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第4章: 超人へのシナリオ (2)――クローン個体に記憶を移し替える
4-1. 生体クローンと人格転送
シリコン体に抵抗を感じるなら、クローン人間を用意して、現在の身体が寿命や障害でダメになった際に記憶を移し替える手段もありうる。DNAを用いて自分の若い身体を培養し、デジタル化した脳情報を移植すれば、同じ遺伝子・同じ外見の“自分”が再起動するとも言える。これで事実上、不老不死に近い連続性を得られる可能性がある。
4-2. 倫理的問題とアイデンティティ
ただし、クローンに記憶をコピーしても、それが本当に同一の存在かは哲学的問題を引き起こす。またクローン生成自体が倫理的規制に抵触し、社会がどこまで許容するかは相当な論争を伴うだろう。しかし、ニーチェ的には既存道徳を破壊して新しい価値を生むことが“超人”の役割だ。となれば、クローン技術も従来の道徳を乗り越えて実行されるかもしれない。結果として、人類が生物的限界を飛び越え、“幼体”を脱して“成体”への階段を登るかもしれない。




