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転生勇者、少女になる  作者: はづき
序章
1/14

プロローグ

初投稿です。よろしくお願いいたします。


「終わりだ、魔王!」

相対している魔王は満身創痍になっていた。

既に2本あった角も折れ、力尽きかけている。

「見事な力だ…しかし、まだ終われん!!」

魔王が咆哮し、最後の力を振り絞る。


「あああああ!!!」

魔王と対峙していた男性も最後の力を出し、魔王の体に剣を突き刺した。


「ぐっ…ふ、ふ、ふ…。ユリウス、今回は貴様に勝ちを譲ろう…。

しかし、我は復活して次は必ず貴様を見つけて八つ裂きにしてやる!!」

魔王の体と聖剣が白く輝き出すと光の中へ消えていき、

神器である聖剣と共に消滅した。




「ははは…ちょっと無茶しすぎたな…。」

ユリウスは魔王との戦いで負った傷から血が止めどなく溢れ、

もう手遅れだと自己認識する。

これまで共に戦った仲間達も退避させたため、

回復も間に合う事はない。


「でも、これで…俺の役目も、終わっ…た…。」

仰向けに倒れた彼は、これまでの出来事を思い返していた。

魔王に脅かされた人々の為、ユリウスと呼ばれる青年は仲間達と共に

身を削るように戦ってきた。


(俺の人生にも意味が出来たかな…。)


主を失った事で魔王城が崩壊していく。

城内にいたユリウスは眠るように目を閉じ、魔王城とともに瓦礫の中へと消えていった。







「----」



目を開けると、酷くぼやけて見えた。

しばらくすると、段々と目が慣れてきて、

周囲を見ると豪華な装飾で彩られた見慣れない部屋にいた。


ここはどこだ?

あの状況で俺は助かったのか?

…ダメだ、頭が回らない。


すると、空腹感が襲ってきた。

「あうあー」

(なんだ!?)

自分の声とは思えない声が出た。

うまく話す事が出来ない。


「あらあら。」

横から女性の声が聞こえてきたので目をやると、

お供を連れた黒髪の綺麗な若い女性がいた。


「イリーナ、ミルクの時間よ。」

そう話しかけてきた女性に、突然体を持ち上げられた。

(ばかな!?俺を持ち上げた!?)


自分の体をよく見ると、明らかに体格が小さくなっていた。


(な、なんだこれは?赤ん坊になっているのか!?)


「たくさん飲むのよ。」

「あぶぁ!?」

胸を押し付けられていた。


「…?イリーナ?お腹が空いていないの?」


「ぐ…」

何故赤ん坊になっているのかわからないが、

空腹で体が悲鳴をあげており飲まないと栄養が採れない。

そうして俺は羞恥心と戦いながら、授乳を受け入れた。



「げぷっ」

状況を考えるに、この女性は母親なのだろうか。

母親(仮)が赤子用のベッドに俺を戻して服装を正す。

「おやすみなさいませ、姫様。」

侍女と思わしき女性がそう告げてドアを閉め、

母親(仮)と出て行った。


人の気配が無くなったので再び目を開け、周囲を観察する。

部屋の大きさや豪華さを見るに、どうやらお金持ちか貴族の家のようだ。


移動を試みたが、やはりうまく立ち上がれなかった。

しばらくはこのままでいるしかない。

(…ん?)

そういえば、先程俺の事を姫と言っていなかったか?

(姫と言うことは、、、俺は女の子なのか!!?)


衝撃の事実に気が付き、しばらく放心してしまい、我に返ると

侍女らしき女性に下半身を拭かれていた。

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