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第2章: 限界あるヒトの肉体:幼体としての証明
2-1. 老化と死の宿命
人間は通常、80〜100年ほどの寿命で、老化や病により身体機能を喪失していく。これは進化のなかで当たり前の仕組みと見なされてきた。しかし、「ヒト」を幼体とするなら、この脆弱さこそが未完成ゆえの姿だという主張も成り立つ。たとえば昆虫の蛹は完成形ではなく、成虫になって初めて自由に飛ぶことができる。同様に、いまの人類は“死”を避けられない幼生段階にとどまっているにすぎない、というわけである。
2-2. 肉体と精神のアンバランス
高度な文明や抽象思考を生み出した脳に対し、肉体の老化や損傷への耐性はあまりに弱い。もし真の成体(超人)へ進化すれば、精神の次元と身体の頑強さが一致する状態になるだろう。ニーチェの思想では、精神性と身体性が高レベルで統合される点が「超人」の特徴だが、現実の人類では身体面に深刻なリミットがある。




