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自分から追放された元貴族令嬢ですが許せないので見返します  作者: 創造執筆者
九章 リーシア教
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248 倍プッシュ?

「はて?話が違うとはいったい何のことでしょうか?」


クレハが何を言っているのか分からないというようなとぼけた顔をしているとマグナ大司教が顔を真っ赤にして叫び始める。


「貴様、言ったではないか!我々と和解をすると、それなのにあの看板は何だ!貴様のせいで私は教皇様から半分教団を追放されているようなものなのだぞ。」


「それはおかしな話ですね、私はあなた方と和解したつもりはなかったのですが。あなたは和解しているつもりだったんですか?」


マグナ大司教はクレハが和解したものと思っていたため、約束を反故にしたと怒りに震えていたがクレハは何を言っているか分からないというような顔をしていた。


そんなクレハの発言を聞き、先ほどまでは怒りの感情しかなかったマグナ大司教に初めて、困惑の表情が浮かび上がったのだ。


「な、何を言っている。あの時、言っていたではないか、許し合える心が大切だと分かったと。」


「はい、確かにそう言いましたよ。」


「それならばなぜ、あのような看板を立てたのだ。」


「ですから、許し合える心が大切ということは分かりましたよ。それは大切なことです。でも、私があなた達を許すかどうかは別の問題ですよ。普通に許すつもりはありませんよ。」


「なっ、きさ、貴様。この私のことを騙したのか。」


この時、ようやくマグナ大司教はクレハの浮かべる笑みから自分がはめられたことに気が付いたのだ。


「騙しただなんて、人聞きが悪いですね。あなたが勝手に勘違いしただけですよね。だって私は一言も許すなんて言ってないんですから。」


クレハがニヤニヤしていると目の前の小娘にコケにされ、手のひらで転がされていたことにプライドがズタズタになりそうだったマグナ大司教だがこのまま相手の思惑通りに動いてしまったら自分の大司教という役職を失ってしまうことになる。だからこそ、今だけは反省しているように見せたのだ。


「そ、それは申し訳なかった。こちら側が誤解したのがすべて悪い。だからこちらの謝罪を受け入れて欲しい。」


「そうですか、謝罪は分かりましたから賠償はどうなるのですか?」


「へっ、ば、賠償?」


「そうですよ、まさか、賠償がなしなんて言わないですよね?こちら側は休店によって利益が減っているのですから、もちろん賠償金を用意しますよね?とりあえず、王金貨5枚くらいですかね?」


クレハの莫大な賠償金の請求にマグナ大司教は思わず先ほどまでの態度を忘れてしまい怒鳴り声をあげてしまう。


「ふざ、ふざけるな!」


「あれ?王金貨5枚ではダメでしたか?それでは10枚にしましょう。」


「はっ、なぜ増えるのだ!」


「あぁ、すみません。20枚の方が良かったですよね。」


「そもそもそこまでの金額は教団にて会議を行う必要があるのだ。この場では決められん!」


「やっぱり50枚の方がちょうどいいですかね?」


マグナ大司教が何かを話すたびにクレハの要求する価格は上昇するため、ついには我慢できずにダン!と机にこぶしを叩きつける。


「あ~ぁ、今のでこの机は使い物にならなくなったじゃないですか。これも賠償につけておきますね。全部で王金貨100枚お待ちしています。一応言っておきますけどこの金額を払わなかったらクレハ商会はまだまだ休店しますので。看板もどんどん増えていきますよ。


私はどれだけ休店しても大丈夫ですけどあなた達は大丈夫ですか?そろそろクレハの宿を利用するはずだった大貴族や豪商の方々からクレームが帝国の方にいっているのではないですか?それって、あなた達にとっては結構マズいですよね?


私、帝国も嫌いなのでいくらでも休店できますよ。まぁ、王金貨500枚払ってもらえるのなら再開してあげてもいいですけどね。」


もはや何かを言おうものならどんどん賠償金が上がっていくためマグナ大司教は口を開けたまま言葉を発することが出来なかった。ニヤニヤとしているクレハの目の前でどうすればいいのか分からなくなってしまった彼はトボトボとクレハの元を後にするのだった。


よろしければブックマーク登録や↓にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ大変うれしく思います。


また、作者は他の作品も投稿していますので興味がある方はそちらもお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] クレームを止めさせるためには、必要な犠牲ですよね? みたいな感じでプッシュしているよね・・・。 最初の方でわかりましたって聞いておけば・・・ねぇ。
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