表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/50

50.人生という冒険は続く

【作者からのお願い】


読者の皆様、ご愛読ありがとうございます!

これにて本編は『完結』です!


短期集中連載でしたが、楽しんで頂けたでしょうか?

少しでも面白い、まだ見たかったっという方がいるなら、至上の喜びでございます。

最後になりますので、ぜひとも評価を頂ければ幸いです。


ページ下部の☆☆☆☆☆⇒★★★★★にして頂けると、作者が泣いて喜びます!!


本編は完結ですが、番外編などは投稿するかもしれません。

ですのでお邪魔でなければ、ブックマークもしたままにしておくと便利かもしれません!


それでは皆様、またお会いしましょう!


 後日談。

 俺たちは無事、ギルドホームのある街へと帰還した。


「お帰りなさいませ。大変な旅でしたね」

「そうですね。中々大変でした。でも、得られるものも多かったですよ」

「そのようですね」


 冒険者組合の応接室で、俺はディレンさんと語り合う。

 旅の報告ともう一つ、新しいメンバーの紹介を兼ねて。


「このお茶美味いな! おかわり!」

「エレンちゃん! もっとお行儀よくしなきゃダメだよぉ」

「はははっ、元気のいい子たちですね。昔にあなた方に似ていますよ」

「かもしれないですね」


 二人は正式に、俺たちのギルドに加入することが決まった。

 将来性は高い。

 今はまだ弱いけど、これからの成長に期待できる。

 一緒に旅をして、彼女たちがどういう人間かも多少は理解できた。

 正義感が強く、心優しく、仲間想い。

 俺たちと共に戦ううえで、必要な要素はしっかり押さえている。

 残るは彼女たち自身の意思だったが、そこは確認するまでもなかった。


「エレンさん、エリンさん、お二人はどうして、彼のギルドに入ったのですか?」

「そんなの決まってるじゃん! おっちゃんが一番凄いから!」

「ライカさんが一緒にいると、ゆ、勇気が湧くんです」

「そうですか。実にいいことですね」


 ディレンさんは俺を見て優しく微笑みかける。

 なんだか気恥ずかしい。


「これからもよろしくな! おっちゃん!」

「頑張りますから、いっぱい、いろいろなことを教えてください」

「……ああ」


 新しい仲間は若く、素直で、笑顔がとても眩しかった。


  ◇◇◇


 ギルドホームに帰還すると、賑やかな空気が漂ってきた。

 俺の帰還にいち早く気づいたのはアナリスだ。


「あ! やっと戻ってきた! 遅いよライカ!」

「悪い。ちょっと話が弾んで」

「もう準備出来てるぜ。ほら、主役二人ともこっちこい」

「やったー!」

「あ、ありがとうございます」


 今夜は宴だ。

 エレンとエリン、二人のギルド正式加入のお祝い。

 そして無事、グラーノを討伐したことへの。

 グラーノ討伐によって、俺たちはS級冒険者になることがほぼ決まった。

 後日に面談はあるが、ディレンさんからは確実だと言われている。

 ついでに冒険者になったばかりのエレンとエリンも、一気にC級まで等級が上がった。


「めでたいことは一気に起こるもんだな!」

「そうね。グラーノが生きてたことには驚いたけど、なんとかなってよかったわ」

「ライカー、褒めてー」

「はいはい。プラトもよく頑張りました」


 旅先では中々緊張して、危険も多いから気が抜けない。

 ホームだからこそ騒いだりもできる。

 賑やかな空気を楽しみながら、ふとアナリスと目が合った。

 俺たちは示し合わせるように、すっと宴の部屋を抜け出す。


「ねぇライカ、黙ってたこと……怒ってる?」

「いいや、怒ってない」

「本当に?」

「ああ、少しだけな」

「う……ごめんなさい」


 彼女が今も尚、魔王と戦い続けていること。

 魔王の呪いの正体について、俺たちはグラーノとの戦い後に知った。

 ただの呪いではないと思っていたが、まさか魔王の魂を抑え込んでいる状態だったとは……。


「十年かかるわけだ」

「うん……」


 魔王の魂は彼女の肉体を奪おうと画策している。

 もしも彼女の肉体が奪われれば、人類は再び絶望の淵に立たされるだろう。

 そうならないために、彼女は一人で戦い続ける。

 この先も……。


「死ぬまで、か」

「仕方ないよ。それしかなかったんだから」

「……なら今度は、魔王の魂を倒す方法を探さないとな」

「え……」

「だってそうだろ? これは俺たちの戦いだ。アナリス一人で戦わせない」

「――! うん」


 彼女の瞳が涙で潤む。

 弱さを見せない彼女には珍しい。


「ねぇ、ライカ。この先もずっと……一緒にいられるのかな?」

「当たり前だろ。俺たちは仲間なんだ」

