表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/38

episode15『決意をここに』


俺はどこかで死を恐れていた

今いるこの環境が楽しくて、楽しくて、仕方がなかった

でも俺のせいで誰かが傷つくのなら

それは一番許せない


「椿……せっかくお前がお膳立てしてくれたんだ。絶対無駄にはしない」


 桔梗の手に光を纏った剣が現れる。


 それは桔梗が暗夜天を時空の狭間へ突き落とした時に見せた物に近い形をしていた。


「あれは……」


 こっそり後をつけていた暗夜天が目を細めて虎鉄を見つめる。


 その刀身からは黄龍の見せた光とほぼ同じ強さのエネルギーがにじみ出していた。


「椿め……余計な事を……」


「これが、神剣の力か」


 椿が遺した、黄龍を倒す必殺の切り札が今目覚める。








「爆発音が収まったぞ……外はどうなってるんだ?」


「家は無事かしら」


 地底へ逃げた人里の人々は、久しぶりの戦闘音に不安を募らせていた。


「さっきの爆発は一体?」


「わからない、もしかしたら地上で暴れているやつがまだいるのかも」


 慧音は怯える人間達をなだめながら唯一外の様子を知る勇儀に話を振る。


 だが暗夜天との決着があっという間についてすぐに帰ってきた勇儀に外の様子がわかるはずもない。


「外は寒そうだしなあ」


「地底は核融合炉があるおかげでまだあったかいけど、外はしばらく戻れなさそうね」


「太陽が消えて時間が経ちすぎている。まあすぐには無理だね」


「…………。」


 霊夢がすぐには外に出さない方がいいと判断を下したために地底からは出なかったが、正にその判断は的中することとなった。


 だがそうはいかないというのが現状だ。


 人間達の中には地底という危険な場所に長くいるせいか、パニックを起こしかけている者もいる。


「持ってあと数日ってところね」


   幻想郷崩壊まで

    あと1日








「幻想郷の崩壊は既に始まっている。お前が持つそれが幻想郷をつなぎ止める楔だからな」


 一斉に攻撃を始める桔梗達の猛攻に合わせて黄龍も本気を見せはじめる。


 一部を除き、基本的に黄龍には能力が効かない。


 霊緋の夢に引きずり込む夢想天生や霊稀の霊力を干渉させる能力は黄龍には使えないのだ。


 さらに遠距離攻撃ではそこまでのダメージにはならない。


 幽香や魔理沙の砲撃がダメージこそ入ったが、致命傷に至らないのがその例だ。


 倒す手段はただ一つ。


「やっぱり殴って黙らせるしかないか」


 黄龍本体に直接ダメージを叩き込むこと。


 この場にいる者で一撃に秀でているのは桔梗と近接に特化した霊莉、次点で霊稀、チルノ、レミリアだろう。


「援護する! 突っ込みなさい!」


 黄龍の攻撃を陰陽玉で弾きながら霊緋が五人に合図する。


 五人も合図を受けてそれぞれ別方向から黄龍に飛び掛かった。


「邪魔だ!」


 一瞬の出来事。


 桔梗を蹴り飛ばし、霊稀の刀を折って霊莉の右腕の肘関節を外した。


「な!」


「刀が……」


「っ!」


 桔梗は転がりながら体制を立て直し、霊稀と霊莉はバックステップで後ろに下がる。


 それを見てレミリアとチルノは足を止め、三人を助け起こしに戻った。


「クソが! 話には聞いていたけど……っく、相当なやり手だ」


 霊莉は外された肘を戻しながら悪態をつく。


 殴り合いでは無敵を誇っただけに、あれほど呆気なく関節を外されたことはない。


 完全に霊莉の闘志に火が付いた。


 その目は新しいおもちゃを与えられた子供のようにキラキラと輝いている。


(…………。)


