194 カレー
「これです!このカレーという食べ物です。これはとっても美味しいですよ、ぜひ、ルークにも食べてもらいたいんです。私が調べたところによると、こちらの大陸では香辛料が安く手に入るみたいなんです。
だからこそ、香辛料を豊富に使った料理が売られているようですね。向こうの大陸では基本的に香辛料は高価ですのでここでしか味わうことが出来ないものですよ!」
クレハがルークに食べさせたかった食べ物とはカレーのことだった。クレハ達がもともと暮らしていた大陸では香辛料が少なく、高価であったため、こういった料理は存在していなかった。
しかしながら、こちらの大陸ではどの国でも香辛料を栽培しているというくらい、豊富に存在している。だからこそ、向こうには存在していなかった料理も存在しているのだ。
「えっ、香辛料と言えば胡椒とかのことですよね?そんなのがこっちでは簡単に食べることが出来るんですか?」
「そうなんですよ、ルークもこれが気に入ったのならその時は向こうでも食べられるようにうちの商会で貿易をしてみようと思うんです。
ちょうど港もありますからこちらに来てくれる商会を捜せば毎日食べることが出来ますからね。カレー以外にも香辛料を使った料理はとっても美味しいですよ!」
「本当ですか!カレーというのはまだ食べたことがないので分からないですけど、あれだけ貴重な香辛料をたくさん食べれるなんて夢みたいですね。カレーが美味しかったら、ぜひ、港に来てくれる商会を捜しましょう!僕も頑張っちゃいます。」
そんな話をしながら、ルークの目の前に先ほど店員から受け取ったカレーをクレハは差し出す。クレハも自分の分をとルークよりも先に一口食べる。
「ん!美味しいです、私が知っているカレーとは少し違うんですけど、これはこれで美味しいです。カレーの中にも色々種類があるようでこれはスープカレーというらしいですよ。スープの様にスプーンで飲んだり、パンにつけて食べると美味しいらしいですよ。」
「へーっ、そうなんですね。じゃあ、僕も頂きます!これは、今まで食べたことがない複雑な味ですね!それに、パンにつけて食べればカレーがしみこんでとっても美味しいです!」
「どうですか、これが向こうでも食べられればうれしくないですか?」
分かり切っている質問だが、クレハはルークにその答えを尋ねる。
「もちろんですよ、これなら毎日食べても飽きません!オーナー、商会との交渉は僕にやらせてください!何としても僕たちの大陸に来てもらうんです!」
ルークは普段から真面目ではあるが今日のルークは一段と商談に熱意を燃やしていた。そんなルークをしり目に見ながらもクレハは自身の知っているカレーライスに関してどうにかして自身の領地で開発ができないかと考えているのであった。
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