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196 嫌な予感

「ここがヘーデュ商会らしいですね。何だか、思っていたよりも派手というか、店構えがいい雰囲気じゃないですね。」


クレハとルークの二人はルークの案内でヘーデュ商会へと到着したがそこにあったのは高級そうな装飾が施され、あたりの景観とは悪い意味で抜きんでている様子だった。


「そうですね、正直、この店の装飾を担当した人のセンスはナンセンスとしか言いようがありませんね。こんな店構えだと入ってくるお客さんも入ってきませんよ。まぁ、とりあえず話をしてみましょうか。センスは悪くても商談はちゃんとしている可能性はありますからね。」




「すみません、香辛料に関しての商談を行いたいのですが、担当者の方とお話をさせていただけますか?」


二人は早速、商会内に入り、ルークが受付と思われる人間に商談を行いたいと話をする。


「はい、かしこまりました。担当者をお呼びいたしますのでしばらくお待ちください。」


ルークたちの予想とは違い、受付の人間の対応は普通だった。悪い噂が流れており、店構えもあのような商会であったため、受付の態度もひどいものだと考えていたのだ。


「意外と普通でしたね、もっとひどい対応をされるかと思っていたんですけど。」


「そうですね、案外、噂は噂だったのかもしれませんね。」


そんな話をしながら担当者を待っていると二人に声をかけるものが現れることになる。


「あー、お前らか。香辛料が欲しいっていう商会は。たくっ、金はちゃんとあるんだろうな。ケチな取引だったら許さねーぞ。ほら、ついてこい。」


「えっ、あー、はい。そうです。」


突然の予想外の言葉遣いに少しだけ戸惑っているルークだったが何とか言葉を返すことが出来た。しかし、クレハはこの時点で嫌な予感がしていたのだ。初めての商談でこのような態度をとる人間がまともな人間とは思えなかったからだ。


そんなことを思いながらも二人は担当者の後をついていくことになるのだった。


「それで、お宅ら、香辛料を買い取りたいんだって?」


「はいそうなんです。実はですね・・・。」


部屋に案内されると早速、商談へと入ることになる。ルークは香辛料を買い取りたいこと、船があるのであれば自分たちの大陸への運送をお願いしたいことなどの条件を話した。


クレハが調べたところによるとヘーデュ商会のような大きな商会では自分たちの商品を別の大陸に卸しに行く場合は自分たちで船を出すことが一般的らしい。


大商会であれば船なども所有しているうえに、商品を卸しに行った際に新たな商品を仕入れるということが行えるため、特に手間ではないからだ。


むしろ、船を出すことによって貿易を行え、利益を出すことができるため、たいていの商会は自分たちで船を出しているそうだ。


「ということなんです、いかがでしょうか?」


ルークは特に大した要求をしたわけではなく、一般的な取引の話をしていた。クレハとしてもそれで問題ないと考えていたのだ。しかしながら、次の担当者の発言でこの商会が噂通りの商会だということが分かってしまうのだった。


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