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148 二人のコラボ作品!

ポティリ男爵は余程、このケーキが気に入ってしまったのだろう。


「マジかよ、何とかならないのか?こんなうまいもんが食えなくなるなんてあんまりだぜ。」


「一応、商会の方に来ていただければ食べていただくことは可能ですが。もしくは、砂糖と一緒にケーキのレシピも販売しますので料理人の方に作ってもらうかですね。砂糖自体は保存がききますのでそれなら領地にいても食べることができますが。」


「そいつは難しいかもしれないな。あたしも職人の1人だから領地を出るわけにもいかないからね。それに、うちには料理人なんて言える立派な奴はいないんだよ。みんな食えればいいって奴らばかりだから料理なんてできないんだ。」


ポティリ男爵の屋敷では料理をまともに行える人間がいないのだろう。レシピを渡したところで意味がないと言われてしまう。


「なぁ、もしもビオミカ男爵が良ければなんだけど、うちで商会の支店を出してくれないか?そうしてくれれば、あたしも食べることができるから助かるんだけど。」


「ポティリ男爵の所に支店ですか?」


しかしながら、クレハはわざわざポティリ男爵の領地に支店を出すうま味がないと考えている。確かに支店を増やすことは集客力を高めることにつながることだが、商品の運送などの問題もある。そのため、何かメリットが無ければクレハとしては支店を増やすことを考えていなかったのだ。


クレハがあまり乗り気ではないのが表情に出ていたのだろう。このままではケーキを食べることができないと考えたポティリ男爵は精一杯、アイデアを振り絞る。


「そうだ!うちのガラス製品とケーキのコラボをしないかい?」


「コラボですか?」


「そうさ、今はケーキの皿に陶器や木を使っているだろう。これをガラスの皿にするんだよ。このケーキは見た目がかなり美しいから皿もこだわれば良い商売になると思うんだよ。高いものに目がない貴族たちにセットで売りつければ買っていくんじゃないか?」


クレハがそう言われて考えついたのはガラスでできたケーキスタンドだった。ケーキスタンドとはホールケーキなどを乗せるお皿のようなもので、その美しさが更にケーキの良さを引き出している。


「それは良いアイデアかもしれません!あの、こういう形状のお皿なのですが、ガラスで作れたりしますか?」


そう言うと、クレハは一般的なケーキスタンドの形状をポティリ男爵に伝える。


「あぁ、この形なら問題ないと思う。試作を何回か行えばできると思う。」


「それなら支店を出す価値は大いにありますね!ポティリ男爵、ぜひ前向きに検討させていただきます。その時はよろしくお願いしますね!」


「こちらこそ、よろしく頼むよ。」


それから、ポティリ男爵の領地にクレハ商会が出店され、芸術的なお皿とケーキのセットは住人達や貴族問わず大ヒットするのであったがそれはまたのお話。


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