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ここは……どこだ?

リメイク作品です。

「ここは…………?」



広い草原。



見渡す限り人家のない平原にただ一人。



「こりゃマズイな……。ったくあの神さん、とんでもないところに送ってくれたな……」



ーーーーーーー




ここはどこだろうか。



全く分からない。



…………何も言えないな。頭がフリーズしてしまっている。



それは、今いるこの空間が真っ白で上も下もないからかもしれない。



「おう、来たかの。これで5人目の抽選者じゃが、お主ほど驚いておらん奴は初めてじゃ」



ふと気がつくと、背後に大きな人影が現れていた。



正直死ぬほどビックリした。



が、それを見せるのも何か癪なので、落ち着いて言い放ってやった。



「頭が働かないんでな。驚いてないわけじゃあない。それに、なんで俺はこんな所にいるんだ?全く覚えていないんだが………」



「覚えていないのは当然じゃ。お主は記憶を消されておるからな。試しに、記憶を探ってみよ」



「何ッ!?」



しれっとその大きな人影は答えた。



そして言われた通り記憶を探るが、自分の名前と年齢しか覚えていない。



「どういうことだ…。俺は………何者なんだ……?」



「詳しい事は何も言えん。いつかお前にも理由が分かる日が来るであろう」



「何を勝手な……」



「それより今は時間がない。儂が話すべき内容を先に話させてもらおう。聞きたい事は山ほどあるだろう。分からない事もあるだろう。だが、今は黙って聞いておいた方がお主にとって有意義であることは約束する」



「………」



取り敢えず話を聞く事にした。情報は集めておくに越した事は無い。



「まずはワシの説明からじゃな。ワシは世界の管理者。幾億もの民が紡いできた歴史を管理し、調停する者じゃ。神を作り出した存在でもある」



その世界の管理者によるとこうだ。



そもそも、世界はいくつもの可能性があると言う。



選択肢がある場合に、世界は幾つもの道へと分かれる。



例えば、ある人間が生まれる世界と、生まれない世界。その2つの世界は永遠に関わり合うことなく、互いの歴史を紡いでいく。



そう、並行世界が生まれるのだ。



それを管理し、見守るのが管理者の役目だ、と言った。



「だが何故だ?なぜ俺がそんな大層な役割のあんたに今こうして会わなきゃならん?それも記憶を無くした状態で」



「それは、並行世界同士のエネルギーを交換するためじゃ」



「エネルギーの交換?」



「うむ。覚えておらんと思うが、お主の世界では物質的なエネルギーを活用して、世界が発展しておった。だが、並行世界の中には、原始人類が魔法と接触し、全く別の道を歩んだものがある。それがお主がこれから転移する世界じゃ。そこでは、全てのものに存在する魔力を魔法として変換、活用して発展しておる。お主は、その2つの世界………元いた世界と今から転移する世界の資源とエネルギー交換のための橋になってもらう。そのためにここにおるのだ」



「…………そうなると、俺はなんの関係もない世界のためにこんなところに呼び出されたのか!?それも記憶を無くして!!何故俺を選んだ!!」



「黙れ。今はワシの話を聞くのじゃ」



声がかなりマジになった。



えも言われぬ迫力に、俺は黙り込んだ。



「とにかく、現状の確認じゃ。お主のステータスは、可視化できるようになっておる。指を鳴らすと目の前に表示される。やってみよ」



パチン




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

左 風都


17


HP:100


MP:50


AT:200


DF:200


SP:80


力魔法、氷結魔法、回復魔法、魔力回復(極)、再生能力(高)、痛覚遮断


力魔法の使い手、回復のコツ、獲得経験値倍加、武闘家

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「よし、確認できたな。まず最上段じゃが、お主の名前じゃ。これは分かるの。次は体力。無くなると死んでしまうので気をつけよ。その次は魔力量、まあ要は魔法用の体力じゃ、これは無くなると魔法が使えなくなってしまう。敵に囲まれておったら間違いなく死ぬな。その次から3つはお主の身体能力じゃ。生前の身体能力を参考に算出しておる。HPなんかのステータス値は、異世界の平均が70前後、転生者の平均が100弱じゃな。その下がスキル。お主が今使える魔法が載っておる。今後強くなると増えていくぞ。次が特技じゃな。運動神経とかのセンスみたいなもんじゃと考えればよい。…さて、何か質問はあるかの?」



管理者は一気に話し終えた。



「そうだな………まず………」



まずは軽い質問をぶつけた。



「転移者のステータス平均が高いのは何故だ?」



「ああ、それは転移者の身体能力が高い者から抽選しているからじゃ。転移前の身体能力が転移後に反映されるからの。すぐに死んでしまうような者を送り込む訳にはいかんしな」



「なるほどな。ところで、スキルはどう選定されてるんだ?」



「それも転移前の身体能力じゃな。お前の場合、腕力が強かったため、そういったスキル構成になっておる」



そんな質問を続け、分かったことがいくつかある。



1,記憶は、知識までもが消されているわけではない。


2,転移先の言語は、一つしか無い。


3,転移者には、いくつか特殊なスキルが付与される事になっている。


4,転移先では、成人年齢18歳までは国立学園に入ることになっており、16歳の俺は、学園に編入する事になっている。



「なるほど。取り敢えず色々試してみない事にはなんとも言えないな」



「じゃろうな。っと、そろそろ時間じゃ。お主をそろそろ移転させねばならん」



「?時間制限でもあるのか?」



「うむ。あまりここに人間が居ると、人格が崩壊してしまうからの。理由は分からんが」



衝撃の真実をポロッとこぼした。



「なんで理由分からねえんだ………突き止めろよ……」



「管理に忙しくてな。ほとんど関わりのないことに関わっている暇は無いのじゃ」



「ああそうかい。じゃあとっとと転移させてくれ。怖くて仕方ない」



「うむ」




パシュン




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