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135 悪夢の予感

「オーナー、結局これを王妃様に持っていくのですか?」


ルークは王妃に報告を行うときのことを訪ねる。


「そうね、プリンを王妃様に出すのはいいのだけれど、これはパンみたいに長持ちするものじゃないから出すのであればその場でお作りしないといけないわね。」


「そうだ、このプリンのすばらしさを話して王妃様に砂糖を買ってもらえばいかがですか?醤油の時と同じですよ。」


ルークはいい案を思いついたと自慢げにクレハに提案をする。


「そうね、ただ問題が一つあるのよ。」


「問題ですか?僕には何も問題になるようなことは思いつかないですけど。」


心配そうに考えるクレハに対してルークはどんな心配事があるのか考えるも思いつかないようでうなりながら考え込んでいる。


「このプリンはカロリーがすごいのよ。そのうえ、今まで食べたこともないような甘くておいしいスイーツ。それが砂糖を安定生産できるようになって大量に、安価に作れるのよ。」


その言葉を聞き、ようやくルークも理解する。


「それって、サラさんが聞いたら。」


「ええ、間違いなく飛びついてきてお代わりをたくさんするでしょうね。そしていつまで経っても食べ続けて最後には・・・また、ブクブクなサラさんの完成です。」


二人の脳裏に浮かんだのはブクブクに肥えたサラの姿だった。


「でも、さすがに王妃様にお出ししないわけにはいかないですよね。」


「そうね、何とかしてサラさんには内緒でお出しするしかないですね。」


「そんなことをして、後から自分だけプリンを食べられないことを知ったら血の涙を流すんじゃないですか?」


「そ、そんなまさか。」


そんなことはないと口では言うクレハだがその様子を想像すると血の涙を流すサラしか思い浮かばない。


「確かに血の涙を流しそうな気がします。というか、それ以外のサラさんが思い浮かびません。ですが、サラさんには甘いものは禁止です。もしも、サラさんに甘いものを出してしまえば生活費をすべてスイーツに費やしてしまいそうな気がします。


それで日々の暮らしに困るようなことになってしまえばさすがに私の寝覚めが悪いです。そのうえ、プリンよりもさらにおいしいケーキなんて出した日には大変なことになる気がします。」


「個人的にはプリンよりもおいしいケーキがとても気になりますが今はサラさんの対策を考えましょう。僕も知っている人がそんな風になってしまったら悲しいです。


多分、オーナーの言う通り、サラさんが一度プリンを食べてしまえばこちら側に帰ってこれなくなると思います。どこかに縛り付けてでもサラさんがプリンを食べるのは阻止しなければならないですよ。」


二人はどうにかして王妃にプリンを提供しつつも、サラにはその存在を嗅ぎつかれないように対策を練るのであった。


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