 霊稀はその表情を見てふと、幼い頃の自分を重ねた。


(怖いもの知らずで無鉄砲、自分より強い相手と技を競うのが楽しくて仕方ない……誰かを見ているようだ)


 その間もそのほかのメンバーは攻撃の手を緩めない。


 霊夢と霊緋を中心にありとあらゆる攻撃が黄龍に叩き込まれる。


「燃え盛れ、不死の炎! 『ラスターフレア』!」


 四神として黄龍とほぼ同等の力を持っていたカンナの魔法だけが辛うじて黄龍の守りを貫通して通るが、それだけでは有効打はいつまで経っても望めない。


「誰かが切り込まないと攻撃が通らない!」


 結界を張ってアタッカーのカンナを守りながら霊夢は周りを見渡す。


 無傷のチルノとレミリアだけでは前衛が人手不足な上、後衛のメンバーでは相手が悪くて火力が出ない。


「あと一人、前衛がいれば……」


 楯で攻撃を防ぎながら椛は後ろに下がる。


 桔梗に虎鉄を届けるのに必死で、自分の剣を取りに湖に戻るのを忘れていた。


 だから今使える武器が楯に予備で装備していた短刀しかない。


(剣を拾いに今戻るか……あ、あれは!)


 椛の目に半分雪に埋もれた大剣が写る。


 神剣に統合されたせいで力を失った偽虎鉄だ。


「これなら!」








 霊夢達が走り去った直後、残された者は神社の一室に集まっていた。


 誰ひとり口を開かず、時計のチクタクという音だけが虚しく響いている。


(空気が……重い……)


 椛は場の重たい雰囲気に段々と耐えられなくなって来ていた。


『お前は行かないのか、小娘』


「え……」


「ん? どうしたの?」


 いきなり頭の中で声がして驚いた椛は思わず変な声を出してしまう。


 そんな椛を不審がったはたてが椛の顔を覗き込んだ。


「あーえっと、なんでもない……よ?」


『まったく、我がお前に力を貸し与えている間は常にこうなる。早く自分の力を取り戻すことだな、桔梗のように』


 お茶を飲もうとしていた椛の手が止まった。


『やつは自力で力を取り戻して我の力には頼らなくなった』


(あの人は幻想郷を裏切った。裏切り者の話はいいです)


『果たしてそうかな?』


 虎鉄は含みを持たせた言い方をする。


(どういう意味ですか)


『桔梗は昔から嘘が下手くそだ。だから嘘をつくときは必ず自分を殺し続けてきた』


(……?)


『わからないか? あいつは心の奥底で自分を偽り続けた。結果がこの事態だ』


(もしかして……)


『これが事実、あいつは一度も幻想郷を裏切ってはいない。ただ……あいつははかりごとが苦手だ。だからこんな事態になることは予想してなかった。あいつは幻想郷を守るため、黄龍との決着を急いだ。それを幻想郷などどうでもいいという風に、もう一人の桔梗の意志は捉らえてしまったのだろう』


(幻想郷を守るため……)


