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59 露店祭1日目

「それでは皆様!露店祭一日目、開催です!」


大会委員会によって露店祭の開会宣言が行われた。年に一度の祭りということで住人達は活気に満ちている。一人で露店を楽しむのものいれば子供を連れ、家族で祭りを楽しむものと様々だ。


大通りからは賑やかな声が聞こえてくるものの、クレハたちの元には一向に客が訪れる気配がない。クレハたちがいるのは大通りから外れているため、どうしても客が訪れにくいのだ。


「オーナー、お客さん来ないですね。食べてさえもらえば絶対に人気になる商品なんですけど」


「そうですね。どれだけ美味しくても知らなければ誰も買ってくれないですしね」


クレハ達は客が一向に訪れないため、途方に暮れていた。しかしそんな中、クレハは客が店を訪れないのであれば自分から向かえばよいと考える。それは、クレハの前世でも行われており、商品を持ち運びながら直接売り込みをする方法だ。


「ルーク、私は今からいくつか商品をもってお客様に無料で配ってきますわ。お金を要求すれば敷居は高くなってしまいますが、タダであればきっと皆さん試しに食べてくれます。そうなったらあとはこっちのものです!この場所をお客様に教えるのでルークはやって来たお客様に商品をお売りしてください」


「それはいい考えです!確かにタダで食べられるなら試してみようとなります。それにこの美味しさですから一口食べればきっとお客さんも竜田揚げを買いに来てくれますよ」


クレハは早速、いくつか商品を箱に入れ大通りへと商品を売りに向かう。





「皆様、クレハ商会から無料の試食でーす!竜田揚げと言います。よろしかったら食べて行かれませんか?クレハ商会から竜田揚げでーす」


クレハは早速、大通りに出て竜田揚げの試食を開始した。初めは誰も近づいてこなかったが試食が無料と聞くと数人であるがクレハの元へとやってきた。


「ねえ、それ本当にタダでくれるのかい?」


クレハの元に母親だろうか子ずれの女性がやってきた。


「ええ、もちろんです。こちらは無料ですので是非食べてみてください。君も食べてみて、とっても美味しいよ」


クレハは母親とその子供に竜田揚げを渡す。二人は早速、一かじりするとカリッとした触感やジューシーなおいしさに目を見開く。


「美味しい!お姉ちゃん、これとっても美味しいよ。ねえ、ママこれもっと欲しいよ。買って、買って!」


「ほんとこれ美味しいわ。ねぇ、あなたこれ、いったいどこで買えるのかしら。ぜひ買わせていただくわ!」


「ありがとうございます。これは大通りから少し外れたところに開いている露店で買えます。クレハ商会の竜田揚げと言いますので、そちらでお買い上げいただけます!」


竜田揚げを食べていた二人の様子を見ていた住人たちが試すだけならと徐々にクレハに竜田揚げの試食を申し出る。


「すまん、俺も一個くれないか」


「あたしも一個ちょうだいよ!」


竜田揚げの試食をした住人たちは皆、クレハにこの商品がどこで購入できるのかを尋ね、露店へと向かっていく。クレハの試食作戦は大成功だったのだ。


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