表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/15

- 2 - ニュース

―――――――




"人を苦しめるのは神じゃない。


人間だ


君から大事なものを奪ったのは


神なんかじゃない。



まるで神になったが如く


振る舞う人間たちによって奪われたんだ。



ままならない時


助けてくれない神を呪いたくなる




"力があるなら


正しく生きてきたから


ずっと信じて祈ってきたんだ


助けてくれ!"



誰だって


一度はつらい時に


思ったことがあるんじゃないかな?



でも、いくら祈ったって



神は助けてくれず



大事なものは奪われ


蹂躙され


2度と戻らない。



怒りを



理不尽を



どこにぶつけていいか


わからなくなるけど


間違えちゃダメだ



神は争えって言った?


憎しみ合え


殺し合えって



それを君たちに


"立場ある人間の口を介さずに"


神が伝えた?



考えて


誰が


何が


本当の原因だったか。




これ以上、奪われない様に


惑わされないで



そうだ。


一つ、僕が好きな話を教えるよ


子どもの頃に読んだ


古い物語の本に書いてあったんだ。



"良い祈りは良い神の御許へ 


 悪い祈りは悪い神の御許へ


だから


貴方がどの神に祈ったとしても


良い願いは私の元へ届く。



ただ


私が行うように


導いたことではない事柄に



私が


一つの意見だけを尊重して


通すことは残念ながらない。



不思議に思うかい?


利己的ではない


良い願いが届いたとしても


貴方と


対立している人達の中にも


『心優しき正しい者』がいる事はある。



理不尽で悲しいことさ



私の涙はいつも止まらない


皆、願うのは助けや救いばかり


幸せな気持ちが届くことは少なく



憎しみや怒りで悪い神の力は増し


より多くの悲劇が起きる。



いつ終わるのかも


わかりもしない


苦しみに暮れる



愛しい子らの姿を


見続ける苦行に


私も疲れ果てている。



私を恨むなとは言わない


それで


心の平穏を保てるのであれば



ただ、苦しみや恨みに飲まれず



あなたが祈る原因は


どこから来たのか考えて欲しい。



悪い神と呼ばれる者たちは


君たちの言葉で


別の名で何と呼ばれる者なのかも



そして


できればささやかな幸せがあったら



私に教えて欲しい


喜びや幸せは私の力になる


ああ


せめて多くの愛しい子達が


今日を


憂なく過ごすことを


私は祈ることにするよ"




いい話だと思わないかい?



そうだね。


僕も君が少し楽になる事を祈るよ



考えすぎると


怒りや理不尽で


吐きそうにならないかい?



少し眠るといい


目が覚めたら


また動けばいいのだから"


―――――――





本日のトップニュースです。


国立 叡智の湖研究 R.V.チームは、

数世紀前に謎の失踪を遂げ、

10年前に発見された

古代魔法帝国の研究施設の

記録と思われる一部を

復元したと発表しました。


失われた言語で

書かれたこれらの文書は


大戦中に多くの記憶の湖と

共に消滅した魔道王国にまつわるものです。


他の研究チームによる復元は

未だに進展が見られなかったため


国立 叡智の湖

研究 R.V.チームによる


この画期的な成果は、

世界中の政府や研究者に衝撃を与えました。


専門家は

これらの記録の完全な復元には

時間がかかると予測していますが


復元に成功したとしても

大戦前の天然の記憶の湖を

再現することは

できないかもしれないという憶測もあります。


しかしながら

人工の記憶の湖を作れる可能性は

研究者の間で希望の光となっています。


大統領も

この進歩に大きな期待を寄せ

応援メッセージを発表しています。


また、

今後、解読チームを

結成することも発表されています。


復元された内容の一部は

公開されるため


解読チームへの応募は

国立 叡智の湖研究で

個人認証された魔道具を

お持ちの方のみ受け付けます。



どのようなチームになるのか楽しみですね。




では、次の話へ…



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