりもする。

 されない場合もあるが、大抵は何かしら別の根源技能が追加され、以前の根源技能もちゃんと効果を発揮したままでさらに成長していける。

 これは神が人間の成長を促しているのだ、という説明がなされることが多いが、やはり怪しい、と思っている俺だった。

読んでいただきありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
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