「……それだけじゃ、不安なんだ」

「アナリス?」


 彼女は突然、俺の胸に抱き着いてくる。

 咄嗟に受け止めて、彼女を見下ろす。


「グラーノに捕まった時、怖くて……泣きそうになって……そんな時、ライカの顔が浮かんだんだ」

「俺の?」

「私……ライカ! 子供を作るなら、ライカの子供がいい!」

「は……え?」


 突然のことで困惑する。

 一体何の話をしているのかと、動揺する。


「きゅ、急にどうしたんだ?」

「わからないよ。自分でもこんな気持ち初めてで……でも、ライカがいいって思った。私、ライカのことが一番好き」

「――!」

「ねぇ、ライカ……嫌?」


 上目使いで俺を見る。

 心臓の鼓動が互いに交換できる距離。

 熱が、息が伝わる。

 アナリスが俺のことを好きだといってくれた。

 こんなおっさんのことを、本気で……。


「俺は――」

「あ、おい押すなって!」

「――! え」

「ク、クーラン? みんなも!」


 いつから盗み聞きしていたのか。

 みんながクーランを下敷きにして現れた。


「ずるいよアナリス姉ちゃん自分だけ! あたしだっておっちゃん好きだからな! 好き同士なら子供って作れるのか?」

「わ、私も……その……できれば……」

「お前らいつから聞いて……」


 アナリスが顔を真っ赤にする。

 こんな顔、初めて見る。

 勇者ではない人間の女の子としての反応に、思わず笑みがこぼれた。


「ボクもほしいなー。あーでも、みんなの子供も見てみたいかな~。そしたらこの先も寂しくないしねー」

「プラトが一番長生きだかんな」

「そうだよー。だから二人も頑張ってね」

「は!?」

「な、なんであたしがこいつなんかと! こ、子供作らなきゃいけないのよ!」


 クーランとシスティーがわかりやすく反応する。

 するとプラトはぽけーとしながら。


「えぇー、別にボク、二人の子供なんて言ってないけどー」

「「――!?」」

「そっかー、頑張ってね~」


 嵌められた、という顔をする二人。

 アナリスみたいに顔を赤くしている。

 

「ったく」


 賑やかな日だ。

 こんな日が続くように……俺たちは命をかけて戦ったんだな。


「楽しいね! ライカ」

「ああ」


 楽しいよ。

 みんなが一緒にいるから、生きることが楽しいんだ。

 この先もそう思えるように。

 ギルドというなの居場所を、俺は守っていきたいと思った。


 さて、次の相手は誰かな?

 それとも、新しい仲間と出会うかな?


 人生という名の冒険は、まだ始まったばかりだ。

【作者からのお願い】

新作投稿しました!


タイトルは――


『通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~』


ページ下部にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!

リンクから飛べない場合は、以下のアドレスをコピーしてください。


https://ncode.syosetu.com/n9843iq/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新連載開始!! URLをクリックすると見られます!

『通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~』

https://ncode.syosetu.com/n9843iq/

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

第一巻1/10発売!!
https://d2l33iqw5tfm1m.cloudfront.net/book_image/97845752462850000000/ISBN978-4-575-24628-5-main02.jpg?w=1000

【㊗】大物YouTuber二名とコラボした新作ラブコメ12/1発売!

詳細は画像をクリック!
https://d2l33iqw5tfm1m.cloudfront.net/book_image/97845752462850000000/ISBN978-4-575-24628-5-main02.jpg?w=1000
― 新着の感想 ―
面白かったです! 短期集中でだらけもなく 中身ぎっしりで大満足です! 素敵な作品ありがとうございます♡
[良い点] きれいなストーリー。ラストも爽やか。とてもすてきな物語でした。 作者様に感謝を!
[一言] 完結お疲れ様です! テンポが良くてサクサク読めました。ストーリーも分かりやすくて面白かったです!番外編期待してます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