〔XIII-聖女の誕生〕
1798年 山道
「...街が...燃えてる?」
「お客さん...」
「...あの...急いで下さい...あの村に...行きます」
「...分かりました...出来るだけ近くまで行きますね...」
...
そうすると馬車の人は急いで馬を走らせた
「お姉ちゃん...?」
「...メリー...いい?私から絶対離れちゃだめよ...」
「うん...」
どうして燃えているの...?
あの村には...村長や、主人...商店街の人達が...いるのに...
マルセイユ カストレ村
暑い...音を立てて火が上がっている...
「お客さん...私が出来るのは...ここまでです...」
「はい、ありがとうございました...では!」
「...」
「お姉ちゃん...みんな...」
「...だ、誰かが倒れてる...」
そこら中に血や武器が...住民が倒れていた...
「大丈夫ですか!? 返事を!......ダメだ...返事が無い...」
倒れていたのは男性...傷跡がある...
「......村長...村長は!?」
「お姉ちゃん!あのおじちゃんが!」
「えっ!?」
...そこに倒れていたのは...私を住まわせてくれた主人だった
「...おじさん! 返事をして下さい! おじさん!」
だが...返事が無かった...
「そ、そんな...」
「みんな...やられたの...?」
「あぁ〜あぁ〜無様な事だなぁ」
...!?
「誰!?」
「よぉ、俺は山賊、狼の爪のな...」
狼の...爪...?
「ひっひっ...この村の男は全員終わってらぁ...何処ぞの野郎が俺達を怒らせたのが原因でなぁ...まあ安心しなよ...幼女と女はせいぜい可愛がってあげるからよぉ?」
「お、お姉ちゃん...助けて...」
「...!? メリー!!」
メリーが複数の山賊に囚われていた
「おっと...動くなよ...おめぇ剣持ってんじゃねぇか...」
喉に山賊の剣が当たっていた...
「うっ...」
「おめぇ中々可愛い顔してんじゃねぇか...なあ、これから楽しもうぜ...?おぉ?」
「い、いやぁ...」
「...誰か...」
村人の皆を守れなかった... メリーを守れなかった...
自分でさえも守れない... ごめんなさい...ごめんなさい...
誰か...誰か助けて...
私に...皆を守れるくらいの力を...下さい...
...意識が...
「ん...ここは...どこ?」
「おめでとう...貴方が転移者の最初の一人目ですね」
目の前に一人の女性が現れた
「貴方は...誰...?」
「私は...天界の天使です...」
「て、天使?」
「貴方にこの力を授ける為にここへ呼びました」
「力...? あ、あと...転移者って...」
「ここの世界に連れてこられた方達の事を転移者と言うそうですが...」
私は...やっぱり別の世界に来てたんだ...
「貴方は...皆を守りたい...そして、託された一人の娘を守る為に...戦う事を誓えますか?」
「...戦う...メリーを守りたい...そして...もう二度と村をあんな悲惨な事にはさせたくない...」
「では...貴方にこの力を授けましょう」
「...はい」
「あと、もう1つ言っておくことがあります...」
「え...?」
「我々は天界として正しい者に力を授けていますが...逆もあります、それが魔界です。 魔界は、より欲が深い転移者に力を授けます...とても脅威になる事です、貴方に、悪魔の力を持った転移者に会ったらそれを倒して欲しいのですが...お願いできますか?」
「ええ、任せて下さい...」
「ありがとう...では、貴方に神聖なる新世界への御加護があらんことを!」
...!?
「気絶したか?こいつ...そんじゃあもっと触っ...ブッ!?」
「...触るな変態!」
「打ったな...ボスにも打たれたこと無いのに!ご褒美になるじゃねぇか!」
「おーい、てめぇそれだとホントに変態になるぞー」
「はっ!?」
「...力が...これなら......貴方達...覚悟して下さいね」
「あっ...まずいかもな」
「な、なんか分かんないけど逃げろ!」
「...っ!」
「うっ...あぁ...」
「まずは1人目ですね...次は貴方達です、メリーから離れなさい!」
...まさか、ホントに殺るなんて...
「う、うわぁぁ!」
...凄く体が動く...次々と進んでいく...この力は...
「クソっ!てめぇ調子に乗ってんじゃ...っおい...嘘だろ!?」
「...調子に乗ってたのは...貴方達の方じゃ無いですか?」
「うわっ...あぁァァ!」
「ごめんなさい...でも...戦わなきゃ...ダメなのね...」
「メリー...大丈夫!?」
「お、お姉ちゃん...怖かった...」
「もう...大丈夫...」
...この村で生き残ってる人を救わなきゃ...
子供や女性が山賊達に囚われていた...まだ無事だったみたい...
「...待ちなさい」
山賊達が気づいた
「おぉ?自分から捕まりに来るとはいいど...っ」
...迷わない...この人達には天罰を下すの...
その男は全部言うこともなく...倒れた
山賊達は騒然とする
「貴方達は...天に行って懺悔なさい...」