『…………桔梗はたった一人で黄龍を仕留めるつもりだ。今まで一度も傷を付けたことがないのだがな』


 椛は唇を噛み締める。


 そう言ってくれればと考えたがそれを遮ってあの場を離れたのは自分だ。


 もしかしたら自分のせいで桔梗は自暴自棄になっているのかもしれない。


 そう考えると居ても立ってもいられなくなってくる。


 今、何をするべきか。


 答えは既に決まっていた。


「椛?」


「私、行かないと!」


 立ち上がった椛は桔梗の置いて行った虎鉄を握りしめる。


 虎鉄の力を得ているおかげで今は持っても何も起こらない。


「そう、虎鉄があなたを選んだのね」


 そう言ってカンナも装備一式を持って立ち上がった。


「桔梗のところに行くなら私も行く。私ならあいつの居場所がわかる」


「ありがとう、カンナさん」


 虎鉄を今は空の鞘に収める椛。


 急がなければ間に合わなくなる。








「終わった……僕の役割はここまでか」


 優しい光が包み込む不思議な空間。


 椿はずっとそこを漂っている。


「お疲れ様でした椿。あなたの活躍、お見事でしたよ」


 不意に光の中から声がした。


 口元をほころばせた椿はそっと光に手を伸ばす。


 その先には翼を広げた二人の女性が浮かんでいる。


「貴女が仕向けた事だろうセラフ。貴女も意地が悪い」


「貴様! セラフ様になんという口の利き方!」


「良いのですよルーナリア、あなたは下がっていなさい」


 セラフと呼ばれる女性に止められて、しゅんとするルーナリア。


 そこに紅魔館を我が物顔で出入りしていた頃の面影はない。


 シエレーナ・セラフ、ルーナリアが教えを乞うている熾天使第一位の天使だ。


 位にすら入れないルーナリアからすれば一大企業の会長と平社員の関係、必然的に黙らざるを得ない。


「貴女がここにいるということは桔梗は無事に虎鉄を起動出来たんですね」


「ええ、ご覧になりますか?」


 シエレーナが合図をすると、ルーナリアは持っていた鏡を掲げた。


 周囲の光を集めて映し出されたのは黄龍相手に苦戦する面々。


「だめだ、それじゃ……何やってんだよ時間がないのに!」


「死んだこと、後悔している?」


「少しね」


 ちょうど椛が偽虎鉄に駆け寄って掴んだところで映像は途絶えた。


 黄龍は言わば幻想郷の創造主、のぞき見していたのがばれたらしい。


「桔梗は虎鉄の力を扱いきれてないように見えた。あの剣の力で幻想郷の土台を作ったんだ、その力を使えば黄龍なんて……」


「…………。」


 悔しそうに俯く椿。


 シエレーナはそんな椿を後ろから優しく抱きしめた。


 死人に口なし。


 既に死んでしまった椿の声は二度と桔梗達に聞こえることはない。


 しかも自分の死因はただの不注意だ。


 悔しさで握りしめた拳がギリギリと鳴る。


「あなたは頑張った。十分過ぎるぐらいに……あとは生きている者達の役割です」


「でも今のままでは!」


「今は信じましょう、彼らを……」


 椿の元をそっと離れるシエレーナ。


 残された椿はまた一人、空を見上げて漂う。


(…………勝ってくれ。僕が言えるのはそれだけだ……)








