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貴方に神聖なる新世界への御加護があらんことを!-新ヨーロッパ戦記  作者: 聖Yohane
〔フランス革命戦争とナポレオン-前編〕
8/18

〔VII-パ・ド・カレーの戦い〕


1800年 フランス北部 パ・ド・カレー


「敵は...いないのか?」


「来ていませんね...」


「隊長!別働隊からの伝言が来ました!」


「何!? 聞こう!」


そう言うと、兵士は伝言を通した


「我らは第3歩兵連隊、敵フランス軍 3万と交戦中!救援願います!」


「敵はそちらに行っていたか!」


「急ごう!」


「はい!」



...銃声が鳴り響く


「こんなのは初めてだ...」


「正直...いつ死ぬかなんて分からない...」



...


「ハヤト...乗って」


「えっ」


「貴方も騎兵隊なのよ?知らなかった?」


「そ、そうなの...?」


「馬はまだ用意で来てないみたいだから、私のに乗って」


「い、いや...アストレアのに...?」


「な、何よ? 早くしなさい!」


「あ、あぁ」


...


「しっかり掴まってなさいよ!」


「お、おわぁ!」



...は、速い!馬は子供の頃に一回乗った記憶はあるけど...


「そ、そういや? グリンダは?」


「グリンダ? 狙撃手よ、だから後方にいるわ」


「へ、へぇ...」








...


「アストレア様!」


「あらレイリ、ご機嫌よう?」


「ご機嫌麗しゅうござ...てっお前は!」


「あ...あの時の」


「アストレア様の馬に乗せてもらえるなんて...貴方は...」


「え、えぇ?」


「もう、別にいいって言ってるじゃない」


「アストレア様ぁ!」


「お前ら、とりあえず目の前に集中しろよな?」


「ランスロット...」


「いや、ほら」


...向こうでは既に銃の撃ち合いが始まっていた


「あ、あら...」


「我々の役目は後方から敵を突くって事だが」


「指示を出すのは一応隊長さんだぜ?」


「分かっていますよ、ハヤト」


「うん?」


「これを持っていて頂戴」


「こ、これ、銃か...」


「そうよ、それで敵を撃ってて」


...まさか、馬に乗りながらか?

仕方ないが、やってみるしかないか...



「どう?リール?」


「うーん、敵の騎兵は...見えませんね」


「この双眼鏡が悪いのでしょうか?」


「そんな事はないわよ、結構良い素材で出来てるらしいから」


らしいって...


「じゃあ、行くわよ?」


「あぁ」


「よしっやるかっ!」


「皆、油断は禁物だぞ!」


「分かりました!」






...







「...!? 何だあれは!?」


「あれは!敵の騎兵です!」


「くそっ!後方は!」


「我々は騎兵を率いていませんよ?」


「な!?」


「騎兵は主力部隊に回すとかで他の部隊には備えてないんですよ!」


「なんて事を!」


「ええい!戸惑っとる場合か!騎兵も蹴散らせ!」


... アストレアが槍を振りかざす


「えやぁ!」


「ぐふっ...うわぁ!」


「副隊長!!」


「くそっ...」


「うおっ...」


俺の目の前で倒れた...見たくは無かった...


「ランスロット様のお通りだァ!そこをどけぇ!」


「うわぁあ!」


「何だ...あいつは!」


ランスロットは怒涛の勢いで前進していく


「お覚悟!」


「ひ、ひぃ!」


「助けてくれぇ!」


「お、俺は逃げるだあ!死にたくない!」


「な、なんでだぁ!」


「あ、あぁ...」


レイリの槍が敵兵を突き刺す


「逃げられるとは思わないでください...ごめんなさい」


「うっ...」


リールの放った矢が見事に命中した


これが戦争なのか...ここまで残酷な物だったのか


...







「はぁ...はぁ...」


「疲れているのか、アストレア」


俺は馬を降りて何か薬が残ってなかったかを探した


「そ、そうね...正直、私も血はやっぱり苦手...」


「そう...か...ん、何か、これ?」


...!?


「アストレアとお見受けする、覚悟!」


「はっ!?」


「アストレア!?」


この状況...まさか...でも、俺がやらないと...アストレアが...

俺が...人を...この手を血に染めることに...


...


いや...ダメだ、アストレアが死ぬのなんて見たくない!


「うおぉ!」


「何!?」


「...き、貴様...このブリカスめ...貴様らなんぞに...この...フランスを...」


「......」


「は、ハヤト...」


「あぁ、分かってるよ...でも、行こう」


「...そう...ね...」



...








「...我らの勝利だ!おぉぉおお!」


「よし、初戦は好調だ!」


「良かったわね...」


「アストレア様...」


「...大丈夫ですよ、リールやレイリさんもいます...皆、手は汚れてますから!」


「リール...」


「おーい!ハヤトー!」


「おぉ!グリンダ!」


「おいおい、俺も忘れんなよォ!」


「ラスカル!」


「頑張ったぜ!俺達も」


「ハヤトも初めてなのに...すごいよ」


「い、いやぁ...」


「相変わらずだなぁ...」


「ランスロット...お前もいたのか」


「おい!俺はこの騎兵隊所属だったぞ!忘れんな!」


「うふふ...楽しそうね...」


「あ、アストレア...」



...ん?あれは、イギリスの兵士か



「...おぉ...第7歩兵連隊の皆様か!?」


「あら? そんなに焦ってどうしたのよ?」


「大変です!敵フランス軍10万がピカルディーのアミアンに集合している模様!主力と思われます!」


「じゅ、10万!?」


「我々は主力と言えど7万だ...流石に...」


「助けを他の連隊にも伝えて頂戴!出来れば急いで!」


「はっ...!」


颯爽と馬を引いていった


...主力...まずい...次は確実に苦戦が...











フランス ピカルディー アミアン


「ナポレオン殿...準備が整いました」




「うむ、さて...イギリスの騎士に会いに行こうか...楽しみだ」










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