閑話 神になった時の話
シエルが神になった時の話です。
因みにシエルの家族構成は父、母、シエル、妹の四人家族です。
「なあ、シエルはなんで神になったんだ? 」
「え? 」
ある日の学園での昼休み、突然ラウルが聞いてきた。
「いや、シエルは神なんだろ? だから神になった話とかがあるのかな〜って」
「そういや、話してなかったな」
親友達に話してない事を思い出した俺は話す事にした。
「そうだな、あれは数年前かな……」
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数年前……
まだ俺が人間だった頃だ。その頃にはもう俺は剣の才能があったのでそれを更に鍛えていた頃だな……
「ふっ! はっ! 」
その日の俺は城の庭で日課の鍛錬をしていた。そして事件は起きた。
「大変だ! 城下町が! 」
「!? 」
城の兵士が急に駆け込んできて叫んだ。
どうやら、城下町が魔物の大群に襲われているとの事だ。俺はその事を聞いた瞬間にラウル達の事が頭に浮かんだ。
「っ!! 」
気づいたら俺は城下町へ走りだしていた。俺を止める声が聞こえたが無視して走った。
城下町へ着いた時には酷かった。
家が燃え、人が倒れ、冒険者が戦っていた。俺は更に心配になり急いだ。
ラウルの家に着くとそこにエウスやカインも避難していた。どうやら、ラウルの屋敷に結界魔法をかけていた様で無事だった。
その事に安堵した俺はすぐ様町にもどり、逃げ遅れた人達を助けた。
そして数人を助けた所で魔物がやって来た。その魔物は当時の俺ではギリギリ勝てない魔物で、その事を知っていた俺は恐怖した。
このまま逃げれば助かるが、この町の人が……
そう考え、俺は剣を抜いて斬りかかった。俺は必死だった。最初の不意打ち以外の攻撃が当たらなくて焦ったが、相手に深い一撃だったので相手も避けるのに精一杯だった様だ。
その攻防を繰り返していると魔物が突然止まった。
「(今ならいける……! )
そう判断して突っ込み、斬った。しかし相手は死ぬ前に叫んだ。まるで地面からのうめき声の様に。
「(なんだ……? 」
いきなりの叫び声に驚いていると、さっきと同じ魔物がきた。………何匹も。
「っ!?」
その事に驚き、動かないでいたら吹き飛ばされた。
「がはっ……! 」
どうやら、魔法で吹き飛ばされたみたいだ。なんとか立ち上がるとまた吹き飛ばされる。また立ち上がるが吹き飛ばされる。立っては吹き飛ばされるの繰り返しだ。
そして何回も吹き飛ばされると遂に立てなくなった。視界が霞んで行く中、ラウルが見えた。どうやら、剣で斬りかかっているが魔物には効いていない様で怯みもしなかった。
そして、吹き飛ばされるラウル。ラウルはそのまま転がって行き頭をぶつけて動かなくなった。気絶したみたいだ。
「ラ……ウ…ル」
段々と意識が薄れて行く……
ラウルに魔物が近づく。そしてラウルに向けて手を突き出す。
俺はラウルを守れないのか。親友を殺されてしまうのか。いやだ、いやだ、いやだ!
「嫌だ!! 」
俺が叫ぶと魔物達が一斉にこちらを向く。なぜか俺は不思議と立つ事ができた。さっきまでの事が嘘の様に。
「うおおおおぉぉぉ!! 」
俺は魔法を撃たれる前に突っ込む。
体が軽い!力が湧き出る! 今ならやれる!
俺は一瞬で魔物の目の前に着き、頭を殴る。
グシャ、という音と共に魔物が吹き飛び建物にぶつかる。その後の俺は魔物を一撃で倒し、全て倒した所で意識を失った。
次に俺が目覚めた所は城の自室だった。
部屋を見渡すと親父、お袋、妹、そしてラウル達がいた。
「シエル! 目が覚めたか! 」
親父が叫ぶ。どうやら、何日も寝込んでいたらしい。
体は? と目を向けると傷一つなかった。
あれだけ吹き飛ばされたのに。
そして俺は体の異変に気付いた。
「(体が……あの時みたいに軽い……? 」
そう、体が異常に軽かった。
まるで覚醒した様に。親父にその事を話すと、
「実はシエル。俺たちの先祖は人間でありながら神だったらしい。多分、お前のその力は先祖返りした物だろう」
「俺が……神に? あの? 」
「ああ、ラウルを助ける時に強い思いを抱いただろう? それが鍵となったのだろう。先祖も強い思いを抱いた事でなったらしい」
最初は信じられなかった。自分が本に出てくる神になったとは。だか、ラウルを守れたこの力に俺は感謝した。
この力があったからラウルを守れた。あいつらを倒せた。
俺はこの力に恐怖を、抱くと同時に誇りに思った。
そして俺はこの力を人を守る為に使うと誓った。
これが、俺の神になった時の話し……
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「と、言う話だ」
「そういや、あったなそんな事」
ラウルは思い出した様で何度も頷いている。
「……ありがとうな、シエル。お前のおかげで俺、生きてるから」
「……ああ、どういたしまして」
俺たちは拳を合わせる。
また、俺たちの絆が深まった様だ。




