1 私が追放された日
”自分から追放された元貴族令嬢ですが許せないので見返します”が始まりました!
まずはこの作品を開いていただきありがとうございます!
「お前は今日をもってシルドラ家から追放する。今後。シルドラの名を名乗ることは許さん」
「ようやくお前の顔を見なくて済みそうですね。まったく、さっさと出ていきなさい」
「そうですねお母さま、ようやくお姉さまの顔を見なくて済みそうです。あら、もうお姉さまなんていないんでした。下民は早く出ていきなさい」
そう私に父と義母、妹が私に追放を言い渡す。今日、クレハ・シルドラはシルドラ家を追放されたのだ。
生まれたころから前世の記憶があったクレハ。
彼女の実母は彼女を産んですぐに死んでしまった上に実母は平民であったためクレハは妾の子としてあまり良い扱いを受けていなかった。
そのため彼女は自分に前世の記憶があることを家族に告げてはいなかった。
彼女はライスオット帝国のシルドラ伯爵家の長女として帝国の第4皇子との婚約が決まっていたがそれを妬んだ妹のサンドラが父:クリフと母:マーラに自分こそが婚約者にふさわしいと申し出た結果、邪魔なクレハは追放されたのだ。
だが、この追放はクレハの思惑通りだった。
クレハは妾の子であることから自分の扱いがひどいことに嫌気がさしていたため自ら追放されるために皇子に近づいたのだ。
自分が皇子と婚約したらサンドラがそのことを良く思わないことは性格からしてよくわかっていたからだ。
案の定、サンドラが第4皇子に取り入ってからというもの、第4皇子はサンドラにぞっこんで今やクレハのことなんて気にも留めていない。
自身の思惑通り追放されたクレハ。だがこれで終わる彼女ではなかった。
「ようやく追放されましたわ。これでこの国を出ていくことができますわね。でも、今まで私にさんざん意地悪をしてくれましたわね。このことは、絶対に忘れませんわよ」
その夜、誰にも送られることなく元シルドラ家長女クレハはシルドラ家を去っていった。彼女が持たされたのは平民が一か月程度暮らせるだけの金貨5枚と麻の服のみだった。
「これからどうしましょうか、そういえば前世に読んでいた小説なんかでは現代知識を使って商売をして成功していましたわね。試しに隣国の商人にリバーシでも売り込んでみましょうかしら。ほかにもテンプレではマヨネーズとかもありましたわね。ライスオット帝国ではマヨネーズなんて見ませんでしたからそれも売れるかもしれませんわね」
彼女がそうささやくとシルドラ家の治めている街、ミトから隣接している隣国コーカリアス王国の国境の街、ピトリスへと歩き出したのだった。
自らに行われた仕打ちを忘れることなく、いつの日か仕返しを果たすために。
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