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地味な男子学生の日常  作者: はる夫さん
1/4

1話

普通の青春ラブコメを書いてみたかったので、書きました。



良くラブコメのシーンでヒロインが、「私の気持ちも知らないくせに!」なんて言うシーンがある。

そのヒロインは必死に主人公にアピールしてたんだろうけど、主人公はラブコメ主人公特有の鈍感さを発揮してしまう。


しかし、現実では、そのような青春ラブコメハーレム主人公の様な野郎は絶対いない。いるはずがない。

むしろ逆だと思う。

健全は男子生徒なら1度は思った事があるだろう。

女の子に少しでもボディータッチされただけで、「あれ?こいつ俺の事好きなんじゃね?」と、夢を見てしまう事が。

そして思い切って告白して粉砕してトボトボと帰ってくる男子生徒を見て毎回思う。

"こいつバカじゃね?"と。

そもそも相手が"自分の事が好きだと思った"と思える判断材料が少なすぎる。


そもそも交際とは何なのだろうか、と毎回思う。

男女が交際する理由と言えば、"デートがしたい"、"性行為がしたい"などという理由ある。

性行為は男性の身勝手だが、デートはどうだろう。


正直、デートは何が楽しいのか分からない。男性なら綺麗な女性と、女性ならかっこいい男性と親睦を深めるだけの口実でしかない。そうなると変な気を使わなければならない。

果たしてそれが心から楽しいと言えるだろうか。だったら趣味の合う友人と遊ぶ方が心から楽しいと言えるだろう。



男子が女子を好きになる理由なんて1つしかない。可愛いか、可愛いくないかだ。

"人間は中身だ"とか言ったりするが、まぁあながち間違いではない。しかしそれは交際ではなく結婚の話だ。"この人となら一緒にいたい"、"この人と残りの人生を歩んでいきたい"と、心から思える人は外見なんて気にしない。


しかし青春真っ只中の思春期学生の交際なら話は別だ。彼らは今を謳歌しようとしているので、結婚などという将来の事は目もくれていない。

そんな学生が心から好きになる恋愛なんてしてる場合ではない。可愛いかったらとりあえず告白して、可愛いくなかったら異性の友達になる。

これが思春期学生の恋愛だ。


まあ結論を言うと、俺みたいな奴には恋愛は難しいという事だ。





「どしたの風斗?さっきから何かを悟った様な顔して。何か考えて事でもしてた?」

「ん?いや別に」


俺の名前は大神 風斗。4月から県立の幸ケ谷西高校に通う15歳だ。

そして隣にいる奴が、大神 真奈。

俺の従姉妹だ。こいつは西高校よりも偏差値が10位高い、県立の幸ケ谷北高校に通う事になっている。


そして今俺は、リビングのソファーでモンハンをしてる真奈の隣で読書をしていたのだが、一通り読み終わったので上記の回想をしていた時に真奈から話かけられた。こいつがゲームを一時停止してまで俺はボケーーとしてたんだろうか。


「それよりも、ありがとね。この家に住まわせて貰っちゃって。私の家からだと北高校遠くて」

「いいよ別に。勉強さえ教えて貰えれば」


俺は家が少し裕福なので、高校進学と共に実家から、高校から近くの良いマンションに引っ越した。西高校と北高校は物凄く近いので、ついでに真奈も住まわせてもらう事になったらしい。男女が同じ屋根の下で暮らすというのはまずいと反論したのだが、俺の両親とおじさんおばさん、そして真奈まで俺の味方をしてくれなかった。唯一味方をしてくれたのが、妹の紗枝だけだった。

