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♯5 人生素直に行かない様で

《種族の大陸・グランドバース》

 昼夜と四季が巡り、多くの種族が住まう大陸。この大陸では地上と魔界が同盟を組み、天界の打倒を目指している。

「さて、さっきはあの馬鹿がすまなかったな」


 カウンターに着くとおっさんは軽く頭を下げてくる。このおっさんはガルスと名乗り、この冒険者受付の長らしい。


『あー、良いよ別に』


「私は納得いきませんがね。あの様な輩がいるという事は貴方がたの管理が行き届いてないという事では?」


 ちょっとメリノさぁん!? 何で喧嘩腰なんですかぁ!?


「あのな姉ちゃん。この冒険者ギルドには何百という冒険者がいるんだ。そんな奴らの行動を一人一人見てられるか?」


「むっ⋯⋯それもそうですね」


 まあ、当たり前だよな。極端に例えるなら国王様が国民一人一人の事を記憶する様なもんだ。


 メリノも無茶を言ってるのか分かったのかそれ以上は何も言わなくなった。


『ところでおっちゃん。俺達冒険者登録したいんだけど』


「その事だが⋯⋯何で(あん)ちゃんは念話で話してるんだ?」


 やっぱ聞かれるよな⋯⋯俺はメリノが提案してきた嘘をおっさんに言う。


「そうか⋯⋯兄ちゃんも大変だな⋯⋯」


 あ、信じるんだ。まあファンタジーだし、呪い装備とかは信じやすいのか?


『で? 何か言い掛けてたけど何なんだ?』


「ああ、冒険者登録の事だが⋯⋯今日はやってないんだ」


 ⋯⋯何だと?


「どういう事ですか?」


「冒険者ギルドでは登録する際に模擬戦をするんだ。その模擬戦の相手がB以上の冒険者なんだが⋯⋯そいつらみんな出払っててな」


 えっと、つまりB以上の冒険者がいないから今日は出来ないと? ふざけんな! 何でそんな面倒なシステムなんだよ!


 って思ったんだけど実力不足の奴を無駄死にさせない為の処置なんだろうな。そう考えるとちょっとしょうがない気もする。


「何故全員いないのですか? AやS、ギルドマスターは?」


「この国の近くにBランクの迷宮が数個現れてな。それの攻略に向かってる。Aランクは先日から遠くのドラゴン退治に行ってるし、Sランクなんぞ変人ばっかで一定の場所に留まらんからな。ギルマスは他の支部の視察だ」


 わーお、凄い偶然だな。というか何で俺のファンタジー生活はこうもスムーズにいかないんだ?


「っていう訳だ。悪いが明日また訪れてくれ」


「これはしょうがないですね。ご主人様、取り敢えず出ましょう」


『はぁ⋯⋯すげえウキウキしてたのに』


 メリノに促され、肩を落としながら冒険者ギルドの出口に向かう。すると


 カンッ! カンッ! カンッ!


 と、鐘を鳴らす様な音が響く。相当デカイ音の様で、生命感知で音源を探るとギルドから何百メートルも離れてる大門から聞こえていた。



《生命感知》感知スキルの複合スキル。生物や魔力、何かの源を感じ取る。Lvが高い程強く正確に反応する。



 その直後にギルドの扉がバンッ! と音を立てて開く。そこには汗だくになった伝令騎士が立っていた。


「冒険者ギルドに伝令! Bランクの魔物、アーク・ワイバーンの群れがこの王国に向かっています!」


「何だとっ!?」


 伝令兵の言葉を聞いたガルスやその場にいた冒険者達はザワザワと騒ぎ出す。


 アーク・ワイバーン⋯⋯ワイバーンの上位種でランクはB。炎や風、雷の魔法を使い、更にステータスも高いためかなり危険な魔物と言われているな。


「今、我々騎士団が対抗しておりますがアーク・ワイバーンに対抗出来る程の者が王の護衛でいない為、冒険者の助力をと思い⋯⋯」


「⋯⋯」


「な、何故黙っておられるのですか?」


「⋯⋯アーク・ワイバーンを倒せる冒険者は今、全員出払っている」


「なっ⋯⋯!?」


 ガルスが告げた言葉に、伝令兵は絶望の表情を浮かべる。


 えっと? Bランクって事は大都市の壊滅くらいの強さで、それが群れとしてやって来ている。更にそいつらを倒せる強さの騎士、冒険者、更にギルマスやメチャクチャ強い王様が出払っていて⋯⋯?


