謎ト変化ト体験談
最初だけほのぼの~としてます。
書いてみたかったんです。
「うう~ん…」
「あ!!遊憂!?」
眼が覚めると、眼の前にいろはがいた。
間の距離、1㎝ってとこか。
…なんて冷静に分析してる場合じゃなくて、
「いろは。…近い」
「あっ、ゴメンね?じゃ、みんな呼びに行ってくるから!」
そう言うと、風の如く去って行ったいろは。
何というか…その…
「…元気だな…」
「そぉ?」
そう、声が聞こえた。横から。
おそるおそる見てみると…
いろはがいた。
「速くないか!?」
「猫娘の力を使えば簡単よ♪」
そっか。
猫娘の子だったっけ。
「おいっ、遊憂!生きてるか!?」
「生きてる」
「遊憂!無事?」
「無事」
「ねぇ、遊憂!自分の名前覚えてる!?」
「誘坐来遊憂」
質問ラッシュキターーー(◦∀◦)ーーー!!
ってやってる場合じゃなくて、
「なんでそんな質問をしてるんだ?その前に、なぜオレは寝ていたんだ?」
「覚えてないのか?」
と、蝋が言う。
覚えてない?
オレは、あの時男と戦っていた。
で、あの声を聴いたところから記憶が無い。
「…オレになにかあったのか」
「!」
みんなの頭の上に!が浮かぶ。
「…ったく、お前の勘の良さには恐れ入るぜ」
「………当たりか。当たって欲しくなかったが」
粕楽が、長いため息をつき、前回(詳しくは、「覚醒」を見てね)
の事を、くわしく教えてくれた。
「………で、オレが人間じゃない事が再確認できたわけか」
「まーそれもあるけど…」
「きっと、あなた(遊憂)の父母どちらかが、九尾の狐だったのね」
九尾の狐……。
オレが考えていると、いろはが、
「ねぇ…“声”の事なんだけど…聴こえた…よね」
声?
それは、オレがあのとき聴いた声と一緒のものなのか?
いや、そもそも、みんなもあの声を聴いたのか?
「なぁ、その声って……」
オレは皆に説明した。
聞かせていくたび、みんなの顔が青ざめていくのが分かった。
「『また来る』って言ってたよね…」
「?それは聴いてないが」
あ、そっか、倒れた後だもんね。と、權那が微笑む。
でも、説明はしてくれなかった。
權那の事だろうから、負担を減らすために…とでも考えてるんだろう。
「なあ、もう変化できないのか?」
蝋が聞く。
オレはよく分からないが、とりあえず…
手足に力を込めてみる。そしたら、
変化出来た。
簡単に。
みんな口を開けて驚いている。
「声は……聴こえないが?」
言うと權那が返事を返してくれる。
「そう?まぁ、聴かない方が心身共にいいんだけどね」
「まぁ、遊憂はエリートなんだな」
「そうだね。こんな速く変化できるなんて…」
「天才ってヤツかな?」
なんかしっくりこないな…?
なんなのだろう?
試しに指を鳴らしてみる。
すると、炎が蛇のようになって、手の上に乗っかってきた。
なんか…愛らしいというか…
「なんか、ビックリが連続する回だな…」
蝋が、手を見て、頷き喋り始めた。
「ま、能力はいろいろ在るみたいだな」
それを聞いた途端粕楽が、
「そうだ!訓練しない?ほら、能力を操るためにもさ」
おーいいなーと共感してくるいろは、蝋、權那。
「待て。本人の了承を得てからやれ。そういうのは」
オレの言葉を無視し、じゃあ、やろう。という方向に話が進んだ。
どうにかしなくては…
訓練は正直、ヤダ。面倒臭いし。
「あっ、そうだ!オレ、頭痛いから、訓練は今度ってことに「よーし訓練所いくぞー」
あーあ……最悪。
最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪!!!
やだよぅ…(泣)
もう半分引きずられる状態で連れて行かれる。
さっきオレが出した炎の蛇が肩に乗り、頬をつんつん突いてくる。
その行為は、まるでオレを慰めているように思えた。