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165 よし、お前処刑な

「おい、いったい何を言っているんだ。変なことを言っていないでさっさと万博にでも遊びに行ってこい。何か気になる商会があると言っていただろ。パパは仕事中なんだから。それと、確かそちらにいるのはオリクト王国のテクネー王妃ですな。


困りますな、他国の人間がこのような場所に許可もなく立ち入られては。どういった理由か分かりませんが、今なら不問としますからお引き取りください。あなたは知らないかもしれませんが、今朝、少々騒ぎが起こりましてな。それに関しての処理で忙しいのです。


それと、俺はお前に言ったよな。しばらくは部屋からでるなと。お前のせいで余計な仕事が増えたんだからお前は部屋で大人しくしておけ。」


皇帝は何かの今朝の騒ぎで忙しいと言っているがそれは第四皇子が起こした騒ぎに関してだ。いくらコーカリアス王国の国王と話をつけ、互いに不問としたが色々と処理をする問題は山積みなのだ。


そんなこともあり、皇帝の第四皇子に対する態度は冷たい。いや、むしろ、他国と問題を起こしておきながら部屋で大人しくさせておくという処置を行っている点で第四皇子には甘いのかもしれない。


しかし、そんなことは関係ない。二人はタイミングを合わせ、第四皇子を皇帝の目の前に放り投げると彼が悲鳴を上げる。


「いでっ、何するんだよ姉さん。親父に言われたから部屋で大人しくしていたのにどうしてこんなことをするんだよ。それに!そこの女!お前、この帝国の皇子である私に何をする!」


「うるさいクネ!お前は黙っているクネ。」


「そうですよ、お前は黙っていなさい。お前は今から黙って裁きを受けるべきなんです。」


そんな三人の会話を聞いている皇帝はなぜこのような事態になっているのか、理解することが出来ないでいた。そもそも、二人が第四皇子をこの場所に連れてきた理由すら分かっていなかったのだ。


「おい、おい、いったいどうしてそんなに怒っているんだ?何があったかパパに話してみなさい。」


そんな皇帝の言葉に第一皇女は自分たちがいかにクレハのケーキを楽しみにしており、交渉をするために準備をしていたのかを話す。


もちろん、テクネー王妃に関してもだ。自分がクレハに言い負かされてしまい逃げてしまったことは恥ずかしかったため話してはいないが今回の万博でクレハに交渉をし、関係を持とうと考えていたことを熱弁した。


そんな二人の話を聞いた皇帝の反応は第四皇子にとってあまりにも不憫であり、呆気ない一言だった。


「よし、お前、今日処刑な。そうしたら、明日は葬式が行えるだろ?」


「へっ?」


皇帝のあまりのあっけない一言に第四皇子は反射的に疑問を浮かべてしまうのであった。


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