〔VI-聖女と英雄 〕
1800年 英仏戦争-フランス北部戦線
イギリスはブレスト、パドカレー、ボルドーの3つに上陸を仕掛けた
敵はフランス軍 25000 海軍 43隻
我らイギリス軍 17000 海軍 112隻
数の差では上回っているものの兵器や海軍はイギリスが上である
この戦いでは何が勝利を決めるか... それは
「Naval gunfire!(艦砲射撃) get set!(用意)」
...?
「Fire!!!(撃てっ!!!)」
...
「ありゃあ何だ?」
「あ、あれは...戦艦だぁ!」
「な、何だと!?退避!退避!」
「うわぁぁああ!」
対岸に直撃し炎が舞い上がる...そして敵の断末魔...
「味方の増援か?」
「あれは...ネルソン提督だぜ!」
「皆!海は我々の物だ!安心して上陸するといい!」
「残りの海岸砲と大砲を殲滅しましょう!提督!」
「うむ!艦砲射撃用意!」
「撃てっ!」
次々と敵は大砲などを捨てて逃げていく...これはどうやら無事上陸は出来そうだ
「(...ホレーショ・ネルソン、確か東郷平八郎と並ぶ世界でも有名な人だったか)」
「ネルソン提督、助けていただきありがとうございます!」
「ネルソン提督! ご武運を祈っておりますぞ!」
「うむ、そちらもご武運を祈る...そして...面舵! 何より戦いはこれからだよ...」
...そう、この戦いで勝利を決するのは海である
...そう、この戦いで勝利を決するのは才である
1800年 フランス パリ
「ついにイギリス軍と接触しましたか...」
「あぁ、どうやら全方位の対岸の海岸砲と砲兵が大損害を受けたらしい...」
「敵は...ブレストとパドカレーに上陸を仕掛けてきそうですね...制海権を取られている以上は敵がどこから上陸してくるかは...あとは...ボルドー...ですかね?
「何?」
「まあ、あくまでも推測に過ぎないのですが...まず一つ突いてくるならここじゃないかとね」
「...では私も行くとしましょう」
「えぇと...すまないね...君は誰だったかな」
...
「私の名前は、ナポレオン・ボナパルトです、お見知り置きを」
「あぁ、うむ...ではナポレオン君、期待しているよ」
1769年、フランスのコルシカ島で生まれ幼少期はブリエンヌ陸軍幼年学校に入学し、さらに陸軍士官学校砲兵科へ進学した
彼は、士官学校は通常4年かかるところを、わずか11ヶ月という速さで卒業したという
そして、砲兵士官に任官しては、前回の革命の騒乱でイギリスとスペインの軍艦を追い払い、彼は見事に今日の砲兵隊司令官に至った
「中々な男よのう...」
しかし、勝利の旗を挙げるのは聖女か、傍また独裁者か...
1800年 フランス南部 マルセイユ
「メリー、絶対に私が守ってあげるからね...」
「ジャンヌお姉ちゃん...」
「もぉ...私はジャンヌではないですよ、ちゃんとリナって呼んで」
「リ...ナ......リナ!」
「そう!リナ、ちょっと待ってて何か食べる物持ってきてあげる」
「うん」
...
「ルイ16世の隠し子だな...?」
「...誰なの? 手を出そうって言うなら私は貴方を斬ります」
「なぁに...俺はただ単にジャンヌさんにその子について話があるだけですよ、一応名も名乗っておこう...ルメーデルだ」
「私は、他の皆さんがジャンヌと呼んでるだけで...あの方の名前は勿体ない...私にはちゃんとリナという名前があります...それで、メリーちゃんの話というのは...」
「その子をイギリスに預けるという話しさ」
「イギリスに!? 何故そんなこと!」
ルメーデルは小さく注意した
「あんまり大きな声は出さない方がいい」
「...!?」
リナは声を抑えた
「イギリスはまだフランスに王族の血族がいるとすれば必ず生かすだろう」
「何故?」
「イギリスは今フランスにそこまで欲を持っている訳では無い、新たな王女を王に立てれば管理や維持が大変にならないからだ」
「...考えさせて下さい...」
「戦争は始まっている、出来れば早い答えを待っているよ」
「...去っていったわね...何者なのかしら...いけない、メリーに食べ物を持っていかないと...」
...この戦いでは本来の歴史とはかけ離れた物になるかもしれない
「よし!着いたぞ、パドカレーだ...皆、武器を持て、フランス軍は必ず迎撃しにくる」
「はい!」
「いよいよだねハヤト...」
「あぁ...いよいよだな...」
「油断するんじゃないわよ?」
「分かってるよ、アストレア!」