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♯3 正体がバレた

『曜日の呼び方』


 一週間は七日間となっている。曜日として一番最初から『火ノ日』『氷ノ日』『風ノ日』『土ノ日』『光ノ日』『闇ノ日』『魔ノ日』と呼ばれている。


 そして、その曜日によってそれぞれの属性が強化、弱化する。例として『火ノ日』には火属性が強化され、氷属性が弱化する。

『⋯⋯何だ、コレ?』


 どうして、俺の首は動かない?


「ラ、ランヴェルさん⋯⋯?」


 どうして俺の視界には、首の無い俺の身体が見える?


 答えは、とても簡単だった。


『ヴォーパルバニー⋯⋯』


 俺の視界にはとある一匹の魔物がいる。そいつは牙の長い兎の姿で、その特徴的な牙は剃刀の様に鋭利な刃物となっている。


 その魔物の名はヴォーパルバニー。一見は可愛い兎の姿だが、油断してる敵の首を一撃で飛ばして即死させる凶悪な魔物だ。プレイヤーからは初見殺しの兎と呼ばれている。


 コイツはCランクで、普通なら魔樹の森なんかに出ない魔獣の筈だ。なのに何で⋯⋯っていうか俺、死んだ? まだ転生してから一日も経ってないのに? こんな兎に殺されて?


『マジかよ、おい⋯⋯』


 ラノベの主人公みたいに異世界ヒャッハー出来ると思ってたのに、こんなつまらない死に方で終わるのかよ。


 視界にはヴォーパルバニーが次の標的であるメリノへと殺気を飛ばしている。メリノはいつでも避けられる体勢を作っていた。


 ああ、どうにかメリノは生き延びられます様に⋯⋯そんな思いを抱きながら俺は瞼を閉じ⋯⋯閉じて⋯⋯。


『そういや俺人間じゃないわ』


 通りで中々死なないと思ったわ。ステータスを見るとHPは1も減ってない。


 よくよく考えるとリビングアーマー系統の魔物は鎧の中に『魔石』と呼ばれる核があって、それを破壊しない限り倒される事はない。つまり、首を飛ばされても死なないって訳だ。


『くっそ~、ビビったじゃねえか』


 俺は体を動かして兜を拾うとガチャリとかぶり直す。今考えると暗闇で見えなかったとはいえ、ヴォーパルバニー程度の魔物に殺されかけたってのは⋯⋯ちょっと上位プレイヤーとしてのプライドが許せねえなあ。


 そんな事を思っていたらヴォーパルバニーがメリノの首を飛ばそうと後ろ脚に力を入れている場面が視界に移った。


 そして、遂に跳躍してメリノの首元に牙を突き付けようとした瞬間


『ガーディアン!』


 大盾術の戦技、ガーディアンを発動する。



《ガーディアン》大盾術Lv7の戦技。視界に入っている味方のダメージを軽減して肩代わりする。また、即死効果を打ち消す。


《大盾術》盾術を極めた者が習得するスキル。強力なガード系の戦技を習得出来る。



 で、メリノの首元に牙を突き立てたヴォーパルバニーだがガーディアンの効果によって傷一つ付けられずに弾かれる。


「な、何が⋯⋯」


『このクソ兎がぁああああ!』


 俺はメリノが驚いているのを他所に、地面に転がっているヴォーパルバニーへ向かって走ると


『二度とその面見せんなぁああ!』


 勢い良く蹴り飛ばした。バニーは変な鳴き声的なものを出して暗闇の中へ消えていった。あ、経験値入った。


『フゥッ⋯⋯スッキリした!』


「えっ、ランヴェルさん⋯⋯?」


『あっ、ヤベッ』


 そういやメリノは俺が魔物だって事を知らないよな? どうしよ、もし戦いになっても負ける気はしないけど人殺すのは⋯⋯。


『⋯⋯戦略的撤退!』


 ここは逃げる! と、思って走ろうとした瞬間


「バインド・ワイヤー」


『あべしっ!』


 突然現れた糸によって脚を拘束されて勢い良く倒れる。



《バインド・ワイヤー》糸術Lv1の戦技。糸で相手を拘束する。攻撃性が無い為ダメージを与えられない。


《糸術》糸を扱い戦うためのスキル。拘束技などの戦技を習得出来る。



『⋯⋯すいませんメリノさん。どうして拘束してるんですかね?』


「貴方が急に逃げるからです」


『ですよねー』


「さて、少々質問をします。先程、貴方はヴォーパルバニーに首を飛ばされた様に見えたのですが⋯⋯どうして生きてるのでしょうか?」


『き、気のせいだったんじゃないですかねぇ?』


「そうですか。なら⋯⋯」


 メリノは倒れている俺に近付くと兜をむしり取る。


「どうして、鎧の中身がないんですか?」


 ああ、終わった。俺の鎧生が⋯⋯。


 っていうかバレるの早すぎだろ! ラノベでもこんな急展開にはなってないぞコラァ! クソっ、あれもこれも全部あの兎のせいだ!


