1.全ての始まり
神は疑問を抱いていた。
どうして弱い立場にある人間がこの世の統治をしているのか、と。
人間というのは力で言う点でも劣っており、頭脳という点でも他の種族には劣っている。
ただ一つ…言うのならば手先が器用なことくらいだ。
神は思う、本来ならば竜がこの世を統治しているはずなのだと。
…人間は愚かだ。
人間は自分たちがこの世を統治するという感覚に酔いしれるためだけに他の種族を弱体化したようだ。
本当であれば世界の覇者で合ったはずの竜も弱ってしまっている。
神は嘆いた。
人間の欲は計り知れなかった。
神は悩んだ。
この世を本来あるべき姿に戻したかった。
神は手を伸ばす。
それを掴もうとして…一つの願いを息に乗せるのだ。
平等な世界を創りたい
自分の知っている世界に戻りたい
自分の仲間に会いたい
神の願いは側近が呼応する。
最後の願いだけを除いて世界は再構築されていく。
汚らしい世界は美しい世界に
腐る性根の人々は聖人へと変わっていく。
神は眠りにつく
世界が良きものになった頃に目を覚ますのだ。
_____「世界誕生神話」より
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冬がまだ終わり切らない早朝の朝
凍るような空気を割いて走る人物…否1匹の猫が居た。猫はその黒い毛並みを靡かせながら颯爽と走り去っていく。おかしなところがあるとすれば…尾が二つに割れている点だろう。そしてただの猫の走りとは速度が違い下がるところ。
猫は走って走って…ようやくその足にブレーキをかけた。そして白い壁の清潔感のある建物の中に入っていくのだ。
その建物には1人の中性的な人物が飾られていた。
「おはよう、神父様!10になったから…祝福を授かりにきました。」




