61 1日目、中間報告
「みなさま!それでは露店祭、一日目の売り上げランキングトップ3までを発表いたします!」
大会委員会のその声にそれまで騒がしかった商人たちが一斉に静まる。みな自分たちの商会が名前を呼ばれるのを今か、今かと静かに待っている。中には手を合わせて祈っている商人までいるようだ。
「それでは第3位!カルポス商会!この露店では数多くの新鮮な甘くておいしい果物を販売していました!果物も食べやすい一口サイズにカットされており食べやすいと非常に人気でした!」
恐らくカルポス商会の人間だろう、カルポス商会の名前が呼ばれた瞬間、遠くから喜びの声が聞こえてきた。
「さぁ、続いて第2位です!第2位の売り上げをたたき出した商会はクレハ商会!この商会は竜田揚げと呼ばれる見たこともないような食べ物を売っていました!私も食べてみましたが、まさに至高の一品です!」
自分たちの商会の名前が呼ばれルークとクレハは手を合わせて喜ぶ。
「やりましたねオーナー!2位ですよ。きっとオーナーがたくさんお客さんを呼んでくれたおかげです!」
「いいえルーク、これは二人の成果ですよ!やりましたね!」
二人が喜んでいるのを大会委員は気にせず本日の売り上げ第1位を発表する。
「さぁ、露店祭1日目で最も売り上げが多かった商会はーー、ノイマン商会だーー!やはりここでノイマン商会!さすがの知名度だ。言わずと知れたノイマン商会はやはり住人たちからの注目も熱い!さぁ、これで本日の露店祭は終了だー、みんな明日は今日よりも売り上げがあがることを祈っているぞ!」
本日の売り上げの結果が発表され、用事が終わった商人たちは明日の準備のために自らの露店に帰っていく。クレハは一日目の結果はノイマンに抜かれてしまったが、ノイマンを称賛する。
「ノイマンさん1位おめでとうございます!ですが明日の総合で優勝するのは私たちです!絶対に負けませんよ!」
「そうですよ、今日は初めのころにお客さんが来てくれなかったから負けましたけど、きっと明日は朝からお客さんが来てくれますから勝つのは僕とオーナーです!」
クレハに続き、ルークも明日こそは負けないとノイマンに告げる。
「明日も1位になるのは我々ノイマン商会です。商会の名に懸けて負けるわけにはいきませんからね。それではお二人とも、私は明日の準備がありますのでこれで失礼します」
ノイマンが帰っていったため、クレハとルークも明日の準備のために自らの露店へと戻っていく。しかし、3人は彼らのことを鬼のような形相でにらみつけていた人物のことを知る由もなかった。
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