14 新商品の開発
クレハは早速ルークをクレハ商会に案内する。クレハ商会につくとフワフワなパンを作るための説明をルークに行う。
「ルークまず初めにどうしてパンがフワフワになるのかを説明します。まずパンを作るためには酵母といわれるものが必要です。この酵母がパンの生地を膨らませることによってパンを焼いたときにフワフワに仕上がります」
「酵母ですか?聞いたことないです。オーナーは物知りなんですね。さすが、人気の商会を経営されているだけのことはあります」
「ルーク、おだててもフワフワなパンしか出ませんよ。さて本題に戻りますがその酵母はリンゴの皮から作ります。まず、リンゴの皮を水に入れて3日ほど置いておきます。その後で、3日ほど置いた水でパンを作ればフワフワのパンの完成ですよ」
「リンゴの皮を使うだけでパンがフワフワになるんですか?オーナー早速作らせてください!」
「ええ、いくつか材料の配分を変えて一番良い配合の割合を見つけてください。ルークあなたは今日からクレハ商会の一員です。私はいつも通り商品の販売を行いますが、あなたはパンの開発に力を注いでください。パンが完成するまでは商会の手伝いの必要はありません」
「分かりましたオーナー、絶対に美味しいパンを作って見せます」
彼はそう告げると最高のパンを作るために試作を始める。
1週間後、ルークがクレハの元を訪れ一つのパンを差し出した。
「オーナーこのパンを食べていただけませんか」
「ルークじゃないですか、これは、パンができたんですね。それではいただきます」
クレハはまずパンを両手でさく。ルークが持ってきたパンは従来のパンに比べ簡単に引き裂くことができた。表面はカリッとしていて中からはきめ細かい生地が顔を出す。この世界のパンではなく前世でのパンにそっくりだった。
白くきめ細かい生地をクレハは千切り口に入れる。その瞬間パンは瞬く間に口の中に消えてしまった。
「ルークやりましたね!これですよ、これこそが私の求めていたパンです!よくやってくれました」
「ありがとうございます。これもオーナーのおかげです。オーナーの知識があったからこそできたことで僕は何もしていません」
「謙遜しなくてもいいですよ。これはあなたが頑張ったからです。早速明日から商会で販売を開始しましょう!」
この世界で初めての酵母が含まれたフワフワのパンが完成した瞬間である。クレハはルークからもらったパンをあっという間に平らげ、さらにもう一つのパンに手を付けるのであった。
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