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309 大暴動

クレハから独り言という名の暴露を受けた院長の動揺はすさまじかった。


「お、おま、何を言っているんだ、そんなわけがないだろうが。言いがかりも大概にしろ!」


「えぇ~?ですから言っているじゃないですか、ただの独り言なんですから忘れてくださいって。そこまで頑なに否定していると逆に怪しいですよ。ほら、周囲で見ている人たちも今はあなたのことが怪しくて仕方がないと言ったような表情で見ているじゃないですか。」


クレハの指摘を受け、院長が周囲に目を向けると周囲では今までの成り行きを見守ってきていた者たちがザワザワとしていた。


「今のみたか、あれは完全に黒だな。しかも、先ほどまでの推測は的を得ている、そう言われてしまえばそうとしか思えないような現状だ。どう考えても事が治療院に有利に働きすぎているぞ。」


「だよな、しかも証人もいるんだろう。つまりは証拠もあると言うことじゃないか、そうなればいずれ嘘かどうかはハッキリとするんだからここでしょうもない嘘をつく必要もないだろう。となるとあの院長が諸悪の根源で決まりだな。」


流石の院長も周囲が自分のことを完全に疑っていることを理解したのだろう。彼は周囲の人間たちに誤解だと訴えるもそれを信じるものはここには誰一人としていなかった。むしろ、彼の焦ったような表情がさらに事態を悪くしているようにも見えるほどだ。


「ち、違う!これは嘘だ、全部こいつのでたらめだ。おい、聞いているのか、こいつが言っていることはデタラメだと言っているんだ!」


「落ち着いてくださいよ、先ほどから言っているじゃないですか、これは独り言だと。まぁ、私の場合は証拠付きの独り言ですけどね。いつだっておっしゃってくださいね、証拠が欲しいのであればいつでも用意しますから。


それでは、今日の所は失礼します。ここはこれから忙しくなりそうですから私からだまし取ったお金は後日回収させていただきますね。」


クレハが突然院長に話しかけてきたかと思えば彼女は帰ると言い出したのだ。先ほどまでは金を返せと言い張っていた彼女が帰ると言ったことに院長は不信感しか抱けなかったため、その理由を問うたのだ。


「いったい何のことだ。確かに今は忙しいがそれは元々だ。これから忙しくなんかならないぞ。」


「何言っているんですか、周囲を見渡してみてくださいよ。あなた達にお金をだまし取られてきた人たちがあなたを睨みつけているじゃないですか。その人たちに詳細な説明と謝罪、返金があなたにはまっているのですから忙しくなるに決まっているじゃないですか。」


クレハの言葉に思わず周囲を見渡した院長だったが思わず悲鳴を上げてしまう。なぜなら、周囲の人間たちは皆、強烈な殺気を放ちながら院長のことを睨みつけていたのだ。


今まで高い金を払わせられていたというのに、それがすべて騙されていた可能性があるというのだ。そんなことをされていたと知った彼らが院長を許すはずもなく、クレハが治療院を立ち去るとともに大暴動が院内で起こるのだった。


よろしければブックマーク登録や↓にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ大変うれしく思います。


また、作者は他の作品も投稿していますので興味がある方はそちらもお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 決定的な証拠ではないが、証人が出ている事はわかっている事。 いくら自己弁護した所で、受け取ってくれる人はいない訳で・・・。 まぁ、それもこれも、全部クレハの独り言が原因なわけで・・・。 …
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