お節介団長と副団長
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「ようこそ、皆様。私が騎士団長のアリオス・パーシバルと申します。今日は我が騎士団を良く見学して行って下さいね」
アリオスが微笑みながら喋る。なんか、キラキラと周りが輝いて見えるが気のせいか?
「それでは、付いてきて下さい。訓練所の内部を案内しましょう」
アリオスが背を向けて歩き出す。それについて行く俺たち。心なしかアリオスの機嫌が良いようで鼻唄まじりに歩いている。
「この右の部屋が騎士の更衣室で左の部屋が武器倉庫です。騎士達に合った武器が置いてあります。短剣から大剣、メイスから斧、ハンマーなどがあります。また、訓練用の木剣も置いてあります」
「なあ、なんであんなに機嫌いいんだろ? 」
「さあ、分からん。なんかあったのかもな」
アリオスの説明を聞きながらラウルと話す。怪しいな、あんなに機嫌がいいなんて。
俺はアリオスの事を考えながら、ついていった。
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「そしてここが訓練場です。どうですか? 広いでしょう。大勢の騎士が訓練を出来る様になっていますからね」
まるで自分の事の様に語る。アリオスは訓練場が好きだからな。
「おい、あの黒髪の子可愛くね? 」
「本当だ! 可愛いねえ〜」
「あの方ってシエル殿下よね。なんでこんなところに……」
「さあ、なんでかしらね? 」
周りの騎士達がこちらを見てくる。
黒髪はソフィアの事かな、クラスで唯一の黒髪だし。
因みに騎士団には女騎士も居る。こちらも優秀な騎士だ。
「皆さん。こちらを向いて下さい」
アリオスが喋るのでそちらを向くと隣に鎧を着た女騎士が立っていた。
「紹介します。こちらが副団長の……」
女騎士が一歩前に出てくる。
「エミリア・アーヴィングです。皆さん、今日はようこそ御出でなさいました」
副団長のエミリアが喋る。太陽の様な金髪でエメラルドグリーンの瞳をしている。体も引き締まっており、鎧を着込んでいても様になっている。
「これからはこのエミリアに紹介を頼みます。宜しく、エミリア」
「分かりました、団長。それでは皆さんここでは主に………」
エミリアが訓練場での概要や、注意事項を言う。それを聞いていると、
「王子、王子。どうも、ご無沙汰してます」
アリオスが話しかけてきた。まさか、このために説明を任せたんじゃないだろうな?
「……お前、エミリアに怒られるぞ。仕事中に何してるんだ、って」
「それなら、大丈夫です。多分」
不安だな。こいつ、さっきまでの真面目な態度はどうした。
「それで王子。どうですか、学園は? 」
「楽しいぞ、ラウル達もいるしな」
「ほほう、そうですか。では、王子。本題に入りましょう」
本題? なんだ?
「ずばり、彼女はいま「いないな」早いですよ! 」
アリオスが絶叫する。うるさいな、エミリアが睨んでるぞ。
「全く王子は! その美貌と力さえあればなんでもできますよ! 」
「いや、流石になんでもは無理だろ」
「何を言っているのですか! 全くもう!」
「ちょ、声がでかい……」
俺はちらりとエミリアの方を見る。
……やべぇ。めっちゃ睨んでる。怖え。しかもゆっくり近づいて来るし。
「いいですか!王子!良く聞い「団長、ちょっと来てください」え、なに。ひぃっ!」
エミリアがいつの間にか近づいていた。笑ってはいるが目が笑っていない。
「さあ、団長。こっちに……」
「え、ちょ待っ。お、王子……」
俺は無言でアリオスに敬礼をする。
大丈夫、お前なら乗り越えられるさ……
俺に見捨てられたと分かったアリオスは目が死んでいた。
そして、エミリアの引きづられて物陰に隠れた瞬間、
「ぎゃあああああ!!!」
アリオスの悲鳴が聞こえた。周りの騎士達は慣れているがクラスの皆は青ざめている。
「ふぅ、完了っと。それでは皆さん、実際に騎士と模擬戦をしてみましょう」
こいつ、普通に流したぞ。
それより、模擬戦だと? 楽しみだな!
アリオス、すまんな。俺はお前よりをとるぜ。
気絶しているであろうアリオスに俺は謝罪の言葉を送った……
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