執筆研究ノート2
・今回のお題『味わうための小説を読ませるには』
これは、僕が今年のテーマに上げている「川端康成」の小説を読破するためには、読者の「忍耐力」が必要に感じたため、そういった「何を読ませるのか分かりズラい小説」「つまり、分かりにく小説」がどうやったら、読者を獲得してゆくのかを考えます。
1.「易しい」小説とは?
・ハリウッド的な盛り上がりがある。「起承転結」を読者に伝わりやすい構造にしている。作者の良心的な措置あるもの。
・「引き込みやすい」それは単純な装置だが、「性的な要素」「時流に沿った展開の要素」「噛み砕きやすい内容(構造がシンプルで要約可能)」「善悪説で両極を判別しやすい構造」
・「ひらがなや、易しい漢字が多い」「改行を駆使して、目を疲れさせない構造」「一文が長過ぎない」
・「キャラクターの名前が覚えやすい」「小説内の環境設定が複雑でない」「登場人物が多過ぎない」
2.「小難しい」小説とは?
・「漢字」が多い。「これは大正時代の小説か?」と思われるような読者自身で「息継ぎのポイント」を切りながら読まなければならないもの。
・「設定がややこしい」。未来と過去と現在と「行ったり来たり」が複雑に絡まり過ぎている(あ、僕の小説も…)。「一般的にはあまり取り扱われない時代設定の内容」だと親しみや読む免疫がついてない為、取っ付きにくい。
・「高度な専門的内容で盛り上がってゆく内容」これは論文なのでは?と疑ってしまうもの。哲学者が小説を書くとそうなることが多い。
・そもそも多くの人に読んでもらうおうと考えてないので、実験的な改行や言い回し、詩的な表現で溢れた作品。
・文壇の大御所のような「読者よ、ココまで登ってこい」という構えの書き方。修業。
・スピリチュアル的な要素で溢れた作品。宇宙的な考え方を読者に求められている(あ、僕の小説も…)。
3.「中間的」小説とは?
・シンプルな構造の中に、考えさせる要素をバランスよく配置している。作者の巧みな技(これが出来る作家がすごいのだと思う)。
・「社会的な問題」を、よくある物語の中に「落とし込んで見せる」。喜劇的なものに作り変えたりもする。
・「玄人」にも「素人」にも評価されるもの。読者層が限定的でないもののこと。
4.どのような工夫で、両極(易しい~難しい)の間のどこかに着地させるかを考えるために
・読者を「どう呼吸させるか」を考えながら書く。導入部から何か異質な雰囲気を醸し出して息を止めるのか?平易な文章で入って、設定を最初に伝えるのか?「陽」か「陰」か、どちらの要素が、その小説にあるのかをはっきりと読者に伝える工夫。
「恋した瞬間、世界が終わる」という小説を連載しております。
一応、色々と実験的な要素を絡めながら、作品を作ってます。
それが、世の中に評価されるものかは分かりません。
ただ、「作者自身が書く楽しみがある小説」であることは間違いないと思ってます。
好きなのですから。