「話さないのなら鎧をパーツごとに分解して木に吊しますが」


『何その微妙な拷問!? 分かった、話す、話すから⋯⋯』


 俺は諦めて、一から十まで全てを話した。メリノは終始無言、無表情で話を聞いていた。とても⋯⋯怖かったです。


『⋯⋯以上だ』


「そうですか⋯⋯」


 話自体は短く、絶対に逃がさないと言わんばかりにメリノはバインド・ワイヤーの効果が切れる度に再度縛ってきたので未だに動けない。


 さて、俺の正体がバレたこの状況だが⋯⋯メリノがその気になれば俺の魔石を余裕で破壊出来るだろう。


 そう思って覚悟していたんだが、メリノは拘束を解いて兜を着けてくれた。


『あ?』


「何を間抜けな声を出してるんですか?」


『い、いや。俺を倒さないのかなぁ、って⋯⋯』


「⋯⋯今は魔物とはいえ、心は人間。それに私の命を二度も救って頂きました。それなのに倒すなんて、そんな恩を仇で返す様な事はしませんよ」


『へ、へえ⋯⋯』


「それに、この世界では異世界からの転生者や召喚される者は意外と多いのですよ? 流石に魔物に転生したというのは聞いたことがありませんが⋯⋯」


 こりゃあ本当に意外だな。この世界に転生した人達に感謝感激だ。あと、メリノの懐の深さにも感謝だな。


『まあ、このまま死なずに済んで助かった⋯⋯』


 さて、これからどうするか。


 俺の最終目標は自分の世界に帰る事だ。その為には身体を戻さないといけないし、帰る方法も見つけないといけない。その為には⋯⋯


『⋯⋯冒険者』


 ゲームでは、プレイヤーは様々な職業に就く事が出来る。現実ではしがないサラリーマンでもゲームでは幼い頃の夢だった料理人になる、といった具合にな。


 で、その職業の中に冒険者というものがある。これは説明もいらないだろう。そして、プレイヤーの八割は冒険者に就く。まあ、折角のファンタジーMMOだから当たり前と言えば当たり前なんだが⋯⋯。


 そして冒険者でもSランク、つまり最上位プレイヤーになると王族からの依頼を受けられる。この世界の王族ってのは様々な知識を持ってるって設定だ。王族なら元の世界に帰る術を知ってるかもしれない。


『決まりだな』


 取り敢えず、今後の目標はSランク冒険者になる事だな。


「目標は決まりましたか? では行きましょうか」


『ああそうだな。じゃあ行こ⋯⋯って、ちょっと待てい!』


「はい?」


『何故お前も一緒に行く事になってる!』


「駄目ですか?」


『駄目じゃないけど理由を聞きたい』


 寧ろ可愛い女の子が仲間に入るのはとても嬉しい。と言うか仲間になってくれ。


「そうですね⋯⋯恩返しと、貴方といると面白そうなので」


『ああ、そう』


 凄い簡単な理由だったな。まあ、無駄に長い理由だったら困るっちゃ困るけど。


「それに、貴方といればきっと⋯⋯」


『ん? なんか言った?』


「いえ、何でもありません。では行きましょうか、ランヴェルさ⋯⋯いえ、ご主人様」


『お、おう⋯⋯何故ご主人様?』


「メイド生活が長かったので、こちらの呼び方の方が慣れてるのですよ」


『そ、そうか⋯⋯まあ良いか。じゃあ行こう、クッソ暗いけど』

 

 さてと、なんやかんやで仲間が一人増えたのは嬉しい誤算だ。まずはこの森を抜けなきゃな。

 文章、ストーリー評価5pt。更にブックマーク四件、本当にありがとうございますぅううう! どーも作者の蛸夜鬼です!


 この事を糧に、更に精進したいと思います。改めまして、本当ありがとうございます!

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