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貴方に神聖なる新世界への御加護があらんことを!-新ヨーロッパ戦記  作者: 聖Yohane
〔黒髪のジャンヌ・ダルク-リナ編〕
12/18

〔XI-最後の王家と転移した少女〕


...私はリナ...本命は茅吹(かやぶき) 梨奈(りな)だけど...


元々、飲食店で働いていた...でもある日...


その飲食店は火事になったの...


私は残業で働いていたから、私と店長にもう1人、友達の彩音がいたわ...


何故なのか原因が分からない...私はもうその時火事に巻き込まれて死んでいたから...


気が付けば私は何故か何処かの庭園に寝ていた...


それも何処かと思えばあのベルサイユ宮殿の庭だったもの、流石に混乱したわ




...店長と彩音も、この世界に飛ばされてるかしら...


そう思いながら、私の今が始まるの




1796年 フランス ベルサイユ宮殿 噴水庭園




「貴様!ここで何をしているっ!」


「へっ!? あ、貴方は誰?」


「それはこちらの台詞だ! 貴様、見慣れない服装だな、何処の者か!?」


「え、ええ、えっと...」


その時、奥から一人の王様みたいな服装をした男の人が出てきた


「ふむ、その子は誰か」


「国王陛下、この娘が庭で倒れていたのでございます」


国王陛下...?


「ふむ...」


「えっ...」


その男は私の目をじーっと見てきた


「君、このベルサイユ宮殿のメイドにならないかね?」


「め、メイド!?」


「なに、君...おそらく色々困ってそうだと思ってな」


「...は、はあ...」


た、確かに...まず状況が理解できない...


「私はこのフランスの国王、ルイ16世だ、よろしく頼むぞ」


「え、ルイ16世?」


その人って確か... え、ここって...昔のフランス!?


「国王陛下、宜しいので?」


「うむ、別に構わない、それに、この子結構可愛いではないか!」


え...


「国王陛下...」


「お、お父様?誰と話しておられるのです?」


「おぉメリーよ、この子は新しいメイドさんだよ」


「そうなの?」


「あぁ...ん、そうだ! 君、ならメリーの世話を頼むよ」


「あ、は、はい」



そんなこんなで私はベルサイユ宮殿のメイドとして仕えさせてもらう事になった...



ベルサイユ宮殿内



「メリー...髪を結いましょうね...」


「ありがとう! お姉ちゃん!」


お姉ちゃんかぁ... そう言えば、妹とかも持ったことなかったかなぁ...


「うん?お母様みたいな髪型にはしないの?」


「あ、あぁ...あの方ね...」


マリーアントワネット...あの人の髪型って...確か...

本物はどんな髪型なのかしら...


「私は、メリーはこの髪型が良いと思うな〜!」


「ふぅ〜ん...」


その後も、メリーのお世話をするのが楽しかった


「メリー、一緒にお風呂入りましょう?」


「うん!」


「髪洗うわよー」


「うっ 目に入った...」


「あ、あら! ごめんなさい!」


「うぅうん...いいよ!」


「...湯加減はどう?」


「うん、ちょうどいいかも!」


「そう...」




でも...日に日に革命への年も迫っていく...


1792年


元々ルイ16世は政治家としては向いていなかったのか、日に日に国民からの支持も落ちていく


その嫁であるマリーアントワネットも、飢饉の時に宮廷費を削って寄付金にしたり...国民想いでもあったのね...


マリーアントワネットは悪い印象が強いのが事実だけど...


実際は分からないものね...


不安が募っていく...


いつ革命が起きるか分からないわ...


「お姉ちゃん...?」


「あ...ごめんね...メリー...」


「ねぇ、メリーはもしお父さんやお母さんと離れ離れになったら、私とついて行ける?」


「...うん...お姉ちゃんなら...もしもの事があっても大丈夫だよ...」


「メリー...ありがとう...強い子だね...」




1799年 ベルサイユ宮殿


「大変だわ!」


「...くっ革命派がもう迫ってきてる...パリは危険だ...」


「ここを出るぞ...」


「ええ...出ましょう!」


「君、メリーは...任せた...」


「え、でも...陛下!」


「いいのよ! 早く...娘と安全な所へ逃げて!」


「は、はい!」


「行くよ...メリー」


「ばいばい...お母様、お父様...」


2人は沈黙していた、でも、その目には涙があった...






フランス南部 マルセイユ


なんとかフランスの南まで逃げられた...


「私とこの子をこの村に入れてください!お願いします!」


「んー、いいよ、歓迎しよう!」


「ありがとうございます!」


優しい村の人達で安心した


ここはフランス革命の影響をそこまで受けてなかったみたい...


かと言って...まだメリーと正体を明かす訳にはいかないわ...


メリーは囚われるかもしれないし私は処刑されてもおかしくない


必ず安定するまで守ってみせる...




マルセイユ カストレ村 ノートルダム・ド・ラ・ギャルド寺院


私はキリスト教徒になり、いつもこの教会でメリーの安全を祈っていた...


その横にいた2人の住民から衝撃の話を聞いたわ


「なあ、ルイ16世とマリーアントワネットがヴァレンヌで捕まったんだろう?」


「あぁ、こりゃホントの話だぜ」


...2人が...捕まったのね...


ごめんなさい...ごめんなさい...


あの二人は、ホントに悪い王と妃だったのかしら...





「ごめんなさい...陛下...マリー様...」






この子だけは...守らなきゃいけない...そう思った




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