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自分から追放された元貴族令嬢ですが許せないので見返します  作者: 創造執筆者
十三章 王立学園
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348 香水

さて、ここでホルイン家に関して説明をしておこう。ホルイン家とは古くからコーカリアス王国にて伯爵家を務めており、この家の基本的な収入源は香水による売り上げだ。


ホルイン家の香水と言えば貴族界隈ではかなり有名なもので、実質、独占的に商売を行っているような現状と言っても過言ではないだろう。社交界ではホルイン家の香水をつけることこそがステータスと言われているほどだ。


もちろん、コーカリアス王国のホルイン家の香水は他国まで知れ渡っているもので、その需要は国外にまで及ぶものだ。


そんなホルイン家に喧嘩を売るとなればクレハがとることができるのは現段階で彼らが売っている香水の危険性を見出すか、優れたものを開発し、売りに出すかのどちらかであった。


当然、ホルイン家の香水をつけることがステータスとまで言われているこの現状で危険性を見出し、訴えたところでその効果など知れている。だからこそ、クレハは急ぎ、自分達でも優れた香水を開発する必要があったのだ。


とは言っても、クレハは現在、学園にて授業を行っている身であまり暇でもない。だからこそ、今回はルークを呼び寄せて、彼中心に動いてもらおうと考えていたのだ。


「というわけで、香水を新しく作りましょう!」


「何がというわけなんですか、急にそんなことを言われてもよく分かりませんよ。もっと詳しく話して下さい。」


開口一番にクレハに香水を作ると言われ、全く理解していないルークがクレハから事の経緯を伺うとため息をつきながら頭を抱えるのだった。


「はぁ、どうしてこうも毎回そうなっちゃうんですか。運が悪いのか、オーナーが悪いのか・・・。それに、今は僕もいたから仕事が回っていますけど、僕が香水を作ろうとすれば間違いなく、人手が足りなくなりますよ。」


「まぁ、ドルクスさんなら何とかやってくれるでしょう。今度、髪にやさしい成分が入った香水でもプレゼントしてあげれば問題ないです。あと、彼に秘書でも雇ってあげましょうか・・・。」


クレハはドルクスが忙しく仕事に追われる様子を想像するも、その現実に一旦、目を背けておくのだった。


「さて、領内での仕事はとりあえずドルクスさんに任せておくとして、早急に香水の開発を行わなければなりません。」


「理由は分かりましたけど、香水って簡単に作れるものなんですか?僕イマイチ知らないんですけど・・・。」


「確かに、多少の試行錯誤はいりますが、何とかなると思います。まずは、ポティリ男爵とノイマンさんに話をつけてきてくれますか。」


「ん?どうしてその二人なんですか?」


「ノイマンさんはお酒を扱っていますから酒造元と連携をとれば香水に必要な材料の一つを確保できます。アルコール成分は香水を作るうえで大切ですからね。


それと、ポティリ男爵はガラス職人でしたから香水の瓶を依頼しましょう。私が目指す香水は様々な種類の香りを楽しめるようにしたいのでガラス瓶もおしゃれに、様々な種類のものを用意してもらいたいですね。」


ブランドとしても確立されているホルイン家の香水、確かに質は良いのかもしれないがあまりにも高いのだ。これは、彼らが扱う香りがバラの香りのみで一本の香水を作るのに何万本ものバラの花が必要であるからだ。


クレハはこの点がホルイン家の香水に打ち勝つポイントだと考えていた。クレハが目指すのは様々な香りを楽しむことができる香水で可能な限り、市民にも親しみやすいものを作りたいと考えていたのだ。貴族にしか商売を行わないなど、もはや商人としては古い考えなのだ。


「香水の香りに必要な花や果実に関しては好きに買ってください。お金に糸目はつけません、しいて言うのであれば柑橘系の果実などは万人受けすると思います。」


「分かりました、色々試してみますけど簡単に成功するとは思わないでくださいよ。僕、全然香水なんて分からないんですから。」


「もちろんです、苦労を掛けますがお願いしますね。一応この紙に私が覚えている限りの香水の作り方を書いていますからこれを元に作ってみてください。」


「えっ、何でオーナーは香水の作り方も知っているんですか?」


「まぁ良いじゃないですか、完成したらすぐに教えてくださいね。確かに、打倒ホルイン家の為に香水は作りますけど、私も使ってみたいので。」


こうして、クレハが突然考えた香水の開発はなんと、ルークに託されたのであった。


よろしければブックマーク登録や↓にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ大変うれしく思います。


また、作者は他の作品も投稿していますので興味がある方はそちらもお願いいたします。


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