「前に出ます! 援護を!」


 椛は偽虎鉄を握りしめて飛び出す。


 それに反応した霊緋は陰陽玉を黄龍に投げつけた。


「霊奏『真陰陽の陣』!」


 陰陽玉が弾幕で牽制する間に椛が黄龍に急接近する。


『外すなよ小娘、チャンスは一度だ』


 虎鉄の声が頭に響く。


 霊緋の攻撃を対処する黄龍の隙を突いて椛は喉元に迫った。


 椛に気付いた黄龍が椛を目で捉える。


 その瞬間に椛は楯を突き立てて制動をかけ、それを蹴ることで別方向に加速をかけた。


「っ!」


 たった一瞬の出来事だが、黄龍は椛を捉らえきれず接近を許してしまう。


「妖刀『牙狼填醒』!」


 椛を通して偽虎鉄に虎鉄の妖力が注ぎ込まれ、黄龍の防御を貫く。


「おのれぇ!」


「はぁぁぁぁぁぁ!」


 突き抜けたエネルギーが幻想郷の空に吸い込まれていった。


 黄龍は椛から距離をおいて傷口をおさえる。


「あれは!」


 椛の健闘に桔梗も思わず驚く。


 ただその一撃の代償は重く、突き出した両手から煙が上がり、椛は地面に突っ伏した。


「椛!」


 駆け寄る桔梗。


 同時に霊莉と霊稀が黄龍の相手を引き継ぐ。


「椛、椛!」


 返事はない。


 力を使い果たした影響でしばらく動けないだろう。


 その手からほんのりと熱を感じる。


「すまない、無理させたな」


 地面に虎鉄を突き刺し、椛を抱き抱える桔梗。


 そこに暗夜天が木の陰から現れる。


「すまない、椛を頼む」


「ああ……」


 短い会話の後に暗夜天は椛を抱えて戦場を離脱した。


「ごめん……なさい……」


 運ばれる最中、椛は小さく謝る。


 それを聞いた暗夜天は椛を少し強く抱きしめた。


「……もう4の5の言ってられないか」


 突き刺さった虎鉄が反射した光でキラキラと輝く。


「虎鉄、力を全部俺によこせ」


『いいのか? お前の身体が持たないだろう』


「構わないよ、椛があそこまでやったんだ」


『良いだろう、好きにするがいい』


 虎鉄を握りしめると、そこから光があふれていく。


「はあああああああ!」


 力の流れが周りの全てを包み込み、やがてその輝きはこの場にいた全員を飲み込んだ。








 汗の滲む夏の夕方。


 霊緋は洗濯物をたたみながらひぐらしの鳴き声に耳を澄ませる。


 そこに、一人の陰が現れた。


 その陰は光り輝くマントのフードを外して霊緋の側に立つ。


「どうしたの桔梗? 今日もあなたの分の夕飯はないわよ」


 だが陰は神社には上がらず、霊緋に微笑みかけるだけだ。


 やがて夕日の直射日光に目が眩んだ霊緋。


 次に陰を見ると、既にそこには誰もいなかった。





 花びらの舞い散る白玉楼の中、妖夢の剣の修業に付き合う霊稀は木刀を構えて妖夢を睨む。


 対する妖夢も二本の木刀を握りしめて霊稀に対峙する。


 一瞬でも気を抜いたら勝負が決する、それがこの修業の難しいところだ。


 だが勝負は思わぬ結果に終わる。


 霊稀が刀を下げたのだ。


「桔梗……さん……?」


「隙あり!」


 妖夢の木刀は霊稀の木刀を弾き飛ばし、対応の遅れた霊稀は降参とばかりに両手を上げた。


 もう一度桔梗のいたところを見るが、そこには誰もいなく、妖夢は不思議そうに霊稀を見る。





 以前解決した異変について霊夢と魔理沙は人里で文の取材を受けながらだべっていた。


 魔理沙が話を盛り、霊夢がそれを咎める。


 その時、三人の間を一陣の風が通り過ぎていく。


 その先には白く輝くマントをたなびかせる剣士の人影。


 すかさず文がシャッターを切る。


 その時、また風が三人をかすめていった。


 もう一度剣士の方を見ると、そこには誰もいない。


 後日、文が写真を現像するが、その写真には白い鳥が一羽飛んでいた。





「…………。そこにいるのでしょ? 桔梗」


 寝床で寝たまま首だけ横に向けるカンナ。


 まだ結晶化が治っていない頃なので体調も良くなさそうだ。


「惨めよね、笑っていいのよ? こうして話すのもつらいぐらい」


 陰はカンナの手を握りしめ、そのまま消えていった。


「そう、か……もう……」


「どうしたんだ? カンナ」


「どこか痛みますか?」