『ゼルガルダル、壊滅のお知らせでございます』


 凄いな、こんな偶然ってあるのか。俺があまりの奇跡に不謹慎ながら感心していると、冒険者達が先程よりも大きな声で騒ぎ出す。どうやらこの国を捨てるか、玉砕覚悟で挑むか話している様だ。


「ご主人様、これは好機ですよ」


『えっ、何が?』


「私達でアーク・ワイバーンを倒せば、もしかしたら冒険者登録が出来るかもしれません」


 あっ、成る程。確かに俺ならアーク・ワイバーンの群れ程度余裕で倒せるな。


『でもお前、大丈夫か? BランクなんてLvが150近く必要な奴だぞ?』


「ご主人様、戦いはLvだけではないですよ? これでもBランクの魔物の一匹や二匹は倒した事はあります」


 おお、見掛けによらず結構強いみたいだな。本当かどうかは分からないけど。


 ってか家政婦のステータスで倒すとか相当凄いな。メリノの暗殺者疑惑が深まったぞ。


『じゃあ、やるか?』


「そうですね」


 俺とメリノはギルドから出ようと出口に向かう。


「おい兄ちゃん達、どこに行くんだ?」


 するとガルスが呼び止めた。俺は振り向いて


『ガルスのおっちゃん。俺達がワイバーンを倒したら、冒険者登録頼むぜ』


 と言う。ガルスは驚いた様な表情を浮かべて俺達を呼び止めるが、それを無視してワイバーンへと歩いて─────


『いや、転移使った方が速いな。メリノ』


 ─────は行かずに、俺はメリノを呼び止める。


「はい?」


『転移するから、もうちょっとこっち来い』


「分かりました」


 メリノが近くに来たのを確認すると、俺は時空魔法を発動する。使うのは⋯⋯


『ロング・ジャンプ!』



《ロング・ジャンプ》時空魔法Lv7の魔法。半径一キロメートル内の任意の場所に跳ぶ事が出来る。



 この魔法の欠点は魔力消費がデカく、発動まで時間が掛かる事だ。しかも迷宮内じゃ使えない。だが、こういう長距離の移動では重宝する。


 そして俺達は転移により、その場から姿を消した。



─────



『うわぁお⋯⋯』


「⋯⋯酷いですね」


 転移が終わり、目の前に映ったのは血塗れの草原だ。肉片や鉄塊が飛び散り、生命の息吹なんて感じない。


 その草原の中心にいるのは、五匹程のアーク・ワイバーン。グチャグチャと音を立てて、人間だった“ソレ”を咀嚼している。


 ⋯⋯何か様子がおかしいな? アーク・ワイバーンの目の焦点が合ってない様にも見える。


『⋯⋯鑑定』



名称・──

年齢・──

種族・アーク・ワイバーン

Lv・127

状態・支配


・スキル

火炎魔法3、疾風魔法4、雷鳴魔法2、暗黒魔法1

魔力耐性2、猛毒耐性4、麻痺耐性6

怪力2、金剛4、消音1、覇気4、威嚇7、魔力操作6、

鷹の目8

熱源感知2、危機察知1

HP回復3、MP回復4、SP回復1、HP強化5、

MP強化1、SP強化1、筋力強化3、耐久強化4、

耐性強化5、五感強化2

 


『支配?』


 ワイバーンの一匹を鑑定すると、ステータスに『状態・支配』という項目が追加されていた。


 この状態っていう項目は、猛毒とか麻痺とかの状態異常を受けると出現するんだが、支配という状態は最悪だ。


 なんせ、支配状態になるとその主の思い通りに動かされ、しかも全ステータスが上昇するんだからな。


 解除する方法は快復魔法を掛けるかBランクのリカバリー・ポーションを使うしかない。凄く面倒な状態異常の一つだ。


 だが本当の問題は⋯⋯コイツらを使ってこの国を滅ぼそうとした奴がいるという事だ。それも実力者がいない時に襲わせたのだから内部事情に詳しい奴、または観察力が高い奴という事だろう。


『⋯⋯まあ、今考える事じゃないか。おいメリノ、コイツら支配されてる。気を付けろよ』


「分かりました」


 だが今は、コイツらを倒す事に集中しよう。


 俺達が近付くとワイバーン達はこっちを見て咆哮する。俺は盾を前に構え、メリノは糸と針を取り出す。


『さあ蜥蜴ちゃん。遊ぼうじゃねえか』

 はいどーも、作者の蛸夜鬼です。投稿の間が空いてすみません。ネタが思い付かなかったんです。


 さて、次回はアーク・ワイバーンとの戦闘になります。戦闘描写は苦手ですが頑張ります!


 それでは今回はここまで。また次回お会いしましょう!

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