単刀直入
『儂を捕まえる為には何か理由があるんじゃろう。』
すると町田は
『ははっ。
捕まえるなんて穏やかじゃ無いですね。
はい、実は私どもZZZ機関では、
平成23年3月の震災以来、その後の計り知れない震災後処理を
国家命令で任されて居ます。
様々な研究、提案、技術、汚染水処理方法等を、実は徹底的に
出し尽くしましたが、中々決定的な汚染処理対策を構築できずに
居る次第です。』
すると儂は
『ちょっとお持ち願いたい。
震災と前期高齢者の儂と、一体何の関係が有るんじゃ。』
『こんな老いぼれを捕まえてもお門違いじゃ無いかね。』
すると町田は
『ちょっとお待ちください。
一見全く別世界の業態を突き合わせて一体何をするのかと、
驚きだと思います。』
『実は新しいニュースで
こんな話がありました。
医学関連のニュースで、長年不治の病と恐れられて居た白血病という疾患が
ありますが、実は最新の話ですが、
あの治療の根本的解決には多くのドナーを必要とされて居ましたが、
最近画期的な治療法に漕ぎ着けたという事です。
白血球や赤血球に変われる造血幹細胞を洗濯のりや液体のりの主成分で培養したところ、
幹細胞を数百倍にできたという。
これは一例にすぎませんが、過去に様々な困難を要した事案が全く見当違いと思われた
世界に画期的な解決法を見出す事が稀に有ると言うのです。』
『ああっ、まだるっこしい。
儂は短気なんじゃ!
もっと単刀直入言えんのかい。』
とうとう奴は儂の癇癪持ちを爆発させよった。