説話:捻じ曲がった女神と道化の神
お読みいただきありがとうございます。
新しい神が登場いたします。
俺-リュートが転移門から消えたあと、女神は顔をうつ向かせながら、わなわなと震えていた。
すると、突然-
「・・・・ぷっ、ぷははははははははははははははは‼」
-笑い出した。
先ほどまでの威厳も、大人びた雰囲気もなく。
ただ普通に笑った。
女神はなおも笑う。
「あーはははは、あははははははははは、いーよ、いーよ!
やっぱり君はさいっこーーーーに、いいいいいいいいいいいいッ‼」
女神が発狂が最高潮に達する瞬間、
「やあ、楽しそうだね」
と、唐突に声をかけられた。
女神が振り返ると、男がいた。
いつもくる黒髪の男ではなく、茶色と赤が混じった色のローブに茶髪、
身長は170cmほどで、顔はローブを深くかぶっているので見えない。
声音は、まだ若さが残っており
どことなく軽い印象があるため人懐っこさそうである。
そんな彼の名は-
「あら、来てたの・・・ロキ」
人も、神々さえもだまし、娯楽のためなら手段を選ばない道化の神-ロキ。
そんな神の登場に女神は、目を細ませると
「・・・今日は、なにしに来たの?」
「・・・いや、彼の様子を見ようと思ったんだが、ちょっと遅かったかな」
そんなロキを見ながら女神は嬉しそうに
「・・・そうね」
そっけなく答えた。そんな女神のめずらしい姿に、ロキは質問をする。
「・・・それにしても、何がそんなに楽しいんだい?」
そんな分かり切っているようなロキの言葉に女神は、ニンマリ、と口をゆがめると
「-だって、あの世界で幸せになんか、なれるわけないじゃな~い!
あいつは、あの世界で絶望して、死ぬのよ~」
女神は嬉しそうに、この先の未来が見え透いているように語る。
そして、あるところを見る。
そこにはテーブルがあり、そこからは風景が見える。
ミニチュアな大地があり、大陸の中央には一際大きい国があり周辺にいくつもの国がある。
そして、大陸の空からなにかが落ちていくのが確認できた。
それを見ながら女神は、満足そうな顔をする。
(・・・・・・・・・)
その姿を見ながらロキは苦笑する。
(・・・・君が笑ってられるのもいまのうちだよ。)
道化の神は、中立どちら側にもつくことはない。
そうして、今日も道化の神は暗躍する。
ロキはいったい何をする気でしょうか?
次回で、戦闘に入ります。
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