29 クレハ商会の増設
クレハ商会にはここ最近、たくさんの大工たちが訪れていた。彼らの目的は仕事のためだ、彼らはクレハ商会の増設を行っていた。
ここ最近の商業組合の騒動で出て行った商会がクレハ商会の隣にあったのでその店をクレハが買い取ったのだ。その店をリフォームして、商会の物件として活用するためである。
クレハには新たな物件をどのように使うのか目的があるみたいだが、ルークにはそれが分からなかった。そのためルークはクレハに尋ねる。
「オーナーどうしてこの物件を買い取ったのですか?今の商会の規模でも十分販売できると思うのですが」
「この前、ノイマン商会のノイマンさんに会いましてね、彼の所も例の政令のせいで影響を受けていたらしいのですが王妃様のおかげでようやく自由に商売できることになりましてね、それで王妃様が事態を知ることになった原因である私に感謝をしたいという話になったんですよ。それでその時にクレハ商会の従業員規模を増やしたいことをノイマンさんに相談したんですよ。最近忙しすぎますからね。人手は全然足りませんよ」
「確かに、最近忙しかったですからね。従業員を増やす案は賛成です。でも、それとノイマンさんはどう関係あるんですか?」
「ノイマン商会は人材の斡旋も行っているんですよ。ですので、信用のある新しい従業員を紹介してもらったんですよ。ノイマンさんの紹介なら心配ないですしね。それで話は戻りますが今回新しく物件を購入したのは宿の経営に力を入れるためです」
「確かにここは貿易都市で人の出入りもありますからね、それにもうすぐ諸国会議も開催されますから宿の需要はいくらでもありますよ」
そう、クレハは商会の新たな商機として宿の経営を行うことに決めていた。その宿にノイマンから紹介された従業員たちをスタッフにして経営を考えていたのだ。
「ええ、もちろん需要があるのも要因ですが、私に少し考えがあります。ですのできっと人気の宿屋になりますよ。お店の名前はクレハの宿です」
「いい名前ですね、それにオーナーはいつも斬新な商品を出して、街の人たちからも一目置かれていますからね。きっとものすごい宿屋になるんでしょうね」
ルークはクレハが考えている斬新な宿屋のアイデアが気になり、クレハに尋ねる
「オーナー、それでいったいどんなアイデアなんですか?すごく気になっちゃいます」
「ふふっ、ルークそれは秘密です」
「そんなー、ねぇオーナー教えてくれてもいいじゃないですか」
「秘密って言ったら秘密です」
今日もクレハ商会は二人の笑顔で溢れていた。
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