…ホントよく出来た妹だよ…。


「そういえば風斗。春休みの課題は終わったの?」

「え?まだ手を付けてすらないけど…」

「はぁ……入学式まではまだ期間はあるけど、早い時間からコツコツやっといた方がいいよ?後で後悔するのは風斗自身なんだからね」

「いやゲームしながら言われても…」


まぁこいつはもう終わってるらしいから、何とも言えないんだけどね。


「そういや真奈。最近彼氏とは上手くいってるのか?」

「え?彼氏?そんなのいないけど」

「え?サッカー部のエースの青山君と付き合ってるって噂だったけど」

「あー、告白はされたけど振ったよ。多分青山くんが、振られた腹いせにそうゆう噂流したんじゃない?」


流石真奈。168cmの高身長と腰まで伸びた綺麗な黒髪。そして大きくも小さくもない絶妙な胸。こんな奴がモテないはずがない。


「何で振ったんだよもったいない。青山くんてイケメンで運動も出来て勉強も出来て性格もいい。めちゃくちゃ優良物件じゃん」

「んー、でも好きでもない人と付き合う気ないし…」


それもそうか。


「ん?てことは一応好きな奴はいんの?」

「……………いるよ」

「おお!お前が好きになるって事は相当凄い奴なんだな」


するとまたゲームを一時停止して、真奈が何かを決心したような顔つきで、こちらを見つめてきた。


「あ、えっと…わ、私の好きな人っていうのは……ふ、ふうーーー


プルルルル


いや何でこんな時に携帯鳴んだよ!

てか今、ふうって聞こえなかったか?

もしかして真奈の好きな人って俺?

……なんて妄想してないで、早く電話に出よう。


『はい、もしもし』

『あ、兄さん?』


かけてきたのは、妹の紗枝だった。


『紗枝か、久しぶりだな』

『うん!それでね兄さん。兄さん部屋に新しい教科書忘れてたから、幸ケ谷駅まで来てもらえる?渡すから』

『おう、悪いな』


ホントよく出来た妹だよ…。

俺ら兄妹は凄い仲がいい。もうめちゃくちゃいい。

…しかしこれから紗枝の反抗期が来るかもしれないと思うと…俺は廃人になってしまうかもしれない。


『じゃあ、3時に幸ケ谷駅に来てね兄さん』


そう言って通話が終わった。

ここから幸ケ谷駅までは歩いて10分もかからない。今2時30分なので、まだ時間はある。


「それで、真奈の好きな人ってのは…」

「……やっぱり教えない」

「えー、応援くらいしてやるのに」


しかしこれ以上追求はしないでおこう。しつこい男にはなりたくないからな。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


4月10日。

今日は幸ケ谷西高校の入学式だ。

ちなみに北高校の入学式は昨日に行われたのだが、今日から授業が始まるそうなので、今俺達は2人で登校している。


さっきから、西高生と北高生の目線が凄い。

北高生は………主に男子生徒は、これから真奈の様な美人と薔薇色の高校生活を送れるかもしれない、なんて思っているのかもしれない。

真奈に引かれたくないのか、男子生徒等は気持ちを顔に出さないようにしてるだろうが、……残念、めちゃくちゃニヤケ顔が真奈に晒されてますよ。

それを見た真奈は、まるで見慣れたかのようにため息をついた。


続いて西高生の女子生徒はと言うと……


「あのモデルみたいな女の子の隣にいる人……顔はいいかもしれないけど、何か地味だよね……」

「それな!髪少しボサボサだし、眼鏡も地味な黒縁だし……ちゃんと髪もセットして、眼鏡じゃなくてコンタクトにすればいいのに…」


わざわざ助言をありがとうとある女子生徒くん。

でもこの格好を直す気はない。

やはり地味こそが至高だ。

確かに俺は顔は整ってると自覚している。しかし、顔がいいからって群がってくる女子が鬱陶しかったので、中学1年生の二学期からこの格好が安定している。



「じゃあ、北高こっちだから、じゃあね」

「うん」


そう言って真奈と別れた。

やはり別れた後になると、西高の生徒しかいない。

また、さっきまで注がれていた視線もいつの間にか無くなっている。

やはり、俺は真奈のおまけ的な扱いだったのだろうか。…そう思うと悲しくなってきた。


そして道なりに進むと西高校の校門が見えて来た。先程までは住宅街だったのに、急に周りには田んぼや畑しか見えなくなってきた。

まるで田舎にたまにあるポツンとした学校みたいだ。


そして校門を潜ると少し開けている。正面には1つの建物があって、一階には、柔道場、剣道場、卓球場、全てが1つの建物に収納されている。

二階部分は体育館だ。


左には、こんなに必要ないだろ、と思える程の広い駐輪場。

そして、右側には車通勤をする教師達用の小さい駐車場がある。


右側の奥に進むと、校庭がある。

そして、校舎はというと正面にある建物の丁度右側にあり、2つの建物を結ぶ渡り廊下よ様な物が一階と二階両方に設置されている。



学校案内の時に、説明してもらったので、よく覚えている。


まずは入学式を行うので、体育館に行こう。






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