 そこにカンナの世話をしていた妹紅と慧音が入ってくる。


 カンナは妹紅と慧音が心配そうな表情をしているのを見て、そこで初めて気付いた。


 いつの間にか頬を涙が伝っているのだ。


「あれ、おかしいな……なんでだろう……なんで涙なんか……」





 暗夜天に運ばれる間、気を失った椛は喫茶店の中にいた。


 少し前に、外の世界に飛ばされた際働いていた喫茶店『キャッツテール』だ。


 外は明るいのに、お客どころか店主のフェイスやミオリの姿もない。


「あれ、ここは……」


「どうやら、虎鉄が俺達二人の持つ共通の記憶からこの場所を切り取って見せているらしい」


「え?」


 店の奥、階段を桔梗が下りて来る。


 その服装は働いていた当時の制服だ。


 よく見ると、椛も喫茶店で着ていたメイド服を身につけている。


「私達の……記憶?」


「だからハリボテなんだろうな、一部作りが甘い」


「でもなんでこんなことに?」


「ああ、多分俺が虎鉄の力を解放したからだろ。お前も虎鉄に担い手として認められたんだ、だいたい予想はつく」


 そう言いながら桔梗はキッチンに入ってコーヒーを淹れ始めた。


 椛もそれを見てキッチンに一番近いカウンター席に座る。


「これまで、虎鉄に認められた者が二人同時に存在することは有り得なかった」


「じゃあなんで……」


「虎鉄は俺の狙いを悟ったのさ」


 喫茶店の中にコーヒーの匂いが漂い始める。


 桔梗は二人分のカップを用意しながらテキパキと作業を進めた。


「狙い?」


「俺は端から黄龍と差し違えるつもりだった。虎鉄は扱える者がいないと力を半減させてしまう。で、幻想郷は虎鉄の力で支えているがそれも崩壊寸前だ」


「つまり私が選ばれたのは……」


「俺が消えた後も幻想郷を今のギリギリの状態で保つための苦肉の策だ。何を虎鉄に願ったのか知らないが、あれとお前の利害が一致したんだ」


『良かろう、我が力を貸し与えお前を蘇生してやろう。約束は約束であるからな』


 椛は虎鉄に言われた言葉を思い出す。


「もしかして……あれが願い? 私が願ったのは死なないこと……」


「虎鉄の力は強力だ確かに妖怪一人の蘇生ぐらい容易いだろうな」


 つまり椛が次の神剣の担い手になることになる。


 が、ここで一つ疑問が浮かぶ。


「あれ……ちょっと待ってください、黄龍と差し違える?」


「ああ」


 コーヒーを淹れ終わった桔梗はカップを二つ持ってキッチンを出て、不安そうな顔をする椛の隣に座った。


「実際問題、黄龍を完全に倒すのは不可能なのさ。この幻想郷はあいつが作った世界、だからあいつが消えるということはこの世界の消滅にも繋がるかもしれない」


「差し違えても黄龍を倒してしまうことに変わらないんじゃ?」


「いや、同時に俺が人柱になればいい。虎鉄の本来の力を使えば可能だ」


「でもそれじゃあ桔梗さんが……」


「俺はどうなってもいい。今のこの世界には無縁の存在だしな」


 コーヒーをすする桔梗。


 そこに椛が抱き着いて桔梗はカップを落として割ってしまった。


「そんなこと……言わないでください……」


「悪いな。でもこれが俺の役割だ」


 椛をなだめて肩を叩く桔梗。


「これが出来るのは虎鉄に撰ばれた俺かお前のどちらか、そして神剣の担い手は二人存在出来ない」


「じゃあ私が!」


「駄目だ!」


 椛はこれまでに聞いたことのない程力の篭った桔梗の一言に思わず戸惑う。


 そして桔梗は椛から離れて喫茶店の出入口に手をかけた。


「これは、黄龍を止めるのは俺達四神の役目だ。それにな」


 振り向く桔梗。


 椛は目に涙を浮かべている。


「俺には帰りを待っていてくれる人はいない。家族のこと、大切にしろよ?」








 光の中、黄龍と桔梗が再び向かい合う。


「やるのね」


 隣に立つのはギリギリ間に合って戦闘に合流した紫だ。


「離れてくれ。ここからは俺一人でやる」


「桔梗……」


「大丈夫、しくじりはしないさ。だって幻想郷の皆の命が、俺と虎鉄にかかってるもんな」


 紫に笑いかける桔梗。


 その満面の笑みに紫はしぶしぶ後ろに下がる。


「行くぜ黄龍、正真正銘の一騎打ちだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