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33 諸国会議・1日目

ここはコーカリアス王国の王城。今日は諸国会議が行われる初日だ。諸国会議は全部で2日間行われ、この会議では主に国家間の貿易に関する会議が行われる。


大国は近隣諸国に高い金額で品物を売りたいが小さな国の近隣諸国は大国から買うだけでは赤字がどんどん膨らんでいくため大国から物を買うよりも売るための約束を取り付けたいと考えていた。


しかしながら、貿易とはどちらかが得をすればどちらかが損をする。そのため、特定の国には不満が募っていくのだ。



その中でもアルタル王国の国王は激怒していた。アルタル王国では主だった産業がなく食料しか輸出するのもがなかった。そのため、アルタル王国の人口は多いものの貧しい国であった。アルタル王はここで他国に自国の商品を売りつけなければ贅の限りを尽くした自らの生活が無くなってしまうからだ。


「おい、なぜ我が国の作物を買わない。これでは我が国の貿易赤字のみが続くではないか!」


しかし彼の言葉を聞き入れる者はいない。確かにアルタル王国では食料は輸出するほど余ってはいるが質が高くない。そのため、この国から主に食料を買っていたのは金鉱が主要産業のマタス公国くらいだった。他国も購入はしているもののそこまで必要とはしていなかった。


だが最近ではマタス公国も金鉱以外の産業を始めており食料を輸入する必要はなくなっていた。そのため今年の諸国会議ではアルタル王国から食料を買う必要がなくなっていたのだ。


アルタル王はどの国も自国の商品を買わないと知り、このままでは自分の生活すらも脅かされると考え、とんでもないことを発言してしまった。その言葉は各国の重鎮たちが集まる中では決して述べてはいけない言葉だった。


「ここで買わないのなら戦争だ!それでもいいのか!」


アルタル王は子供のように騒ぎ立て簡単に戦争という言葉を発する。その言葉を聞いた各国の重鎮たちは事の重大さに顔をしかめる。そのため、この会議の司会であるコーカリアス王国の国王はアルタル王国の国王に最後通告をする。


「アルタル国王、その言葉を口にするということは、どういうことかわかっているのかな」


「そんなことは承知だ!もういい!」


彼は諸国会議の途中であるというのにそのまま帰ってしまった。しかし、アルタル王国の国王と共に去っていったアルタル国宰相の顔には国王と違いうっすらと笑みを浮かべていたのだ。


だが、その笑みに気づく者は誰もいなかった。この時の出来事が後に問題になるかもしれないということに気づかずに。


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