中間テスト
作者はテストが嫌いです。
「シエルよ、もう少しでテストではないか」
「ああ、そうだな。ラウルよ……」
「さて……どうする!? もうテストだぞ! 勉強してないぞ! 授業聞いてないぞ! 終わったよ! 」
「いや、それは自業自得じゃん……」
入学して一カ月程、俺とラウルはある問題に直面していた。
それは………………中間テストだ。
テストは一学期中に二回あるらしく一年で三学期あるので合計六回もある。
そしてこの学園は三年制なので、全部で十八回もテストがあるのだ。恐ろしい。
俺とラウルは余り頭は良くないので(戦闘に関して以外は)必死に勉強しないといけない。
「しょうが無い。エウスに教えて貰おう」
「ああ、そうするしかないな……」
エウスは頭が良いので普段から授業で分からなかった所は教えて貰っている。
全く、エウス様様だぜ。
「という訳で、エウス。頼む」
頼むぜ! エウス!
「嫌です」
「「(○□○)!?」」
「普段から予習をしないからこうなるのですよ。全く、少しは勉強して下さい」
「……ごもっとも、です……」
「……はい、ゴメンなさい……」
だ、誰か……教えてくれ……
「あ、あの! シエル君! 」
「ん? ああ、ソフィアか。どうした? 」
「あの、良かったら……一緒に勉強しませんか!? 」
いた! 教えてくれる人が!
「ああ! 頼むぜ! よっしゃあ! 」
「な、何! シエルには教えてくれる人がいるだと! だ、誰か! 頼む! 」
しかし誰も答えてくれない。ラウルが聞かないか寝ているのが目に見えているからな……………どんまい、ラウル。
「じゃあ、何処で勉強する? 」
「……は、はい! あの、図書室とかどうですか? 」
「なるほど、あそこなら静かしな。いいぜ、そこにしよう」
「は、はい! それじゃあ放課後に! 」
ソフィアは急いで何処かに行ったが、どこか嬉しそうに見えた。そのすがたに俺は苦笑して、教室にかえった。
「……誰か……教えて……」
ラウルを無視して。
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今回のテストは筆記試験で、魔法学、歴史、地理、生物学の四つがある。
歴史は昔の世界の歴史、地理はこの国の地理、生物学は主に魔物についてだ。
ソフィアは頭が良いので上手く教えてくれるだろうな、そんな事を考えてたら
「ねえ、どこ行くの? 」
声をかけられたので、振り返ると金髪でサファイアの様な目をしている女子がいた。確かこいつは……
「……エリスだっけ。どうした? 」
「たまたまアンタを見つけたのよ。さ、探してはないから! 」
へえ〜〜
「と、兎に角どこに行くのよ? 」
「図書室で勉強だけど……」
「わ、私も、その……付いていっていい? 」
「ああ、いいぞ別に。他の奴がいるがな」
「や、やった! ありがとう! 」
凄い喜んでるな。手を縦にブンブン振ってるぞ。
「ほら、行くぞ。早く来いよ」
「あ、うん。行く行く」
一人増えたが大丈夫だろう。
楽観的に考えながら俺たちは図書室に向かった。
ソフィア「む、女の気配が……まさか……ね」




